おはなし広場

2020年2月18日 (火)

2月のおはなし広場 『ともだちや』で理解の差

 昨日のおはなし広場。暖かかったけれど、先生がストーブを焚いてくださった。
プログラム
 絵本 うれしいさんかなしいさん 松岡享子作 東京子ども図書館 *
 おはなし てぶくろ ロシアの昔話
 絵本 いちねんせいに なったから! いちねんせいの1年間 (講談社の創作絵本) くすのきしげのり文 田中六大絵 講談社
 紙芝居 紙芝居 りゅうぐうのくろねこ (紙芝居 アジアのむかしばなし) イ・スジン作 童心社 *
 絵本 にぎやかなおでん犬飼由美恵文 出口かずみ絵 教育画劇
 大型絵本 ともだちや (「おれたち、ともだち!」絵本) 内田麟太郎文 降矢なな絵 偕成社

うれしいさんかなしいさん』は、うれしいこととかなしいことが代わりばんこにおきる。もう少し小さな子向けのおはなしかもしれないが、おはなし会の導入として子どもたちが和むように読んでみた。子どもたちはすぐに、そのパターンを理解して「うれしいさん」「かなしいさん」と口々にいっている。反対からも読んでまんなかでぶつかると、ちょっと驚きの声があがった。
 
 そのあとの「てぶくろ」は、熱心に聞いていた。知っているおはなしだろうに、動物が増えるたびに、「ええー」「むりだよー」と言っている。絵本で見るのとは別の感覚があるのかもしれない。
 大喜びだったのは『いちねんせいに なったから! いちねんせいの1年間 (講談社の創作絵本)』。ともだちをつくろうと、一生懸命、自己アピールする主人公に、笑ったり、「無理無理!」と声に出したりしていた。ラストも大笑いで終わった。
 その興奮があとをひいて、そのあとの私の紙芝居『紙芝居 りゅうぐうのくろねこ (紙芝居 アジアのむかしばなし)』は、始まりがざわついて、先生が「しーっ」と注意されたりした。こういうとき私は、うまく子どもたちを引きつけられないなと思う。それでも、途中からしんとして聞いてくれた。あずき5粒を食べさせられた猫が金を5粒だすところ、死んでしまうところ、芽がでてくるめところなど、興味深く聞いていた。最後は「ほー」という関心の声。そして「短かかった!」という声があがって、私はちょっと安心した。「短い」と言うときは、たいてい、集中してきいて、あっという間におはなしが終わってしまったように感じているときだからだ。

にぎやかなおでん』で、またにぎやかに。こんにゃくが芋からできていることを知ってる子がいて、驚かされた。

 最後の大型絵本『ともだちや (「おれたち、ともだち!」絵本)』も、楽しんでいた。オオカミがともだちになったキツネに、大切なミニカーをプレゼントすると、「ええ、あげちゃうの?」と、その気前よさに驚いていた。子どもから見れば、いくらともだちでも、簡単に宝物を贈るのは難しいのかもしれない。「ともだちいちじかん100円」という呼び声がおもしろいらしく、その呼び声がラストで変ったのが残念な様子を見せる子も。みんが喜んで聞いていたけれど、理解の深さがそれぞれ違う。ほとんどの子が本当の内容をちゃんと理解できるには、もう少し年齢が上なのかもしれない。

2019年11月18日 (月)

11月のおはなし広場 りんご病に気をつけて

 ようやく紅葉し始めた。今年は暖かい。きょうは冷え込みも少なく、こういう日におはなし会があたるのは、ありがたい。

 

プログラム
 絵本 ネズミのよめいり (十二支むかしむかしシリーズ) 谷真介文 赤坂三好絵 佼成出版社
 おはなし 七わのからす グリムの昔話 *
 絵本 えんぴつくん アラン・アルバーグ文 ブルース・イングマン絵 福本友美子訳 小学館
 絵本 だいすきがいっぱい (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ) ジリアン・シールズ文 ゲイリー・ブライズ絵 おびか ゆうこ訳
 大型絵本 どうぶつしんちょうそくてい 聞かせ屋。けいたろう文 高畠純絵 アリス館

