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2024年11月

2024年11月29日 (金)

I南小学校の朝の読み聞かせ 4年3組 行事のあるとき

昨日のI南小、朝の読み聞かせ。

4年生は、その日、校外研修をすることになっているので、8:35までには終わらせるように、とお世話係さんから連絡が来た。
読み聞かせの始まりは8:25なので、持ち時間は10分以内。ほぼ9分で語れる「マメ子と魔物」と、予備として7-8分の「スヌークスさん一家」を準備していた。

早く教室に入れてもらえば、それだけ余裕を持って語れると思い、早めに教室にいった。

子どもたちはすでに、帽子をかぶり、机にリュックを置いて、出発の準備万端で、担任の先生が注意点を話している。先生のお話が長くなると、それだけ私の持ち時間は減っていくわけで、私は、はらはらして待っていた。
話が終わり、「リュックは机の横において」と先生の指示が聞こえ、8:23ぐらいに「どうぞ、お入りください」と入れてくださった。
と、「帽子は脱がせてください」と、外にいた先生から担任の先生への指示があり、「帽子を脱いで」となって、ようやく始めることができた。
時計を見ると、ちょうど25分になるくらい。

語ったのおはなしは、

 マメ子と魔物 イランの昔話(『子どもに聞かせる世界の民話』より)


25分まで語っていいはずだけれど、この感じだと、一刻も早く出発したいはず。と、ものすごく焦った。

タイトルも「マメ子と魔物」と急いで言ったら、魔物が「まみょの」みたいになってしまって、「まもの」と言い直すだけではじめてしまった。いつもより、ハイテンポで語る。
おはなしの半分ちょっと行ったところで、隣のクラスが終了して拍手が聞こえ、さらに、リュック姿の隣のクラス子たちが廊下を歩いて行く。
ますます、焦った!!

おまけに、昨日の朝は急に冷え込み、教室は冷え冷え。私も油断して防寒対策が足りず、緊張と凍えから、身体が震えそうだった。そのせいか途中で息が切れてしまい、ラストの方は、いつもより声がでなかった。

それでも、助かったのは、おはなしの中に入っている様子の子どもたちが何人かいたこと。
マメ子が上手く魔物をのせると、嬉しそうに笑ったり、マメ子がみつかると「えっ!」と声をあげたり。

なんとか終了して、時計を見ると34分位。ほっとした。
いつもは出典本を紹介するところ、やめて、さっさと挨拶して教室をでた。

まあ、なんとかなったけれど、自分としては、満足のいく語りではなかった。

なにか行事があるときの読み聞かせは、思い切ってなしにして欲しいと思う。

そして、今後の私への戒めは、万全の環境を自分に作ること。
寒いときは、カイロをいくついれても、どんなに厚着をしても、きちんと語れる体調でいること。
厳しい時間制限があるときは、持ち時間の半分くらいの予定にしておくこと。

とにかく、ゆったりが大切だ!

2024年11月26日 (火)

J東児童センター ぼんぽこお話会(0-3歳) 幼い子の生活と絵本と成長

朝の冷え込みは少ないけれど、曇りのそぞろ寒い日となった。
隣市の児童センターへ。
暖房はあまりきいていないけれど、子どもたちは裸足で元気だ。さすが若いのだ!!

プログラム
 わらべうた くまさんくまさん *
       お茶を飲みに来てください *
 絵本 かんぱーい 山岡ひかる作 アリス館
 絵本 こちょこちょ きむらゆういち作 偕成社
 紙芝居 ワンワンワン とよたかずひこ作 童心社
 ペープサート おおきなおいも


はじめ、3組の親子ではじめた。2歳さん3人とあかちゃんひとり。
「くまさんくまさん」は、お母さんと一緒に楽しく見てくれたのだが、「お茶を飲みに来てください」では、喜ぶ子と、恥ずかしそうに逃げる子とある。
そのうち、あかちゃんがなにかの理由で、大泣きしてしまい、お母さんが赤ちゃんとお姉ちゃんと出て行ってしまった。残念!!

