2月のおはなし広場 『ともだちや』で理解の差
絵本 うれしいさんかなしいさん 松岡享子作 東京子ども図書館 *
おはなし てぶくろ ロシアの昔話
絵本 いちねんせいに なったから! いちねんせいの1年間 (講談社の創作絵本) くすのきしげのり文 田中六大絵 講談社
紙芝居 紙芝居 りゅうぐうのくろねこ (紙芝居 アジアのむかしばなし) イ・スジン作 童心社 *
絵本 にぎやかなおでん犬飼由美恵文 出口かずみ絵 教育画劇
大型絵本 ともだちや (「おれたち、ともだち!」絵本) 内田麟太郎文 降矢なな絵 偕成社
『うれしいさんかなしいさん』は、うれしいこととかなしいことが代わりばんこにおきる。もう少し小さな子向けのおはなしかもしれないが、おはなし会の導入として子どもたちが和むように読んでみた。子どもたちはすぐに、そのパターンを理解して「うれしいさん」「かなしいさん」と口々にいっている。反対からも読んでまんなかでぶつかると、ちょっと驚きの声があがった。
そのあとの「てぶくろ」は、熱心に聞いていた。知っているおはなしだろうに、動物が増えるたびに、「ええー」「むりだよー」と言っている。絵本で見るのとは別の感覚があるのかもしれない。
大喜びだったのは『いちねんせいに なったから! いちねんせいの1年間 (講談社の創作絵本)』。ともだちをつくろうと、一生懸命、自己アピールする主人公に、笑ったり、「無理無理!」と声に出したりしていた。ラストも大笑いで終わった。
その興奮があとをひいて、そのあとの私の紙芝居『紙芝居 りゅうぐうのくろねこ (紙芝居 アジアのむかしばなし)』は、始まりがざわついて、先生が「しーっ」と注意されたりした。こういうとき私は、うまく子どもたちを引きつけられないなと思う。それでも、途中からしんとして聞いてくれた。あずき5粒を食べさせられた猫が金を5粒だすところ、死んでしまうところ、芽がでてくるめところなど、興味深く聞いていた。最後は「ほー」という関心の声。そして「短かかった!」という声があがって、私はちょっと安心した。「短い」と言うときは、たいてい、集中してきいて、あっという間におはなしが終わってしまったように感じているときだからだ。
『にぎやかなおでん』で、またにぎやかに。こんにゃくが芋からできていることを知ってる子がいて、驚かされた。
最後の大型絵本『ともだちや (「おれたち、ともだち!」絵本)』も、楽しんでいた。オオカミがともだちになったキツネに、大切なミニカーをプレゼントすると、「ええ、あげちゃうの?」と、その気前よさに驚いていた。子どもから見れば、いくらともだちでも、簡単に宝物を贈るのは難しいのかもしれない。「ともだちいちじかん100円」という呼び声がおもしろいらしく、その呼び声がラストで変ったのが残念な様子を見せる子も。みんが喜んで聞いていたけれど、理解の深さがそれぞれ違う。ほとんどの子が本当の内容をちゃんと理解できるには、もう少し年齢が上なのかもしれない。