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2025年10月

2025年10月23日 (木)

T小学校 3年生 ストーリーテリングによるおはなし会 語りのなかで迷子になる

一昨日(10月21日)の朝は、T小学校で秋のお話会。
実は、あまりにも酷くて、ここに記録することさえ、辛い気もするのだが……。

3年生へ2人で入った。

プログラム
 馬方やまんば 日本の昔話 『日本の昔話5』より *
 王子さまの耳は、ロバの耳 ポルトガルの昔話 『子どもに聞かせる世界の民話』より

わたしは、ひとつめ「馬方やまんば」を語った。

この日、わたしはなぜか、集中力が足りなかった。
でも、語り慣れたお話なので、言葉は自然に出てくる。

はじめに、馬方は荷物を馬の背に振り分けにつけているのだが、山姥が魚をくれていうので、片荷をやり、またくれていうので、残りの荷もやる。そのあと、山姥は馬の脚を1本くれという。、

ここまで語ったとき、あれ? 荷物、両方投げたっけ?と不安になった。
でも、ここはかまわず先に進めた。

子どもたちは脚を切ったところで、笑い出す。
これは、とてもいい反応だ。

そのまま語りながら、馬方が池のそばの木に登り、その池に映った姿を山姥がみつけるのだが、ここで、また、あれ? 馬方が木にのぼったこと言ったっけ?と思って、ついに、語りを止めてしまったのだ。

そして、子どもたちに「馬方、木にのぼった?」と聞いた。
子どもたちは大きくうなずいてくれ、そこからまた語りはじめたのだが、子どもたちの反応は、やはり悪くなり、わたしもまた、ますます気がそわそわして、練習通りにかたれなかった。
せっかくあんなに上手く語れるようになっていた(と自分では思う)と、悔やまれる。

とにかく最後まで行き着き、次の方のお話に移った。
わたしは、ぼーっとしていて、実はあまり聞いていなかったのだが、ゆっくり、はっきりと語っていて、歌がリフレインされるところでは笑い声も起こって、最後は驚きと、とてもよいお話になった。

ひとつめのお話の出来にかかわらず、子どもたちも満足したようで助かった。

でも、わたしとしては、とても悔やまれる。
思い出せば、前回の春も同じ3年生で、今回ほどではないが、同じように心がお話からそれてしくじって、大反省をしている。

このクラスには、魔物が住んでいるのか……。
いや、おそらく、とてもいい聞き手たちなのだと思う。
それで、わたしはつい、子どもたちを見てしまい、お話をおうのを忘れて、迷子になるのだ。
前回も、今回も、語り慣れた話。だから、余計に危ない!!

いったい、何度同じ過ちを繰り返すのか!
今度という今度は身に染みた。
と言いつつ、忘れるのがわたし。語る前に思い出すためのグッズでも作ろうか。、

 

J児童館 運動会の振替え休み 児童クラブのおはなし会 ハロウィンは?

今週の月曜日、運動会の振替え休みに煮来ている児童クラブの子たちにおはなし会をしてきた。
1年生から6年生まで21人の子どもたち、と、児童クラブではないけれど遊びに来た女の子ひとり、あわせて22人が聞いてくれた。

プログラム
 詩の朗読 あいうえおにぎり ねじめ正一詩 
      なにがかくれている?
 絵本 ハロウィンの日 平山 暉彦作 福音館書店 *
 紙芝居 ハロウィンのかぼちゃ ますいさちみ脚本 スズキコージ絵 童心社 *
 手遊び なにが落ちた?
 大型絵本 わんぱくだんのはしれいちばんぼし ゆきのゆみこ・上野与志作 末崎茂樹絵 ひさかたチャイルド


「なにがかくれている?」では、あいうえおの中には「あお」や「いえ」が隠れているし、かきくけこの中には「かき」や「きく」があるしと、クイズみたいになっている。子どもたちは一生懸命考えていた。

わたしは10月なので、ハロウィンの絵本と紙芝居を読んだ。
ハロウィンの日 』は、アメリカで子どもたちがハロウィンの夜をどんな風に過ごすか、『ハロウィンのかぼちゃ 』は、ハロウィンに飾るカボチャの提灯の由来話だ。
図書館の読み聞かせに来る小さな子たちには少し難しく、小学生にはぴったりと内容なので、この時期に児童館に呼んでいただいたことを喜んでいた。
子どもたちも、高学年の子まで、とてもよく聞いてくれた。
日本でも、10月には街がハロウィン色になったり、子ども会などでパーティをしたりするから、興味があるのだと思う。

ただ、ひとり「ハロウィン」という言葉を聞いた途端に「ぼくは聞けない」といって、部屋から出て行ってしまった。その子は最初廊下できいていて、そのうち、また戻ってみんなと聞いていた。