で、二組となってしまったが、この親子は絵本をとても楽しんでくれた。

かんぱーい 』では、どんな乾杯になるか、お母さんが子どもさんにいっしょうけんめい話しかけている。そうさんのバナナでかんぱいのときの、子どもたちの嬉しそうな顔といったらなかった。

こちょこちょ 』では、おかあさんに体中をくすぐられて、身をよじらせて喜んでいた。

紙芝居のとき、もう一組の親子(赤ちゃんとお姉ちゃん)が入ってきたが、お姉ちゃんの方は、みんなといっしょには座らず、後の方で見ている。

ワンワンワン 』は、動物たちのかわいらしさが、親たちもにこにこ。紙芝居と一緒に、子どもさんの口や鼻や目にふれて、親子で楽しんでいた。

「おおきなおいも」は『おおきなかぶ』のおいも版。
後にいたお姉ちゃんのそばに私がいって、いっしょにお芋掘りの真似をしようとすると、「『おおきなかぶ』を昨日読んでもらったよ。ねずみや孫がでてきたよ。」といろいろおはなししてくれた。


そして、大きなおいもをどうやって食べようか、という話になると、トントントンと包丁で切るまねをして、「こうやって分けるんだよ」と教えてくれた。お母さんのお話では、お母さんがそうやって芋を切ったらしい。


その子は3歳という。
すごいなー! 生活と絵本と、いろいろがちゃんと小さな子の頭の中でつながっているのだ。

私はお話会でしか、こうした子どもたちと接する機会はないのだけれど、子どもたちの成長をこうして、ちょっとでも見られるのは、とても幸せだ。

 

I市立図書館おはなし会 聞き手が大人だけでも

先週の土曜日(11/23)のお話会。
この日は、午後から児童文学関係の講演会があり、それが原因かどうかはわからないのだが、図書館に子どもの姿が、い!な!い! たった一組の親子をみちけたのだが、どうもおはなしの部屋のような閉ざされた空間にはいるのが嫌いらしい

そんな折、午後の講演会のために、遠くの市から午前についた、女性がおふたりはいってくださり、それでは、とお二人に聞いていただくことになった。

プログラム
 手袋シアター いちばんぼしみつけた *
 絵本 おちば おーなり由子文 はたこうしろう絵 ほるぷ出版*
 絵本 きつねとぶどう 坪田譲治文 いもとようこ絵 金の星社
 てあそび くまさんくまさん
 絵本 ぶきゃぶきゃぶー 内田麟太郎文 竹内通雄絵 絵本館
 紙芝居 オニのごちそう 宮崎二美枝脚本  藤本四郎画 教育画劇


お二人の女性は、地元でおはなし会活動をされているということで、少し緊張してしまった。

でも、にこにこと見てくださり、手袋シアターでは、いっしょに歌を歌ってくださったりして、心が落ち着いた。
部屋に入られない子も、ドアの外から、中をいっしょうけんめいのぞいてみてくれている。

おちば 』は、この秋、いちおしの新刊絵本だ。
落ち葉の美しさ、軽さ、奏でる音、匂い、風との共演、そして、遊ぶ楽しさ。視覚、聴覚、嗅覚、触覚を体感できる。
ついつい、読むことに夢中になってしまった。

きつねとぶどう』や『オニのごちそう』は、大人が聞いても、十分に楽しめるお話で、ある意味、ぴったりだった。
きつねとぶどう 』の読み手は、この絵本を読むといつも涙が出そうになるとのこと。その思いがあらわれて、じーんと響く。

ぶきゃぶきゃぶー』では、シュールな世界をみんなで楽しめた。

それにしても、いつもは、初めは子どもの数が少なくても、とちゅうで少しずつ入ってきてくれるのに、この日は、ずっと、誰も図書館に来なかった。
こんなこともあるのだなと思う。

2024年11月21日 (木)

K市立図書分館 ひよこちゃんのおはなし会 一組だからできること

昨日の冷え込んだのに、今日はまたぽかぽかと暖かい日になった。

職員さんのお話では、今日は隣の地区センターのリトミックは、影絵遊びがあって、お話会にまにあわないかもとのこと。
また誰も来ないかもと、思っていたら、たまたま、お母さんとおばあちゃんに連れられた2歳くらいの女の子が来館したので、お話会に参加してもらった。