 

 今年のは1年生はもともと少ないのだが、きょうは欠席が多いのか、さらに少なく感じる。そんなことを感じながら始めた。

 

  

 

 最初の『ネズミのよめいり (十二支むかしむかしシリーズ)』は、「いま国語の授業で日本の昔話のことを学んだところだけれど、このおはなしはみんなあんまり知らないみたいだから」と、1年生のお母さんが読んでくれた。
 ところが、途中で、先生が一人の子を後ろへ引いていき、マスクを渡している。校長先生も入ってきて、なにやら話している。何事だろうかと子どもたちの気がそれた。

 

 

  ←出典本

 

 その次がわたしのおはなし「七わのからす」。最初は静かに始まったのだが、また、途中から先生方が、何人かをひとりずつ後ろへ引いていき、今度は外へ連れ出している。そのたびに子どもたちの視線はそちらへ向かう。私は、一度先生が一番前の子を連れて行ったときのみ、少し語るのをやめて待ったが、そのほかは仕方ないのでそのまま語り続けた。内心、は~、これじゃ台無しと思いつつ。やはり、子どもたちは集中できず、話についてこれなかったと思う。その中でも数人の子がずっと真剣に目を向けてくれていて、救われた。私のお話の後半で、連れ出されたうちの何人かが戻ってきて、後ろに座った。でも、途中から聞いたって、おはなし、わからないよね。そのあとは、幸い、出入りはなくなった。

 

 

  

 

えんぴつくん』は、子どもの関心のある文房具の奇想天外なおはなしだから、子どもたちは楽しめたようだ。この本も1年生のお母さんが読んでくれた。やはり、お母さん方は、子どもの旬の絵本を選ぶことができる。

 

  

 

だいすきがいっぱい (主婦の友はじめてブック―おはなしシリーズ)』は、しんとして聞いていた。くまのぬいぐるみの気持ちがよくわかるのだと思う。

  

 

 ラストは『どうぶつしんちょうそくてい』で、楽しく。キリンやシロクマの身長の高さに驚き、身長計にしがみついて寝てしまうコアラに笑い声を立てていた。
 ま、いろいろあったけれど、最後はたのしく終えられてよかった。



 終わってから先生からうかがうと、どうやら「りんご病」がこの土日のあいだに流行し、その疑いのある子が、保健室へいかされ、熱を測っていたらしい。ううむ。できたら、おはなし会の前に検温をやっておいて欲しかったけれど、きっと、おはなし会が始まってから、りんご病の流行に気がついたのだろうから仕方ない。
 りんご病妊婦が罹ると危険らしい。どうぞ、広まりませんように。

2019年10月 7日 (月)

10月のおはなし広場 もりだくさん

 ぐんと涼しくなった。いよいよ読書の秋。きょうは1年生のお母さんが2人読んでくださった。やはり、お母さんは子どもをリラツクスさせて楽しませる。子どもたちはわいわいと楽しく聞いてくれた。
プログラム
 絵本 ゆっくりがいっぱい! エリック・カール作
 おはなし 金いろささかのおんどり ロシアの昔話
 紙芝居 たいふうがくるぞ―台風にそなえる (安全紙芝居 あぶないそのときどうする) 菊池俊文  宮崎耕平絵 教育画劇
 絵本 おうちにいれちゃだめ! ケヴィン・ルイス文 ディヴィッド・エルコリーニ絵 長友恵子絵 フレーベル館
 絵本 さるとかに 神沢利子文 赤羽末吉絵 銀河社 *
 大型絵本 キャベツくん (ぽっぽライブラリ みるみる絵本) 長新太作 文研出版
ゆっくりがいっぱい!』は繰り返しがたくさんある本。子どもたちはそれが楽しいようだ。繰り返すたびに笑いが起こる。うってかわって「金いろとさかのおんどり」は静かに聞いていた。
 紙芝居『たいふうがくるぞ―台風にそなえる (安全紙芝居 あぶないそのときどうする)』は、少し前の時代の紙芝居だけれど、台風の怖さは同じ。真剣な面持ちで聞いている。