あとから館の先生に聞いたところでは、宗教の関係で、親から参加しないようにと言われていたようだし、幸いなことに、お話も楽しんでもらえたようだ。

こちらとしては、海外の様子や、風習の由来を伝えているだけのつもりではないけれど、人によっては、受け入れられないこともあるのだろう。
それを考慮しはじめると、クリスマスの本もお正月行事の本も、お祭りの本も読めなくなってしまう。それに、世界をのぞき見ることは、どの子にも大切だと思う。
だから、今回の選書も、決して間違いでなかったと思いたい。

線引きが難しい。

異文化のなかで暮らす少数の人たちは、こうした摩擦を感じながら生きていることを心にとめておきたい。

ハロウィンあとは、楽しい手遊びで、心が和んだ。

大型絵本『わんぱくだんのはしれいちばんぼし 』は、ファンタジーに入れた子と、現実的に考える(汽車は空を飛ばないとか、宇宙には空気がないとか)いた。
ファンタジーにつれて行くのは、なかなか難しい。

2025年10月11日 (土)

I市立図書館おはなし会 子どもたちに教わる

三連休の1日目の今日は、今にも雨が降ってきそうな曇り空。

図書館に家族づれはちらほら。そのなかで、3組の親子(大人4人、子ども5人)が来てくれた。
赤ちゃん、2歳さんふたり、3歳さんひとり、5歳さんひとりだった。

プログラム
 詩の朗読 たべもの 中江俊夫詩
 絵本 じゃばじゃじゃーん 柿木原 政広作
 絵本 びっくりまつぼっくり 多田多恵子文 堀川理万子絵  福音館書店 *
 手遊び しあわせなら手をたたこ
 絵本 どん(こどものとも年中版2012.12) 坪内稔典文 元永定正絵 中辻󠄀悦子構成 福音館書店
 紙芝居 さるかにがっせん 長崎源之助文 若菜珪画 教育画劇 *
 わらべうた さよならあんころもち


たべもの』は絵本もあるが、言葉だけ唱えると、よりたべものから受ける五感が広がるようにかんじた。子どもたちも、形容する言葉からたべものを想像しているのか、集中してきいている。たとえば「もこもこ」なら「さといも」と。

じゃばじゃじゃーん 』は楽しかった。コップからこぼれた牛乳の形がなにに似ているか考えるのだが、作者が意図しているものとは他の物が見えたりする。つまり、正解はないので、小さな子も好きな物を言っていた。電車好きの2歳さんは、ずっと「でんしゃ」といっていた。怪獣に見えるところでは、5歳さんが「ティラノサウルス」とかもうひとわたしの知らないきょうりゅうの名前をいっていた。

びっくりまつぼっくり 』で驚いたのは5歳さんが「松の種」を知っていたこと。
読み終わってから、わたしが作ったびっくりまつぼっくりの瓶詰めを見せた。

   Img_2407

『どん』では、2歳さんから5歳さんまで、じーっと絵に見入っていた。大人だと「はてな?」と思う絵本だが、子どもたちの感性をつかむなにかがあるのだろう。
ここでも5歳さんが「赤色と青色がまざると紫色になる」と話してくれた。

最後は紙芝居『さるかにがっせん』。2歳さんにはまだ難しかったかもしれないが、おかあさん方の呼びかけもあって、最後まで見てくれた。
5歳さんはまたすごかった。お話を知っていて、針や子ガニの隠れているところをちゃんと教えてくれたのだ。

ゆったりと、楽しめるおはなし会になったと思う。
その雰囲気が赤ちゃんにも伝わったのか、最初お母さんに抱かれても、ちょっとご機嫌斜めだったが、終わりには、床に寝転がってにこにこしていた。

子どもたちに教わって、いろいろな発見のあるお話会だった。よい時間をありがとう。

 

2025年10月 8日 (水)

H児童館 未満児さん おはなし会

台風の影響だろうか? 10月なのに最高温度が30度を超えてしまった今日、H児童館へ未満児さんのおはなし会へ。

1組の親子が来ていた。2歳さんと1歳さんの兄弟だ。
1歳さんはもうタカタカと歩けるし、こちらのいっていることはしっかりわかっている様子。2歳さんは、先生のお話では人見知りだということだ。

プログラム
 絵本 おなまえおしえて 新井洋行作 偕成社
 紙芝居 ぱんぽこぽん 矢代貴司脚本 ひろかわさえこ絵 童心社 *
 わらべうた こめついたらはなそ *
       どんぐりころちゃん *
 絵本 れいぞうこ 新井洋行作 偕成社
 手遊び 大型バスにのってます
 大型絵本 おべんとうバス 真珠まりこ作 ひさかたチャイルド


