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課題図書を読む『すばこ』

 中高学年の読み聞かせで何度か学校で読んだけれど、低学年の課題図書となりました。

すばこ
 キム・ファン文
 イ・スンウォン絵
 ほるぷ出版

    

 巣箱は人がつくった鳥の家。でも、はじめは、なんと、鳥を捕まえるワナだったのだ! はじめに巣箱をつくったのは、ドイツのベルレプシュ男爵という、舌を噛みそうな名前の貴族で、彼は広大な領地を所有していた。その広さは日本では信じられないほどの規模だ。巻末の説名によれば、13ヘクタールの森と40ヘクタールの果樹園という。鳥が大好きな男爵は、もっと多くの鳥にきてほしいと考えて、鳥たちが安心して子育てできる家をつくってやればいいと思いついた。そして、数万本の木のある森に数千個(巻末の説明によると3000個)の巣箱をかけた。
 しばらくして、男爵の領地のある地域に害虫が大発生し、植物の葉を食べてしまい、森や林がほとんど枯れてしまう。ところが男爵の森だけは……。

 巣箱が世界中に広がった経過、巣箱の種類などをすっきりした美しい絵で教えてくれる。本文の最後は、自然に対する人間のありかたへの作者の願いで終わっている。
 巣箱は小鳥を観察するために作ったものだとばかり思っていたので、巣箱にこんな歴史、そして働きがあるなんて、驚きだった。

 私の家の庭にも、小鳥がやってくる。スズメ、メジロ、ヤマガラ……。庭木の枝でさえずったり、土をつんつんしたりする(種や虫を食べているのだろうか)姿は可愛らしく、見ているだけで心が和むから大歓迎だ。巣箱を作ってみたいなと思ったこともある。でも、イチゴがなる季節のヒヨドリだけは嫌いで追い払う。赤くなったばかりのイチゴを食べてしまうからだ。こんな風に、人間は自分勝手なものだ。
 この絵本は、そうした自分勝手な人間と自然の関係について、考えるきっかけともなるだろう。でも、巣箱について知るだけでも、十分に楽しい。この絵本から、バードウォッチングや巣箱づくりと世界を広げてもいけるだろう。

*第63回青少年読書感想文全国コンクール 小学校低学年の部 課題図書

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