おうちにいれちゃだめ!』は、おうちに入れちゃだめとお母さんに言われるものがどんどん大きくあり得ないものになっていくので、大喜び。最後のオチも十分分かって楽しめたようだ。

 

 その次の『さるとかに』は、私が読んだ。途中で、「かにのももたろう、かにたろうだ」と言う声が聞こえてきた。クライマックスのところ、うまく読めなくて、自分としてはがっかりだ。練習が足りなかったと思う。
 

 
最後は『キャベツくん (ぽっぽライブラリ みるみる絵本)』で、子どもたちはもう大喜びだ。ノミから鯨への展開に、きゃーきゃーと喜んでいた。やっぱり、キャベツくん、強し!
 盛りだくさんのプログラムで、うまく時間内に収まった。おもしろいものと、聞くもの。バラエティに富んでいたから、子どもたち、飽きなかったと思う。

2019年7月 8日 (月)

7月のおはなし広場 いいプログラム

 今日は梅雨の合間。久しぶりのおひさまは嬉しい。新人さんがひとり入って下さって、読んでいただいた。1年生のお母さん。子どもと接していらっしゃるから、本選びも読み方も上手。子どもたちも嬉しそうだ。


プログラム
 絵本 しろちゃんとはりちゃん あめのいちにち たしろ ちさと作 ひかりのくに
 絵本 ライフタイム: いきものたちの一生と数字 (ポプラせかいの絵本) ローラ・M. シェーファー文 クリストファー・サイラス ニール絵 福岡伸一訳 ポプラ社
 おはなし 小さなオンドリとダイヤのボタン ケイト・セレディ作(『お話してよ、もうひとつ―コルウェルさんのお話集』より)*
 大型絵本 たなばたバス (チューリップえほんシリーズ) 藤本ともひこ作 鈴木出版
 絵本 わたししんじてるの (絵本の時間) 宮西達也作 ポプラ社


 今日は3回目。子どもたちはだいぶなれたきたようで、感想などを口々にいう子も出てきた。


    


しろちゃんとはりちゃん あめのいちにち』は、雨の日のけんかがテーマ。ついけんかをして、意地をはりあって、つまらない気持ちになること、子どもたちには身につまされるお話。しんとして見ていた。読み終わると、花瓶が2つだね。水が漏ってるね。とちゃんとわかっている言葉が聞こえた。


    


ライフタイム: いきものたちの一生と数字 (ポプラせかいの絵本)』は。新人さんが読んでくださった。読み聞かせが初めてとは思えなくて、びっくり。しっかりした声で、子どもが興味を持つところを丁寧に読んで、動物のすごさに、子どもたちも驚きの声を上げていた。


   


 次は、わたしの語り。オンドリがやっつけられそうになるたび、起死回生することを喜んで聞いてくれた。2つ目のエピソードでもう先を予測できる子もいて、語りながら、おおーすごい!と思った。
 このお話は昨年の1年生にも語って、子どもたちが歓喜の声をあげて大騒ぎになった。それと比べると、かなり落ち着いた聞き方だ。学年のカラーというのだろうか。そういった聞き手の反応の違いがあるのがおもしろい。


    


たなばたバス (チューリップえほんシリーズ)』は、昨日七夕だったねと、読み手が子供たちを導入して始めた。「……バス」のしゃれは、まだわからなかったみたいだけれど、面白い展開を楽しんでいた。彦星、織姫、天の川のページがきれいだ。


    


 ラストは『わたししんじてるの (絵本の時間)』。シリーズの本なので、子どもたちは「知っている」と言いながらも、よーく聞いていた。11分くらいかかる長いお話。しかも、暑いし、たくさん聞いた後なのに、集中が途切れない。じっくりと聞けてこどもたちも、満足だったと思う。


 終わってから、とてもいいプログラムだったねと、みんなで自画自賛。2学期も頑張ろう!!

2019年5月20日 (月)

5月のおはなし広場 リラックスできた?

