C児童館 ストーリーテリングによるおはなし会 語り手と聞き手の作る世界
プログラム
ねずみのすもう 日本の昔話
屋根がチーズでできた家 スウェーデンの昔話 *
鬼六と庄屋どん 日本の昔話
出典本
ひとり、ちゃちゃを入れる子がいて、ちょっと語りにくい感じ。「ねずみのすもう」では、「ネズミが話している」とか、「長者のねずみがお金を盗んでいる」とか。でも、ちゃんとおはなしの内容はわかっているようだ。語り手も落ち着いて語り、特にかけ声のところでは子どもたちも一緒に声に出したりして、楽しいおはなしになった。
わたしは「屋根がチーズでできた家」。はじめのうちは、屋根にのぼったのは「わたしだよー」などといってくるので、語りにくい。でも、妹が屋根に上って「それから、わたし」と大きな声で言うと、びっくりしたような顔をして、聞き出した。他の子どもたちも集中して聞いてくれ、とてもいい感じだった。なのに、また、間違えた。兄の台詞を妹のところで言ってしまったのだ。すぐに「まちがえた」と言っていい直して、すぐ立ち直して語り、その後も子どもはよく聞いてくれたけれど、自分としてはあーあーとため息。最近、どうして、自分でも信じられないところで間違えるのだろう。今日こそ、集中して語りきろうと思っていたのに……。でも、終わると、茶々入れる子が、「おばさんがトロル女みたい」と言うので、それはそれで面白かった。
最後の「鬼六と庄屋どん」は、その子がついに飽きてしまったようで、部屋から出たり入ったり、クライマックスでもどってきて座り、よく聞いていた女の子に話しかけ、おしゃべりが始まってしまった。でも、語り手はしっかりと語り、他の子どもたちもよく聞いていた。
いろり端で語られてきた昔話。きっと、生活のなかでのことだから、しんとした空間ではなかっただろう。でも、語り手と聞き手のなかにはおはなしの世界がすくっとできあがっていたのだと思う。そんな風に語れたらいいのに。私は、まだまだ、おはなしが自分のものになっていないのだろうな。