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2019年6月23日 (日)

課題図書を読む『そうだったのか! しゅんかん図鑑』

 心にとめておきたい一瞬を人は写真に撮る。けれども、この写真図鑑はそうした写真ではない。人の目が捉えきれなかった一瞬を写真にして見せてくれている。

そうだったのか! しゅんかん図鑑
 伊地知国夫写真
 小学館

     

 望遠鏡は人の視力のおよばない遙か遠くを見せる。顕微鏡は、人の目には見えないミクロの世界を見せる。同じように、ハイスピードのシャッターで撮った写真は、人間の目が決して捉えきれない、数千分の1秒という一瞬を捉えることができる。
 紹介されているのは、われるシャボン玉、シャワーから流れる水、ろうそくの吹き消される火など、身近なものばかりだ。ページの折りたたみを使って、クイズ形式で楽しめるようになっている。
 写真は一目瞭然。普段の何気なく見ていたものが、実はこんな動きをしていたと、驚きは大きい。だが、なぜ、そうなるのかの解説も、充実している。たとえば、水の入ったコップを勢いよく押して倒したとき、水は跳ね上がる。それは、「慣性の法則」が働いているからだと。
 写真で子どもたちを驚かせ興味を引いて、好奇心をかきたて、解説で物理科学へ導いている。
 面白いと思ったのは、シャワーやじょうろの水。実は水滴が連なっている。わたしたちは、イラストでシャワーやじょうろの水をかくとき、点々を描いたりする。目ではそう見えていないのに、なんとなく脳がそう理解していたのだろうか。
 逆に脳がだまされているのが、せんこう花火。光の線は、実は存在していないらしい。
 見えるから存在するとは限らないのだ。

 読み手の科学的な知識や理解が足りないうちに、この本を読むと、ただ写真を面白がるだけで終わってしまう恐れがある。解説を理解できる年齢での再読を薦めたい。


*第65回青少年読書感想文全国コンクール 小学校中学年の部 課題図書。

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