 今年度の1年生にはじめてのおはなし広場。教室で音楽室に移動して、1組4列(2組なので8列)に並ぶのは、たぶんはじめてのこと。先生に教えてもらいながら、とても緊張した面持ちで並んでいる。毎年、学年のカラーを感じるが、今年度はおとなしめ。リラックスして聞いてもらえるようにと、心がけた。

プログラム
 朗読 たんぽぽ 川崎洋詩 *
 絵本 へいわってすてきだね 安里有生文 長谷川義史絵 ブロンズ新社
 絵本 パンダ銭湯 tuperatupera作 絵本館
 大型絵本 はじめてのおつかい(こどものとも傑作集) 林明子作 福音館書店
 絵本 わたしはあかねこ サトシン文 西村敏雄絵 文溪堂
 エプロンシアター 3びきのヤギのガラガラドン *

 できるだけ緊張をほどくようにと詩を読む。「たぽんぽ」「ぽぽんた」「ぽんたぽ」「ぽたぽん」の名前の響きをニコニコしてきいている。ああ、よかったと思った。


へいわってすてきだね』では、読み手が、元号の話から昭和に戦争があったことを話してから読んだ。この絵本は、沖縄県に暮らす1年生の安里有生くんが、沖縄全戦没者追悼式で朗読した詩を元ににしている。同じ1年生の子どもたちが、どう受け止めただろうか?

     


 静かに聞いたあとは『パンダ銭湯』。「読んだこともある」という子が何人もいる人気本だ。読み手が、子どもたちの声を聞きつつ、少し説明を入れながらも読んだので、楽しい笑顔になった。

     


 そのあとの『はじめてのおつかい(こどものとも傑作集)』でも「知っている」という子が何人か。でも、大型絵本。とても真剣な顔で聞いていた。最近はこどもたちはあまり「おつかい」に行かないんからかえって新鮮だろう。だから余計に興味があるかもしれない。

     


わたしはあかねこ』は、かなり深い話だと思う。子どもたちはどう感じただろうか? ひとりだけ赤色で生まれたあかねこを「かわいそう」という声があがった。だからこそ、この先どうなるのか、よく聞いていたと思う。ラストは虹色の家族となり「きれい!」という声や「戦隊みたい」という声。心に残して、もっと大きくなったらまた読みかえしてほしいな。

     

 最後は、毎年恒例のエプロンシアター。今年も、喜んでもらえたと思う。「山へ行って太ってこよう」というと、「太りたくない」という子がここ何年か、必ずいる。飽食の時代ならではかな?

  

2019年3月20日 (水)

3月のおはなし広場 最終回も賑やかに

 3月18日のおはなし広場。今年度の最後。今年の1年生はとても楽しんできいてくれる。18日も賑やかになった。

ブログラム
 大型絵本 ねずみくんのチョッキ (ねずみくんの小さな絵本) なかえよしを文 上野紀子絵 ポプラ社
 おはなし かしこいモリー イギリスの昔話 *
 大型絵本 <ビッグブック よかったね ネッドくん レミー・シャーリップ作 八木田 宜子訳 偕成社
 絵本 まゆとおおきなケーキ 富安陽子作 降矢なな絵 こどものとも2009.04 福音館書店 *
 絵本 ほんとのおおきさ・あかちゃん動物園 小宮輝之監修 尾崎たまき写真 柏原晃夫絵 高岡昌江文 学研マーケティング

  

ねずみくんのチョッキ (ねずみくんの小さな絵本)』は上野さんの追悼もこめて。でも、子どもたちはそんなことは関係なく、チョッキの行方を楽しんでいた。
 大はしゃぎのあとの「かしこいモリー」。私が語った。はじめのうちは、子どもたちにはしゃぎたい気分が残っていたのだが、大男が出てきてから、そんな雰囲気はなくなって静かに聞き始めた。私はなんだかとても緊張していて、口がうまく回らないところも。でもだんだん話がのってきた。ただ、大男にモリーが、袋を棒でたたくといったところで、何人かが袋をたたく真似をしはじめ、お話よりそっちの方で盛り上がってしまった。こんなことは初めてなので面食らった。
 次の『;ビッグブック よかったね ネッドくん』は、またまた大はしゃぎ。そして次の『まゆとケーキ』も。このお話は、スピード感があって、ダイナミックで、最後はみんなでおいしく食べて、子どもの満足する要素がつまった、実にできた絵本だと読みながら、改めて思った。
 最後の『ほんとのおおきさ・あかちゃん動物園』は、動物の赤ちゃんの写真を見て、子どもたちはとても喜んでいた。読み手も、解説いながらよんだので、興味をもてたと思う。
 最後に、子どもたちからお礼のお手紙をいただいた。
 来年は2年生。朝の短い読み聞かせだれど、またよろしくね。

