3月の朝の読み聞かせ 2年1組 雪の朝
3月11日の朝は、前の晩からのまさかの雪。家の屋根や車には15センチ近く積もったのだが、地熱が暖かいのだろうか道路はほとんどとけている。学校へ行くと校庭の周りには雪がいっぱい、そして、2年生の子たちが何人も雪遊びをしている。
「おーい、今日は読み聞かせがあるよー、おばさんお話にきたから、教室へ入って!」と声をかけると、「やばいっ」と言いながら教室へむかってきてくれた。そんなこんなで、はじまりが遅くなる。
ごめんね。こんな日は雪で遊びたいよねと思いつつ……。
プログラム
絵本 みんなびっくり
長新太作 こぐま社
おはなし ついでにペロリ デンマークの昔話
『みんなびっくり』は、とぼけた感じがなんともおかしくて私は好き。子どもたちは……というと、ううむ……わっと面白がっている感じではない。もう少し笑いがでると思ったのだが……。ひとつ考えられるのは、子どもたちとの距離感。子どもたちが2列で横に長く座ってしまっていたので、本当は並びなおしてもらうとよかったのだが、なにしろはじまりが遅れたので、子どもはそのままに、絵が見えるように私が後ろへ下がった。それで子どもと離れてしまい、絵も遠くになり、面白さが存分に伝わらなかったではないだろうか。
気を取り直して「ついでにペロリ」の語りへ。「ありえない」という子がいて、「へそまがり」に笑う子がいて、リズムにあわせて頭を振る子がいて……いい調子だったのだか、そんな子たちに気をとられていたら、ふっと「あれっ? 次なんだったっけ? きやーーー。その部分をはじめから言い直すことに……。それからは、先まで止まらずうまく語れたけれど、自分のなかではひどいでき。調子よく聞いていた子どもたちも、きっとリズムが崩れたと思う。
今年度最後の小学校でのおはなし会で、すこーし落ちこんだ。
でも!!! 次の日の朝、2年1組の女の子に会うと、そのこが「昨日のおはなし、おもしろかったー」と話しかけてきて、「おどるじょうちゃんいっしょとか……へそ曲がりとか……鳥はまとめて5わとか」と、おぼえている部分を行ってくれた。繰り返しの言葉をおもしろがってくれていたのだ。実は、その女の子は、ものすごくまじめな顔でじっと見つめていたので、面白がっているとは思いもしなかった。わからないものだ。そして、「ねえ、次はいつ来てくれるの?」なんて、本当にうれしいことを言ってくれるじゃないか。
語りがいい出来じゃないのは、ほめられたことじゃない。でも、やっぱり、喜んでもらえるとうれしいよー。ありがとう。
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