プログラム
 わらべうた くまさんくまさん *
       お茶を飲みに来てください *
 絵本 ふうせんとはりねずみ 新井洋行作 佼成出版社
 絵本 げんこつやまのたぬきさん 長野ヒデ子作・絵 のら出版
 絵本 サンドイッチぎゅーっ ひがしちから作 光村教育図書
 わらべうた こめついたらはなそ *
       ぎったんばったん *
       もちつき *
 紙芝居 おもちゃさん~あかちゃんないているよ~ にへいたもつ作 新井洋行画 教育画劇
 紙芝居 こちょこちょ うふふ La ZOO作・絵 教育画劇
 絵本 ねーずみねーずみどーこいきゃ こがようこ文 降矢なな絵 童心社 *
 わらべうた さよならあんころもち


女の子は、くまがカレーを食べている絵のついた服を着ていたので、くまちゃんの友だちだよ~といって、「くまさんくまさん」をはじめた。初め恥ずかしがってもじもじしていたけれど、お母さんの声掛けもあって、だんだん私たちになじんできてくれた。

ふうせんとはりねずみ 』では、風船がでてくると、嬉しそうに手を大きくまわして風船の形をつくってみせた。でも、絵本で風船が割れてしまうと、とても悲しそうな顔をしていた。
げんこつやまのたぬきさん 』は、みんなで一緒に手遊びをした。
サンドイッチぎゅーっ 』では、ぎゅーとサンドイッチに挟まれるところで、お母さんとくっつきっこをして、満面の笑みを見せてくれた・

 次のわらべうたは、お手玉を使ってやった。
 上に放り投げるのはまだできないみたいなので、童歌の最後で、お手玉をつかんで落とすようにした。お手玉をはなすことができると、とても嬉しいみたいだ。
おかあさんも、おばあちゃんも、私たちも、女の子がお手玉をはなせると、みんなで手を叩いて喜んだので、本当に嬉しそうだった。

2つ目の紙芝居が始まる前にリトミツクの親子が2組入ってきた。リトミックの子たちは慣れていて、『こちょこちょ うふふ 』で、出てくる虫を「アリッ」とか「ハチッ」とか、ぱっと言う。

本当は、これででお話会は終わりの時間だったけれど、リトミック組は紙芝居ひとつでは物足りない。

絵本『ねーずみねーずみどーこいきゃ 』を読んで、親子でくすぐり遊びをしてもらって、おしまいになった。

はじめはたった一組だったけれど、だからその子を中心にして進めることができて、有意義だったと思う。

本当にお話会は、一期一会。
そのときそのときにあわせて、進められるように、日々、いろいろなポケットを作っておきたい。

2024年11月15日 (金)

D保育園 年長さん ストーリーテリングによるお話会 4回目 「三びきのやぎのがらがらどん」を語る

なかなか落ち着いて聞いてもらえないD保育園。前回から椅子席になって、ちょっと落ち着いた。今回も椅子席になった。

プログラム
 はじまりのうた ろうそくぱっ *
 おはなし 三びきのやぎのがらがらどん ノルウェーの昔話 (絵本『三びきのやぎのがらがらどん』より) *
  手遊び だいこんづけ *
 おはなし あなのはなし ミラン・マラリーク作(『なまくらトック(愛蔵版おはなしのろうそく)』より) 
 おしまいのうた ろうそくぱっ

なんとか、お話を楽しんでもらいたくて、よく知られている「三びきのやぎのがらがらどん」を私は語ることにした。
実はこのお話を、私はエプロンシアターで何度も演じてきた。そのときのセリフが頭に染みついていて、絵本のテキスト通りに語れなくて、何度も語りを断念してきた。
でも、今回はかたい決心の元、挑戦した。

やっときちんと言えるようになって、瀬田貞二さんの古風ではあるが、的確な無駄のない言葉に感動しつつ、自分なりに仕上げた。

ところが、昨日、仲間に披露したところ、前半のちびやぎと二番目やぎのところが、「なんかちがう」と、ひとりの方から言われた。他の人からは「違和感がなかった」といわれたので、まあ、その方の語りのイメージと違うからだろうと、自分をごまかしたのだが、どうも気になる。

いろいろ考えているうちに、「そうか、大きいやぎの方に力をいれていて、ちひやぎと2番目やぎはあまり情景を描いていなかった」と気づいた!

