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2025年3月

2025年3月20日 (木)

K市立図書分館 ひよこちゃんのおはなし会 幅ひろーい年齢では

春分の日の今日は、日が差して、ようやく春が来そうな気配だ。
祝日とあって、小学生の子が来館していて、お話会に参加してくれた。小2の子ふたり、5歳さんひとり、2歳さんふたり。1歳さんひとりの子ども6名とお母さんがたの4名だった。。
大きい子が3人前に陣取り、ひよこちゃんたちは後の方へ座ってしまった。さらに、2歳さんのふたりはちょうど、自分の気の吹くままに動く時期で、読み聞かせから注意がそれてしまっていた。
0-3歳向けに絵本や紙芝居、わらべうたを想定していた私たちは、少し慌てながらも、違う日につかうために借りていた本や、館の書棚の本を使って、なんとか楽しんでもらえたと思う。

プログラム
 わらべうた くまさんくまさん *
       お茶を飲みに来てください *
 絵本 かくかくしかく 得田之久文 織茂恭子絵 童心社
 絵本 はるかぜさんぽ えがらしみちこ作 講談社
 わらべうた ずくぼんじょ *
 絵本 サンドイッチサンドイッチ 小西英子作 福音館書店 *
 手遊び たまごをぽんとわりまして *
 絵本 ひよこさん 征矢清文 林明子絵 福音館書店 *
 紙芝居 かわるよかわるよ 小林桂子作絵 教育画劇
 紙芝居 ひよことねこ 重松彌佐脚本 村田エミコ画 童心社 *
 わらべうた さよならあんころもち


導入はいつもと同じようにくまさん人形を使って。おもしろかったのは、小学生の子も、くまさん人形で歌いながら近くにいくと、こはずかしそうな顔をしたこと。一番喜んでくれたのは2歳の男の子。「うわーい」と声をあげてくれた。

さて絵本では、『かくかくしかく 』では四角でなにができるかをお母さんといっしょに考えてくれた。
サンドイッチサンドイッチ 』では、「チーズとマヨネーズはお母さんがきらい」「パンの耳は○○ちゃんがきらい」と言いながらも、みんなで、楽しくサンドイッチをつくって食べることができた。
ゆで卵がでてきたので「たまごをぽんとわりまして」の手遊びをやってみた。最後のホットケーキでは、バター、蜂蜜、チョコレートクリーム、それからなんと黒蜜、アイスクリームをつけて、みんなで食べた。

紙芝居『かわるよかわるよ 』は、仕掛け紙芝居。赤いまるからなににかわるか、黄色い三角からなににかわるか、かなり難しかった。
最後は大きい子たちが満足できるように『ひよことねこ 』を読んだ。ひよこのかわいらしさとまぬけさ、そして起きる恐怖の体験と思わぬ出来事を楽しんでもらえたと思う。
ただ、最後の方で、私が大声で読んだせいか、他になにかあったせいか、わからないけれど、2歳さんが泣き出してしまった。

小さな子と大きな子、幅ひろーい年齢のおはなし会では、子どもたちの様子を見て臨機応変が大切。そのために、いろんなポケットを持っていられるように、日々研鑽を重ねていこう。

2025年3月15日 (土)

D保育園 年長さん ストーリーテリングによるお話会 6回目 成長という「奇跡」

 昨日は、今年度最後のお話会。D保育園だ。
 思い返せば、今年の年長さんは、最初全然聞いてくれなかった。なぜか、「むかしむかし」と語っただけで大笑いするので、私たちは困惑するばかりだった。
 それが年が明けてから、急にしっかり聴けるようになってきて、私たちを驚かせた。秋の行事やもうすぐ小学校という気持ちが成長させたのだろうか?

 今回は、教室へ入っていくと多くの子が「ぎーっ」と耳に手を当てていう。9月に語った「きしむドア」を覚えていて、リクエストしているのだ。
 でもきょうはきょう、今日のお話もおもしろいよといってはじめた。

プログラム
 はじまりのうた ろうそくぱっ *
 おはなし 屋根がチーズでできた家 スウェーデンの昔話 (『子どもに語る北欧の昔話』より) * 
 手遊び つくしんぼ 
 おはなし アナンシと五 ジャマイカの昔話(『子どもに聞かせる世界の民話』より)
 おしまいのうた ろうそくぱっ 