2019年2月18日 (月)

2月のおはなし広場 子どもの興味をひくもの

 準備のために早めに行ったのだけれど、6年生を送る会の練習が行われていて、入室できず。会場を作っているあいだに、1年生がもうやってきて、焦ってしまい、余裕のないはじまりとなってしまった。

プログラム

 絵本 わたし (かがくのとも絵本) 谷川俊太郎文 長新太絵 福音館書店 *
 おはなし てぶくろ(ストーリーテリング) ウクライナの昔話
 絵本 クローバーのくれたなかなおり (フレーベル館の秀作絵本) 仁科幸子作 (フレーベル館
 紙芝居 わたり鳥 (フォトかみしばいかがくのアルバム) 七尾純構成・文 七尾企画絵 あかね書房
 狂言えほん 狂言えほん ぶす (講談社の創作絵本) もとしたいづみ文 ささめやゆき絵 講談社
 大型絵本 ビッグブック パパ、お月さまとって! エリック=カール作 もり ひさし訳 偕成社*

  

  

わたし (かがくのとも絵本)』は、最初のうち、他の人から見ると、わたしをどういうのか、という意味が、子どもたちには分からないで「おかあさん」「おとうさん」などと言っていたが、途中から意味が分かったようで、考えていえるようになった。人との関係性を伝えるこの本に、1年生がこんなに興味をもつとは思わず、すこし驚いた。
 おはなしの「てぶくろ」は、「知っている~」と口々に言っていたくせに、つぎつぎと動物がはいろうとすると「ええーっ!」と驚いている。語り手といっしょに動物の名前も唱えていた。
 うってかわって『クローバーのくれたなかなおり (フレーベル館の秀作絵本)』は、とてもしんとして聞いていた。友達との喧嘩と仲直りは、子どもたちに身近で身につまされることなのだろう。
 その逆に『わたり鳥 (フォトかみしばいかがくのアルバム)』は、あまり興味をひかないようだった。鳥でも、ツバメやスズメ、カラスなんかだとよく見聞きしているから興味を持ったかもしれない。紙芝居にでてきたアオバヅクは、「フクロウだ」といって見ていた。
狂言えほん ぶす (講談社の創作絵本)』は、読み手が「ぶすはトリカブトの毒で食べると死んじゃう」と最初に説明したのがよかった。子どもたちは、太郎次郎といっしょにぶすを怖がり、太郎次郎が食べてしまうと真剣に心配していた。高学年で読むのとはまた違う反応なのが面白い。
 最後は『 ビッグブック パパ、お月さまとって!』。大型だと、さらにスケールが大きくなって、子どもたちは驚いていた。いろいろな声をあげて聞いていたが、月が小さくなって、なくなってしまうとしん。また空に浮かぶと安心して、喜びの声をあげてくれた。それにしても、この大型絵本、めちゃくちゃ重い! 手伝いの人との練習が必要だ!
 それにしても、今年の1年生、もうすぐ2年生だけれどまだまだ、とても素直で反応がかわいい。

2019年1月21日 (月)

1月のおはなし広場 大いに盛り上がる……

 音楽室はエアコンが入っていなくて丸型ストーブ。今日は、先生が1台追加して、2台のストーブにしてくださった。やっぱり寒いけれど、ピリッとひきしまる。

プログラム
 大型絵本 ビッグブック おめんです いしかわこうじ作 偕成社
 おはなし 小さなオンドリとダイヤのボタン ケイト・セレディ作 *
 絵本 すすめ! かいてんずし 岡田よしたか作 ひかりのくに
 絵本 イノシシとお月さま (十二支むかしむかしシリーズ) 谷真介文 赤坂三好絵 佼成出版社
 大型絵本 バムとケロのさむいあさ 島田ゆか作 文渓堂