で、今日何度か情景を描きつつ練習し、子どもたちに語ってみたのだ。

それがよかったのか、子どもたちが成長したのか、お話選びが成功したか、何人かが、ものすごくよく聞いてくれた。

じっとこちらを見て、後の方の子などは、前の子の頭のあいだから、懸命にこちらを見て、真剣に聞いている。
ああ、うれしいなとおもった。

手遊びでは、漬物というものがどうもよくわかっていないらしく、まんじゅうだとか、おもちだとか、なんだかわからないものの漬物となってしまった。
でもまあ、それも面白い。

『あなのはなし』も、今までになく、よく聞いていた。
狼がドーナツを食べると「狼はドーナツは食べない」といっている子がいて、それもまた、面白い。
このお話はシュールなので、子どもたちはいろいろと考えるのだろう。

次回は1月。
子どもたちがどんな姿を見せてくれるか、とても楽しみだ。

2024年11月12日 (火)

K第2幼稚園 年長さん ストーリーテリングによるおはなし会 2回目 三枚のお札の場面展開

昨日に続いて、今日は系列の第2幼稚園へ。
プログラムも昨日と同じ。

プログラム
 はじまりのうた ろうそくぱっ
 おはなし あなのはなし ミラン・マラリーク作(『なまくらトック(愛蔵版おはなしのろうそく)』より)
 手遊び だいこんづけ * 
 おはなし 三枚のお札 日本の昔話(『ついでにペロリ (愛蔵版おはなしのろうそく3)』より)*
 おしまいのうた ろうそくぱっ *


1回目、ものすごくおりこうで静かだったので、今回もそうかなと思った。

でも、今回は、静かは静かだが、おはなしを聞いてわかっている感じが伝わってきた。

「あなのはなし」では、じっと聞いていて、穴を呑みこんだ狼のおなかに穴があくと「えっ?」という声があがった。いったいどういうことかを考えているのだろう。

手あそびでは、だいこんの次に何をつけようかというと、「味噌」とか「しょうゆ」とかいうので、「いやいや、お野菜とか果物」というと、「レモン」という声がでて「レモン漬け」をし、そのあと理解したのか「きゅうり」「にんじん」となった。

「三枚のお札」も、じっと真剣な目でこちらを見てくれていたから、理解してくれていたと思う。
小僧さんがお寺に逃げ帰ったところで、子どもたちの緊張がふっと切れたのも、感じられた。

それから、子どもたちが、ちょっと退屈しそうになった。
で、思った。
お寺にもどってからの、和尚さんと鬼婆のやりとりは、それまでの張り詰めた感じから打って変わって、うんとおおらかに面白く語るのがいいのではないか。
それで、できるだけ、楽しそうに語ってみた。
どうだっただろうか? 

今年の秋は、これでこのお話は語りじまいと思う。
来年、ブラッシュアップして、ためしてみよう。

2024年11月11日 (月)

K幼稚園 年長さん ストーリーテリングによるおはなし会 どんな情景?

11月も半ばなのになんでこんなに暑いのだろう!?
園の駐車場で車から降りた途端に、午後の日差しがまともに当たって思った。
園では「今日は暑いので、外遊びのあとでお水を飲みましょう」と、放送で呼びかけている。

子どもたちは遊戯室で、園のスモックを着ないで座って待っていてくれた。

プログラム
 はじまりのうた ろうそくぱっ
 おはなし あなのはなし ミラン・マラリーク作(『なまくらトック(愛蔵版おはなしのろうそく)』より)
 手遊び だいこんづけ * 
 おはなし 三枚のお札 日本の昔話(『ついでにペロリ (愛蔵版おはなしのろうそく3)』より)*
 おしまいのうた ろうそくぱっ *

「あなのはなし」では、まず語り手がタイトルをいうと、「穴って?」と聞く子があった。語り手が親指と人差し指で穴を作ってみせると「どんな大きさ?」と聞いてくる。語り手は「さあ、どんな大きさか聞いてみてね」と、わくわくする始まりとなった。
 シュールな話だ。穴とドーナツとかえるとつばめの羊が連れ立って歩くって、一体どんな場面を子どもたちは想像しているのだろう? 盛り上がるのは、森の一軒家に夜、狼が現われるところ。目がキラッと輝いた子が何人かいた。狼の登場で事件が起きると予測しているのだろう。
 ラスト、穴が狼を飲み込んでしまうと、口を大きく開けて、穴の変容をやって見せた子がいた。穴になりきっていたのだろうか?