「屋根がチーズでできた家」は、「きしむドア」を期待していた子たちは不服そうだったものの、やはり「子どもの肉を大好きなトロル女」で、ぱっと関心を向けてきた。「あたりを歩き回る男の子や女の子」とゆっくり語りながら、一人一人の顔を見ると、ますます真剣になって聞く。
子どもたちがこんなだと、私も嬉しくて、子どもたちの反応を見ながら、語りの調子や大きさを変えながら語れた。
聞き手と呼吸を合わせるって、こんな感じかなと思った。

続いて相方の語る「アナンシと五」も、同じことが起きた。子どもたちは「五」が禁句であることを理解していて、ダメダメと手を振ったり、耳を押さえたりしている。最後にアナンシが、自分の罠にかかってしまうと、一番うしろで聞いていた子が「やったー」と手を振って喜んだ。
それからおもしろかったのは、一番前にいた子が「(アナンシがサツマイモの山を)自分で数えられるじゃん」と叫んだこと。おそらくこの子は、アナンシが嘘をついて他の動物をだましていることがわからなかっただろう。それでも、「五」を言ってはいけないということはわかっていて、そのなかでおはなしを楽しんだのだと思う。

本当に、今年の年長さんの成長は素晴らしかった。成長という「奇跡」に、ほんの少しでも立ち会えたことが嬉しい。

それぞれが小学校にはいって、またたくさんの知らない子や先生との出会いがあり、初めての体験をたくさんして、また成長していくのだろう。
どうか、たくさんの奇跡を起こしてください。

2025年3月 6日 (木)

S幼稚園 年長さん ストーリーテリングによるおはなし会 トロルの声が響いたわけ

 朝のお話会につづいて、午後はS幼稚園へ。
 お部屋に入ると、そつえんまであと11日という手作りの日めくりが黒板にかかっていた。きっと園へ来る度にめくるから、土日や祭日を除くと、24日あたりだろうか?
 園でのいちにち、いちにちを目一杯に楽しんでほしい。

プログラム
 手遊び 大きい拍手、小さい拍手 *
 マーシャとくま ロシアの昔話 (『マーシャとくま』より)
 手遊び つくしんぼ *
 屋根がチーズでできた家 スウェーデンの昔話 (『子どもに語る北欧の昔話』より) *


 今日は、小学校入学をめざしてか、椅子席できいてくれた。2列に幅広くすわっている。
 外国籍の子が3分の2ほど。言葉があやふやな子が多い。言葉がわからなければ、お話もあまりわからないわけで、その子たちには、せめて手遊びで楽しんでもらおうと思っている。
 ただ、そうなると、おはなしの間も手遊びをしてしまう子が出てきて、お話を聞いている子の気がそれたりするが、それも仕方がないことだと思う。
 今日はたまたま、外国籍の子たちが、わたしたちから見て右側に固まっていたので、おはなしのあいだは、左側の子中心に語ることになった。

 私は、「屋根がチーズでできた家」を語った。朝の語りがあんまりだったので、家で練習していった。一緒にかたったメンバーによると、「きょうは一段とトロル女の声が響いていた」とのことだった。
 気がそれそうになる子どもたちを引き留めようと、ついつい大声になってしまったかもしれない。

 来年度も外国籍の子は多いとのこと。なんとか、一緒に楽しめる方法はないか? と思う。

 

I南小学校の朝の読み聞かせ 2年3組 オーバーアクションの子どもたち

 こちらも今年度最後の朝の読み聞かせ。今年度は高学年を担当することが多かったが、最後は2年生。そこで

語ったお話
 屋根がチーズでできた家 スウェーデンの昔話 (『子どもに語る北欧の昔話』より) *


 I南小学校は、机の席のままで聞くことが多いが、このクラスは先生の采配か、机を後ろにずって、床に座って聞いてくれた。
 これは、とてもありがたい。

 子どもたちは、お話をいくつも聞いてもらっているのか、「子どもの肉を食べるのが大好きなトロル女」がいた。という最初のところから、妙にブルブルと怖がって身を寄せ合ったりしている。話のすじのなかで、とてもよい反応ではあるが、3年生に近い2年生たち。あまりに過剰な反応ではないか? 少しだけ妙な感じがした。
 そのあとも過剰な「怖がってます」表現は、あちこちのグループで見られた。
 一生懸命きいている子たちに、こんなことを感じるのは、申し訳のないことかもしれない。

 それに私の語りも、とても満足のいくものではなかった。
 昨日まで「ホレおばさん」にかかりっきりで、語りなれた「屋根がチーズできた家」は、まったく練習せず、今朝、あわてておさらいするといった状態だったのだ。おまけに、今朝はいつにもまして、頭がぼーっとしており、危ないなと思ったら、案の定だった。