  

  

ビッグブック おめんです』は、もう表紙を見ただけで大笑い。ページを捲って大笑い、仕掛けのお面をページをめくって大笑い。読み手の声がまったく聞こえないほどだ。

 そのあとが私のおはなし「小さなオンドリとダイヤのボタン」だ。こんなに興奮してしまっている子どもたち、お話がきけめだろうか? 「おばさんはお面していないから、おばさんの顔見てね」などと、少し話してからはじめた。コケコッコーの鳴き声で笑い声。そして、オンドリが井戸の水を飲み干してしまうと、驚いて大騒ぎに。そのあとも、オンドリがすごいことをするたびに大騒ぎになり、コケコッコーを私と一緒に言おうとし……。声が届かなくて、なんどか、止まって声が静まるのを待った。その結果、少しリズムがくずれて、ところどころ違った言葉を言いながらも修正して語った。ラストのぶぶんは、もうお話しの格の部分は終わっているから、あまり聞いていない。とにもかくも語り終わって、思わず笑ってしまった。ふーっ。1冊目からの流れでああいった大きな反応になったのだろうか? このお話だけだったら、これほどにはならなかったと思う。

次の『すすめ! かいてんずし』も、やはり、大騒ぎに。後の方の子たちは絵が見にくいので立ち上がって、先生に注意されたりしている。もう少し絵が大きいとよかった。

 こうした刺激のある作品が続いただけに、次の『イノシシとお月さま (十二支むかしむかしシリーズ)』は、ものたりなく感じてしまったかもしれない。子どもたちは少しおしゃべりしたり、体をあちこちに動かしたりしながら聞いていた。でも、イノシシがすもうをとりはじめるとしんとなった。すもうが身近なのか、勝負の行方がきになったか?

 ラストの『バムとケロのさむいあさ』は、わりと静かに見ていた。大型絵本なのだけれど、それでも細々したものが後ろの方では見えないのが残念。ラストの落ちをちゃんと予想している子がいた。

 今日のプログラム、子どもたちは確かに大いに楽しんでいたけれど、少し偏っていたんじゃないかと不安になる。作品選びには正解がなくて、迷うばかりだ。

2018年12月18日 (火)

12月のおはなし広場 みんなで楽しく

 昨日は、今年最後のおはなし広場。子どもたちは早めに集まり、時間よりはやく始まった。

プログラム
 大型絵本 ダンゴムシみつけたよ (ふしぎいっぱい写真絵本) 皆越ようせい作 ポプラ社 *
 おはなし ホットケーキ デンマークの昔話
 紙芝居 クリスマスなんかだいっきらい! (四季の行事シリーズ クリスマス) 山崎陽子文 大和田美鈴画 教育画劇 
 絵本 はなのあなのはなし (かがくのとも絵本) やぎゅうげんいちろう作 福音館書店 *
 大型絵本 ぐりとぐらのおきゃくさま (ぐりとぐらの絵本)なかがわりえこ と やまわきゆりこ作 福音館書店