「だいこんづけ」の手遊びでは、キュウリ、にんじん、ラストはトマトだった。とても簡単な動きだけれど、いっしょうけんめいにやっている姿がかわいらしい。

「三枚のお札」は、「知っている」という子と「知らない」という子が半々だったけれど、どちらの子もそれはよく聞いてくれた。
私も先週、上手く語れなかったので、頭の中の情景から離れないよう心がけた。練習中、なぜかときどき小僧さんと和尚さんと鬼ばばを言い間違えるときがあるので、それも気をつけた。

お話が終わって、「おしまい」というと、しばらく沈黙した後、ふーっとため息をついて拍手してくれた。緊張して聞いていたのだと思う。
私もなんだか、ふーっと力が抜けた。

明日は、系列のもう一つの幼稚園で同じお話をする。上手くいったあとは、気が抜けるのか、しくじりやすい。
気を引き締めて頑張ろう。

S幼稚園 年長さん ストーリーテリングによるおはなし会 言葉の問題

先週の木曜日、午後は、S幼稚園へ。この園へは奇数月にいっているのだが、わたしは手遊びを主に担当していて、今年度語るのははじめてだ。
今年度は、はじめの1、2回、ものすごくよく聞いてくれていたのだが、夏休みが終わったころから、雰囲気ががらりと変わった。

歩いたり、友だちに話しかけたりする子、声を上げる子が半数ぐらいいてかなり騒がしい。その一方で、その騒音などものとももせず、身を乗り出して真剣に聞く子がいる。

これは、私たちに慣れて、緊張がとれて、本来の姿をみせてくれるようになったせいだろうか?

プログラム
 手遊び 頭にぼうし 目にめがね *
 おはなし 三びきのやぎのがらがらどん ノルウェーの昔話 『三びきのやぎのがらがらどん』より
 手遊び だいこんづけ *
 おはなし 三枚のお札 日本の昔話(『ついでにペロリ (愛蔵版おはなしのろうそく3)』より)*

「三びきのやぎのがらがらどん」では、かなり騒がしく、語り手は語りにくそうだった。それでも前にすわっている子は、ぐんぐん前にでてきて聞いている。

手遊びの「だいこんづけ」では、漬物にしたいものをいっもらった。「ブロッコリー」が出た後「セノーラ」という子がいる。なにかと思ったらポルトガル語でにんじんのことだという。ブラジル国籍の子だ。それで、その子に発音を教えてもらって、セノーラでやってみた。そのあと「いちご」がで、そおっと潰さないようにやった。

さて、私の語った「三枚のお札」でもやはり騒々しく、私は集中できなくて、うっかり同じところを繰り返しそうだったが、はっと気が付いて修正して、なんとか戻れた。前の子は正座をして真剣に聞いている。「いけない、集中、集中」と思って語るうち、わたしもようやくおはなしのなかにはいることができた。

終わった後、先生から「子どもたちがよく知っているお話を語ってくださりありがとうございます。子どもたち、身を乗り出して、すごくきいていましたね」とのお言葉をいただいた。
それは、語ったときに私が感じたのと、違う感覚で少し驚いた。
私は、普段の子どもたちを知らないけれど、あの環境の中で、あんなに聞ける子たちがいるのは、すごいことなのだ。

外国籍の子たちが増えてきて、クラスのなかで差が生まれる。言葉の差はどうしたってある。それをどう埋めたらいいのか。園も学校も、難題に取り組んでいる

I南小学校の朝の読み聞かせ 3年1組 幅広い年齢に語れる「マメ子と魔物」

先週は4回、今週は3回とお話会続き。秋はおはなしの季節だ。

先週の木曜日は、朝と午後の2回おはなし会をした。

朝は、I南小学校の朝の読み聞かせで3年1組だ。前回は3年3組だったので、絵本だけ差し替えて、同じ「マメ子と魔物」を語った。

プログラム
 絵本 りんごです 川端誠作 文化出版局
 おはなし  マメ子と魔物 イランの昔話(『子どもに聞かせる世界の民話』より)


読み聞かせや読書活動が盛んな学校なので、有名な『りんごです 』は「知っているよね?」と絵本を見せると、何人かが「知っている~」。やっぱり選書を誤ったか、と思った。
ところが、意外に食いつきがいい。めくる毎に笑い声が上がる。「りんごです」としか言わないのも、面白いらしい。種や花のページでは、「りんごじゃない、種/花」という子も何人かいた。
そんな感じで、最後まで和気あいあいと読むことができた。