おなまえおしえて 』では、人見知りの2歳さんは後の方にすわっていたのだが、ページを捲るごとに何の動物か、身体をずらせて見ていた。
最後の方には、ちいさな声で動物の名前を当てようとしている。
でも、読み手が「あなたのお名前は?」と聞くと、さっと逃げたした。

紙芝居『ぱんぽこぽん』では、舞台をみて興味津々。扉を開けると、近くまでみにきて、また、後へ。
それでも「とんとんとん」と戸を叩くまねをしてくれた。
1歳さんの方は、おかあさんと一緒に。

お手玉遊びは、一生懸命やってくれた。
2歳さんは、お手玉を下へ落とすのはとくいだけれど、上に放り投げるのは難しそう。
それでも、最後に「袋にいれて」といって回収するとき、弟の分も一緒に入れてくれた。えらい!!

「大型バスにのってます」の手遊びでは、2歳さんは、バスっぽいおもちゃの自動車を引っ張り出してまたがった。
好き放題に走り回っているようだけれど、ちゃんと内容はわかっているのだ。

おべんとうバス 』では、まず2歳さんが、それから1歳さんが、おべんとうの中身を食べにきた。

おはなし会のあいだ、ちゃんと座って見ていたのは短くて、車にまたがって動き回ったり、走ったり。
でも、絵本や紙芝居に興味を記すだけでなく、内容がわかっていると感じた。
1組の親子だったこともあり、飛び回る姿がとてもかわいらしく思えた。

ありがとう。おばさんたちは、とても楽しかったよ!

 

2025年10月 7日 (火)

K市立図書分館おはなし会 急ごしらえのプログラムで

先週の土曜日(10月4日)のおはなし会。雨が降り、残暑のしつこいなか、過ごしやすい日だった。
でも、図書館に人はまばら。
子どもが来るのを待っていたが、予定の終了時間になり、帰ろうとしたら、2歳さんをつれたお母さんが、「もう終わっちゃいましたか?」と言いながら入ってきた。

2歳さんと小さいけれど、せっかく来てくださったので、「ちょっと短かめで」とはじめた。

プログラム
 わらべうた どんぐりころちゃん
 絵本 はしれワニくん! うすいかなこ作 アールアイシー出版販売
 絵本 ばいばい まついのりこ作 偕成社
 絵本 はたらくくるま バイロン・バートン作  あかぎかずまさ訳 ポプラ社
 紙芝居 きょうの くだもの なんだろな? こがようこ脚本 土田義春絵 童心社


2歳さんはとても恥ずかしがりさんで、なかなか私たちの方を見てくれない。
それでも『ばいばい 』で、お母さんに励まされて、バイバイと手をふったりしているうち、だんだん慣れてきた。
はたらくくるま 』では、じっと絵を見ていた。男の子は、車や電車に興味を持つ子が多いが、後で聞くと、この子はいま電車に夢中とのことだ。

紙芝居『きょうの くだもの なんだろな? 』では、大好きな果物がたくさんでてきて大喜びだった。
最後のいちごがたくさん出てきたときは、きゃっきゃっと声を上げて喜んでいた。

土曜日のお話会は、だいたい3歳以上を想定しているので、今回は急ごしらえのプログラムになった。

こんな日もあるから、1-2歳向けの絵本も準備しておかなくては……。

2025年10月 4日 (土)

南K小学校 朝の読み聞かせ 2年1組 「七わのからす」遠い世界へ

先週の水曜日(10月1日)は、南K小学校で朝のお話会。久々に「七わのからす」を語ってみた。

まだ朝の会をしていたので、廊下で待ちながら、壁に貼られている子どもたちの絵をながめた。卵からなにかの世界が飛び出す絵で、いろいろな世界を想像しているのだけれど、画用紙にはりつけた絵は、画用紙から飛び出していている。子どもたちの絵は、本当に楽しい。

教室にはいると、床に座って待っていてくれた。

語ったお話
 七わのからす グリムの昔話(『子どもに語るグリムの昔話3』より)


とてもよく聞いてくれていたように思う。
初めから、生まれた子が今にも命をおとしそうなこと、七人の男の子が、カラスにかわってしまうこと、などショッキングなことが続くせいだろう。
ほとんどの子が、息を詰めて、聞いているように見えた。

後半になると、少し聞き疲れた子も出てきたのだが、ラストはまたしっかり聞いてくれた。

聞いている子どもたちも、語っているわたしも、遠い世界に行ける、素敵なお話だと思う。また、語ってみたい。

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