 とても反応のいい今年の1年生は、昨日も元気いっぱい。思い思いの言葉を発しながら聞いてくれた。
ダンゴムシみつけたよ (ふしぎいっぱい写真絵本)』は、たぶん幼稚園などで読んでもらっているかもしれないと思ったが、意外にも初めての子が多かったようで、興味を持って見てくれた。雌のおなかのなかにあった卵から、小さな赤ちゃんダンゴムシが出て来たところが一番盛り上がった。でも、アリやクモに食べられて死んでしまうところではしんとなる。
 次の「ホットケーキ」では、「おじさんぽじさん」「オンドリゴンドリ」といった言葉の繰り返しに大笑い。とくに「おじさんぽじさん」が子どもには面白いようだ。
 紙芝居『クリスマスなんかだいっきらい! (四季の行事シリーズ クリスマス)』では、クリスマスがだいっきらい!とオオカミがいうのが、子どもたちには不思議だったようだ。オオカミがサンタクロースから袋ごとプレゼントを盗んでしまう展開にはらはらし、サンタの元にプレゼントが戻るとほっとしている。このあたりが、サンタからプレゼントをもらう子どもたちの、大人とはちがう目線なのかもしれない。
はなのあなのはなし (かがくのとも絵本)』では、はなくそに大はしゃぎ。はなくそは汚いというと、「汚くないよ」という子がいたのには驚いた。
 最後は大型絵本『ぐりとぐらのおきゃくさま (ぐりとぐらの絵本』で、クリスマスを。有名な絵本なので知っている子もいた。でも、ほとんどの子は知らなくて、ぐりとぐらと一緒になって、大きな足跡や長靴の持ち主を推理していた。ぐりとぐらの家がでてくると「あそこにぐりとぐらって書いてあるから自分たちの家」と、言う子もして、よーく絵を見ていると思う。
 今回は、ひとつひとつの作品が長めだったので、はじまりが早かったけれど、少し時間を残すぐらいの、ちょうどいい感じになった。長めのおはなしも楽しめるようになってきた1年生。来年3回のおはなし会も充実したものになりますように。
 

   

2018年9月10日 (月)

9月のおはなし広場 夏休み明け、お疲れ気味の月曜 けだるい日

 今日も朝から雨。それも時折、豪雨。夏休み中は、ほとんど降らなかったのに、どういうことだろう。楽しい夏休みが終わって、1週間半過ぎた月曜日の2限目。外は雨。さすがの1年生も気分は下降気味だろうか。なんとなくけだるさがただよい、あくびをしている子が何人もいた。

プログラム
 大型絵本 読みきかせ大型絵本 うみキリン (よみきかせ大型絵本) あきやまただし作 金の星社
 おはなし アリョーヌシカとイワーヌシカ ロシアの昔話 *
 絵本 あかんぼっかん ザ・キャンビンカンパニー作 偕成社
 絵本 やまなしもぎ (日本傑作絵本シリーズ) 平野直再話 太田大八絵 福音館書店
 大型絵本 大型絵本>ここがせかいいち! (大きな大きな絵本) 千葉とき子 監修 チャイルド本社 

みきかせ大型絵本 うみキリン (よみきかせ大型絵本)』は、大きい絵本ということもあって、子どもたちははしゃいでいる。ページを捲るごとに反応がある。「きみもあえるかも」とのセリフに「むり~」というドライな声も。
 そのあとに私のお話「アリョーヌシカとイワーヌシカ」。楽しい絵本のあと、しんみりと聞くお話はつまらないかもと、不安に思いながら始めた。案の定ざわざわしている。でも、アリョーヌシカとイワーヌシカが二人だけになると、すっと静まってくれた。牛の蹄から水を飲むと子牛になるという言葉に、「そんなことあるはずない」という現実的な声も聞こえる一方で、ヤギの蹄から水を飲んでしまうところで、心配の声をあげる子もいて、お話に入り方は子どもにより、それぞれなのだと感じた。3分の2以上の子が、しっかり聞いてくれたと思う。
あかんぼっかん』は、またまた、楽しいお話で、笑いが起こる。『やまなしもぎ (日本傑作絵本シリーズ)』は、長いお話。太郎が沼の主に食べられたあたりでしんとなり、そのあと、少しずつわさわさしてきたが、ラストでまた、話に大勢の子が戻ってきたように見えた。
 ラスト『大型絵本>ここがせかいいち! (大きな大きな絵本)』は、「わー、知っている!」「すごーい!」と、いろいろな声が聞けた。とても楽しそうで、子どもたちは口々に話したくて仕方がない様子だった。

 何人かがあくびをしたり、ぼおーとしたりで、全体的に、けだるくぴりっとしなかった。でも、静と動を組み合わせたプログラムで、子どもたちはそれなりに楽しんでくれたと思う。

   

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