「マメ子と魔物」は、うって変わって、真剣に聞いてくれた。その前日南K小学校の4年生に語ったときとは、また違う聞き方だ。マメ子と女の子たちが買えるのが遅くなって真っ暗になってしまうところから、子どもたちはもう本気で怖がっているように見えた。
最後にマメ子が魔物をかまどに押し込むところで、ようやく安堵したようだった。

たまたまこのクラスかこういう聞き方になっただけかもしれないが、1学年違うだけでこんなに聞き方が違うのか、と驚いた。

「マメ子と魔物」は、それぞれの聞き方ができて、はばひろい年齢層で語れる。

2024年11月 6日 (水)

南K小学校 朝の読み聞かせ 4年2組 自由に伸びていく子たち

教室に行くともう2列にすわっていてくれた。
一人ぽっちりと端にすわっている子がいて、「おや?」と思い、絵本を出して、「見えますか?」とたずねると、その子が「見えるっ!」と大声で答えたので、大丈夫だろうと思った。

プログラム
 絵本 万次郎さんとおにぎり 本田いづみ文 北村人絵 福音館書店 
 おはなし マメ子と魔物 イランの昔話(『子どもに聞かせる世界の民話』より)


この学年は、昨年までとてもおとなしくて、絵本を読んでもお話をしても、今ひとつぼんやりして幼いように見えた。コロナ禍を年長さんから2年生まで過ごした子たちだからなのかなあと思ったりする。

それで絵本は幼児向けだけれど、『万次郎さんとおにぎり 』を読んでみた。私が大好きな絵本で、季節に合っているからと理由が一番大きいのだが。
子どもたちは、静かに聞いていた。
読み終わると「きたないよー」と声が上がる。
ころころ転がっていったおにぎりを食べるからだろう。そりゃ、汚いよね。
「確かに!」と、私も笑った。
やつぱり4年生。現実的だ。

「マメ子と魔物」は、すごくよく聞いてくれた。
端っこにいた子も、じっと耳を澄ませてくれている。
そして、マメ子が寝ないところや、魔物をだまして、遠くまで水をくみに行かせるところ。「ケーキの間に挟んでたべると美味しい」とマメ子が提案するところなど、とても嬉しそうな顔をして聞いてくれた。
語り手としてこれは嬉しい!!

最後に出典本を紹介すると「民話」ってなに? 昔話って、日本でいったらももたろうみたいのだよね? と昔話に興味を持ってくれたようだ。

自由に意見が言い合えるようになったようだ。それも嬉しい。
6年生になるまで、またいくつもお話を聞いてもらいたい!

I市立図書館 ボランティア共同イベント 大人がいっぱい!!

三連休の最終日(11/4)は、I市立図書館のボランティアが、順番にお話会や朗読をした。

私たちストーリーテリングのグループは午後のいちばん。
連休中で参加できるメンバーが少なく、二人で行った。

プログラム
 指遊び ブラックさんとブラウンさん 『おはなしのろうそく25』より *
 おはなし ももたろう 日本の昔話『むかしむかしあるところに』より
 手あそび 木がのびる *
 おはなし 世界で一番きれいな声 ラ・フルール作 『ヴァイノと白鳥ひめ』より
 おはなし おいしいよ どうぞ さとうわきこ作 『おやすみのまえに6 ねずみのはなし』より


場所は、いつもの個室ではなくてオープンスペースで、来るのは小さな子だろうと予想して、できるだけ親しみのあるプログラムにした。

思った通り、来てくれた子ども8名はみな3~5歳さんだった。
そして大人が多い!! 他のボランティアさんや、その知り合いの人など。20人以上いた。やっぱりいつもより緊張したけれど、どの人も好意的な目でニコニコ笑って聞いてくださったので、けっこう気持ちよく語れた。

子どもたちは、指遊びや手遊びは喜んでやってくれるけれど、おはなしの方はなかなか集中できない感じ。動き回ったり、寝転んだり。
それでも「世界で一番きれいな声」では、「できなーい」といったり、「おいしいよ どうぞ」では笑ったりしてくれた。大人の人もすごく笑っていた。

イベントだから、まあまあ、よかったんじゃないかと思う。

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