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課題図書を読む『ぼくはうちゅうじん』

 現在、大人気のおふたり、中川ひろたかさんとはたこうしろうさんによる、洗練された作品。はたさんはなんと、低学年向けの課題図書『あした あさって しあさって (おはなしだいすき) 』の挿し絵も担当している。

ぼくはうちゅうじん (ちきゅうのふしぎ絵本)
 中川ひろたか文
 はた こうしろう絵
 アリス館

     

 キャンプで泊まった、ぼくとおとうさんとおかあさんの三人家族は、夜明け前のまだ暗いうちに起きだして日の出を待つ。そのあいだに星空を眺め、星座、月、太陽、地球、惑星、宇宙について会話を弾ませる。

 親子のさりげない会話で、宇宙についての知識を伝える。たったの32ページで、子ども読者が興味を持ちそうなことをダイジェストしてさらっと教え、自分たちも宇宙の一員であると実感するところまで、読者をつれていく。宇宙科学への扉となる絵本だ。
 こうした宇宙科学の知識絵本はたくさんある。そのなかで、この絵本が特異なのは、家族がいっしょにいる、ぬくもりと安心感に包まれていることだ。まるで宇宙がわたしたちをやさしく包み込むように。
 髪の長くて、きれいなおかあさん。メガネをかけて、真面目そうなおとうさん。ふたりはとても仲が良くて、宇宙のことをよく知っていて、教えたがり(プラス、お父さんはおやじギャグ好き)だ。息子のぼくは両親の話を興味を持って聞き、素直な反応を見せる。
 キャンプにきて、満天の星空の下にいるという非日常のわくわく感が、三人をあたたかな雰囲気にしているのかもしれない。でもとにかく、絵本の三人はほほえましくて、こんな風でいたいなと、誰もがが憧れるような家族で、読んでいるうち、読者はそのぬくもりと安心感に包まれる。
 はたさんの絵は、きっと科学的事実に沿っていると思う。でも、ぼおっと輝く三日月、燃える太陽、様々な色のの惑星、それに青い海、緑と茶の陸地、白い雲の地球など、美しく描きだしている。

 さあ、夜空を見上げて、家族で宇宙の話をしよう。
 でも、この絵本に出てくる両親のように、宇宙のことをよく知らなくて、話してあげられないし、子どもが素直に聞いてくれるかどうか不安……なんて、思ったら、この絵本を読めばだいじょうぶ。壮大な宇宙のなかで、家族がいっしょにいるうれしさが、ほわっと湧き上がってくるだろう。

*第61回青少年読書感想文全国コンクール 小学校中学年の部 課題図書

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