課題図書を読む『すごいね! みんなの通学路』
途上国の子どもたちを支援してきた国際NGOプラン。そのなかのプラン・カナダによりつくられた絵本。巻末の作者紹介によれば、ローズマリー・マカーニー氏はプラン・カナダの前代表だそうです。
『すごいね!みんなの通学路』
ローズマリー・マカーニー文
西田佳子訳
西村書店
世界の子どもたちの通学路を写真で紹介する写真絵本。
最初に出てくる通学路は、地震・津波のあとの日本と、台風のあとのフィリピン。でも、これは非常時。次はアメリカのバス通学。これは、日本でもあるかもしれない。あまり珍しくない。
そのあとから、ええーっと驚きの声をあげたくなる通学路が次々と登場する。川を渡るのに、半ズボンのすそをたくしあげて歩いたり、舟をこぐのは、まだ序の口。空中に渡したロープをたぐったり、ワイヤーを上下に2本渡しただけの橋をつたったり。まるで、フィールドアスレチックをしているみたい。楽しそう? でも、遊んでいるんじゃない。とても危険だ。
危険といえば、険しい山のある中国の通学路も恐ろしい。文字通り一歩間違えたら、滑落事故になってしまう。
いろいろな動物を利用していく子もいる。これは、日本の子には、うらやましいかもしれない。カナダの犬ぞりは、かっこいい。
通学路は学校へ行く道。なのに、世界じゅうで、こんなに違っている! 通学路を見るだけで、いろいろな国の知らない世界が見えてくる。子どもたちの身近な通学路を通して、世界を見る、世界の窓となる絵本。
なお、中表紙前には、ノーベル平和賞を受賞したマララさんの寄付で開校された、シリア難民キャンプの学校、中表紙を捲ると、フィリピンのストリートチルドレンと思われる女の子の写真がある。この2枚の写真から、世界中のすべての子が、学校で学べることを願ってつくられた絵本であることが感じられる。
*第64回青少年読書感想文全国コンクール 小学校中学年の部 課題図書
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