絵本+つぶやき

2006年10月12日 (木)

クモの巣の展覧会

昨日の雨が上がって、今朝は町中が霧につつまれましたが、子どもたちが家をでるころには霧がきえ、青空がのぞきはじめました。
子どもたちの後について学校まで歩いて行く途中、家の垣根や柵、植木にかかっている大きなクモの巣が、お日様に照らされ、レース模様がくっきりと見えて、とてもきれいでした。特に見事だったのが、歩道橋から学校へ向かう道路の上の、電線と電線の間に、数え切れないほど並ぶクモの巣。それぞれが思い思いの形をして、学校までつらなっていました。まるで、クモの巣の展覧会を観るようで、思わず子どもたちと足を止め、見入ってしまいました。
子どもたちはそれぞれ感嘆の声をあげ、いつもはちょっと怖い分団長さんが、低学年の子に「ほら」と指差して教えてあげたりしています。「夜のうちにこんなに張ったのかなあ。それとも、いつも、張っていたのに気がつかなかっただけかなあ」といっている子もいて、わたしも、うんうんとうなづきました。

クモの巣は、この季節にとくに目立つような気がします。冬眠のため、子作りのために栄養を蓄えているんじゃないかと、勝手に解釈しているのですが……。

クモの本といえば、今年の夏、『くものニイド』(いとうひろし作 ポプラ社)が出ました。

クモの巣作り名人、くものニイドのつくる巣は、カブトムシといった大きな昆虫だけでなく、ジェット機や空飛ぶ円盤だって捕まえることができるほど。でも、そのニイドの巣にゴミを放り込んでいく不届き者がいる。風だ。そこでニイドは……。

夢がぐんぐん広がるお話です。でも、季節が夏なのが残念でなりません。わたしにとって、クモは秋なのです。

わたしが、クモの巣が秋に目立つと気づいたのは、『シャーロットのおくりもの』(E.B.ホワイト作 さくまゆみこ訳 あすなろ書房)を読んでから、クモの巣を注意して見るようになったからかもしれません。この物語でシャーロットが美しいクモの巣を張るのは、夏だったでしょうか?(手元に本がないので確認できませんが) 

昨年は、今森光彦さんの写真絵本『クモ(やあ!出会えたね)』(アリス館)に、魅せられました。クモの巣を実際に作らせるところがあって、わたしもやってみたいと思ったものです。でも、息子は意外とクールで、この絵本にあまり興味を示してくれませんで(反抗期なのか、ほんとうに興味がないのか)。
その頃、わたしはダイニングの電灯にクモを飼って(つまり張っていたクモの巣をそのままにしていた)観察していました。不注意で何度かクモの巣を破ってしまったのですが、早朝、クモは修繕するとわかったり、なかなか面白かったです。

クモの絵本といえば、もうひとつル=グウィンの絵本『いちばん美しいクモの巣』(みすず書房)を思い出します。こちらは、すっかり内容を忘れてしまっています。今一度読み返してみたいです。

2006年8月19日 (土)

盆明け

暑さのせいか、一年間、だましだまし使っていたパソコンがとうとうダウン。タイミングよく、近所のパソコンやさんが引越しのために売り尽くしセール、そして夫は盆休み。思い切ってあたらしいのを購入した。その日のうちに、家族で、私の実家へ帰省したので、ばそこちゃんは、段ボール箱から出されることもなく居間においてきぼりに。
家にもどってきてさっそく設置。設定したり、新しい機能にほおっと感心したりするうち、はや3日。盆も終わり、そろそろ日常に戻らなくては。といっても、今夜は息子のサッカチームで、グランパスVSジュビロ戦を観戦、明日は午前にサッカーの試合、午後はシェークスピアの「リチャード三世」の観劇と落ち着かないのだが……。

今朝は、積読になっていた図書館の絵本を、ようやくゆっくり観る余裕ができる。

そこでおもしろさを再発見したのが

 『しってるねん』 いちかわけいこ文 長谷川義史絵 アリス館

大阪弁の男の子が、商店街で、おばさんに「こんにちは」と声をかけられて、「しっているねん」けど、誰か思い出せない。くすりやのおばさんかな? いやちがう、そのとなりの花やのおばさんかな? と考えていく。そうして、読者に商店街のいろいろなお店を紹介てくれる絵本だ。
背景の看板や広告、品書きなどにおもしろい言葉が書いてあるのは、前に見たときにしっていたが(とくに薬屋の天井からたれた広告は、作者がわたしと同年代であることを物語っている)、今回気づいたのは、違うページで、複数回登場す人たち。へえーと思って、人探しをした。そして、裏表紙のあそびに気がつき、大笑い。また絵本をはじめから終わりまで眺めることに。
この本、まだまだ、遊びが隠されていそうだ。

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