 トロル、妹、兄、トロルの順の会話が多いところ、一度、トロル、妹、トロルと兄を飛ばしてしまい、なんとか兄をつけたし、トロルにもういちど同じことをいわせるという、ごまかしもした。
 筋からは離れていないので、おそらく、はじめて聞く子どもたちは気づいていないけれど、ちゃんと語っていたほうが、ずっと面白みがあったはずだ。

 ラストのところでは、兄さんがトロル女をだましているの、ちゃんとわかっている子が何人もいる感じだった。

 今日の語りの反省は、語り慣れた話でも、先日に気をいれて復習を! そして、子どもたちの反応に呼応するのは大切゛たけれど、振り回されないこと。

 

南K小学校 朝の読み聞かせ 3年1組 今年度最後の「ホレおばさん」

 昨日の朝は南K小学校の今年度最後の朝の読み聞かせ。
 遅くやってきて、長引いた冬も、ようやく終わりが見えたようで、最近にしては暖かい朝だった。
 今年度はさすがに雪の降る日はもうないだろうが、わたしとしては、前回「もうあとあとちょっと」と悔やんだので、どうしてももう一回語っておきたくて、「ホレおばさん」を語ることにした。

語ったおはなし
 ホレおばさん グリムの昔話(『子ともに語るグリムの昔話1』『赤鬼エティン おはなしのろうそく愛蔵版8』より)


 教室に入って、「グリムの昔話」です、というと、「本物?」と聞く子がいた。なんのことを尋ねているのかよくわからなかったので、「本物です」と答えてはじめた。

やはり、働き者の娘と怠け者の娘がして、おっかさんは怠け者のほうをかわいがっている。という最初のところで、子どもたちの何人かが「えっ?」という顔をして、物語に入ってくる。
 そこからは、娘とともに不思議な世界を体験出来るようだ。真剣にこちらを見ている顔からそううかがえる。

 ただ、入れない子もやはりいて、その子たちは、ずっと退屈そうなのだ。この物語では、井戸に飛び込むところ(でもすぐに大丈夫とわかる)以外は、命の危険にさらされることはないので、話が単調に思えるノだろう

 こうした反応の違いは、その子その子の個性だろう。きょうだいや友だちの間で比べられて、理不尽な思いを経験している子には、この物語はなにかしら心に残る物があるのではないか思う。

 私の語りは、とりあえずはまとめられたと思う。後半に遅れてきた子が大声で歌を歌って教室に入ってきたときも、動じずに語りをつなげることも出来て、先生の少しの動きで集中できなくなった前回よりよかった。

 来年度も引き続き語ったみよう。

2025年3月 1日 (土)

K市立図書分館おはなし会 女の子のお話会

急に春が来た日、分館の児童室は、おひな様の飾り付けがしてあり、ああ、もう桃の節句だと感じさせてくれた。
今日来てくれた子は、5歳さん位の子が2人、小学生が2人でみんな女の子。奇しくも女の子のおはなし会になった。

プログラム
 手袋シアター つんつんつくしがでてきたよ *
 絵本 もりのひなまつり こいでやすこ作 福音館書店
 絵本 とんでいったりんご ふくだとしお 学研プラス
 手遊び つくしんぼ *
 絵本 うんめえ 吉村竹彦 佼成出版 *
 絵本 おだんごころころ 中脇初枝再話 MICAO絵 偕成社 *
 紙芝居 ぶくぶくチョッキンとこやさん 長島克夫原案・画 東川洋子文 教育画劇


初めから最後までとてもよく聞いてくれた。

もりのひなまつり 』は、絵が美しい。読んでもらうと、おひな様たちが踊ったり、歌ったりと動き出すのがわかた。今日のような、女の子がきりの小さなお話会には、ぴったりの絵本だ。

おだんごころころ』もよく聞いてくれたと思う。昔話は心をつかみやすいし、この絵本では、絵がきれいなだけでなく、迫力満点だ、

ラストの『ぶくぶくチョッキンとこやさん』は、とても可笑しかった。いばりんぼでおそれられていたライオンさんがカニの床屋さんに散髪してもらったら、なんと……と、ここで画面をひくと、たてがみをバッサリ切られたライオンさんがでてきて、笑ってしまった。

ずっと、1組か2組のお話会が続いてきて、今日は4組。しかも、みんなよく聞いてくれる。そんなに大勢ではないけれど、私たちはとても嬉しかった。

みんなで聞く楽しさ、おうちの人に読んでもらうのではなく、一緒に聞いて見る楽しさ。味わってもらえたらと思う。

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