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課題図書を読む『月はぼくらの宇宙港』

 ロケット、宇宙開発に興味がある子にお薦め。大人が読んでも十分な読み応えがあります。

月はぼくらの宇宙港
 佐伯和人作
 新日本出版社

     

 作者は、現在大阪大学理学研究所宇宙地球科学専攻准教授。JAXAの月探査「かぐや」プロジェクトでは研究員、月探査SELENE-2で主査を務め、現在は月探査計画SLIMにもかかわっているという理学博士。このかたが、「月がどんな天体か」から始まって、人類が月を探査してきた歴史、今後の探査や開発の展望までを、小中学生向けに語る。内容はかなり専門的で濃厚なのだが、まるで、目の前にいる子どもたちに教えるように、言葉を噛み砕き、身近な現象や図で説明し、さらに家にあるものでできる実験を示して、宇宙での現象を納得させてくれる。ここまで詳しく教えてもらえるのは、宇宙に興味ある子には、たまらなく魅力的な本だろう。
 だが、宇宙にさほど興味のない私には、正直いってかなり読むのが大変だった。「地球のまわりを公転する月と月の満ち欠けの図」(p34 図1-2)を示して、著者が「『夕方に東の空から上がってくるのが満月』などとおぼえるのは苦手」だったれど、「この図をみつけて自分で描いてみたところ、ようやく月が見える時間と方角と形の関係がわかりました」と書いていたけれど、わたしは真逆。学校の教科書でこの図を見て、まったくわからず、理解するのを諦めたからだ。天動説のほうが感覚的にしっくりきてしまうのかもしれない。そんな私でも、いくつかは驚きをもって読んだ。
 そのなかのひとつは、月が(地球から見た)表側と裏側で近くのでき方、成分が違うことだ。アポロが着陸したのは、安全な月の表側の平坦な場所だったので、月の表面のでき方を調べるのにふさわしくなかったという。そして、月の裏側に世界ではじめて着陸するのはどうやら中国らしい。でも、いま日本で計画中のSLIMも、裏側にピンポイントで軟着陸に挑戦の予定とのこと。なんとも楽しみではないか。
 作者は、早くて20年後、遅くても50年後には月基地ができて、そこでエネルギーや野菜つくれるようになるといっている。本当なのだろうか? 自分の知らない世界で、調査や技術がどんどん進んでいる。あとがきが書かれた2016年9月現在から、進行形で進歩しているはずだ。だから、宇宙に興味のある子は今、ぜひ読んでほしい。

*第63回青少年読書感想文全国コンクール 中学校の部 課題図書

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