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2013年3月10日 (日)

重要な学校司書『自分を育てる読書のために』

 子どもと本にかかわる方たちにぜひ、読んでほしい1冊。

自分を育てる読書のために

 脇明子・小幡章子著 
 岩波書店

   

 いま、多くの小・中学校で、読書推進のため、朝読書の時間がもうけられている。読む本は子どもまかせ、自由になっていると思う。だって、読書は個人的な営み。規制するのはおかしい……。それは、そうなのだけれど、さまざまな出版物があふれている現在、子どもたちは、心の栄養になる本(道徳的というのではなく)を、自分で手にすることができるだろうか。
 息子が中学の時、間違って隣の席の子の朝の読書記録表を持ってきてしまったことがある。その表を見て驚いた。人気テレビ番組の同じ本の名が、毎日連なっていたのだ。提出チェックの欄には、先生のチェック。息子の話では、読んでいて、それを提出すればなんでもいいとのこと。息子のはといえば、毎日同じではないものの、そうした本のほかに、話題本、それから、人気の科学本などが主だった。息子は、小学校高学年ぐらいから私の薦める本は、逆に読もうとしなくなった。読んでほしい本が決して読まれることがないだろうことを、残念に思い、また、自分のやり方がへたくそだったと反省しつつも、そういう時期が来た、息子には息子の趣味・世界がある、今の子には今の子の本があると諦めた。

 それが、この本では、中学生の、ほとんど本を読まなかった子たちにも、よい作品、古典を楽しく読ませたという記録が載っていた。信じられないことだった。

 脇明子さんとの共著となっているが、本文を書いているのは、中学校図書室で司書として中学生に本の楽しさを伝えた小幡章子さん。
 彼女がしたことで、もっともすごいのは、ひとりひとりにぴったりの本を選ぼうとしたこと。生徒ひとりひとりの性格、好み、読書歴を知り、心を通わせたうえで、ピッタリの本を薦めていく。
 さらにすごいのが、本を薦めた後の声掛けのフォロー。彼女は紹介した本の内容を熟知していて、子どもたちに、主人公がいま何をしているか聞いたり、登場人物のなかでだれが好きか聞いたり。子どもが本の中身について話にくれば、もちろんすぐ応じて、子どもたちと本の世界を共有する。これは、話のあらすじさえ、すぐに忘れてしまう私にはとてもできないことだ。
 子どもたちは、彼女のきめ細かく、温かい読書案内に、心をひらき、読書の道へと入っていく。こうした、本を熟知し、子どもをわかろうと努力を惜しまない司書の方が、全ての学校にこうしたいたら、子どもたちの読書、いや、子どもたちは、ずいぶん違ってくるはずだ。司書の方には、親や先生にはできないことができる。
 だから、図書室専任の正規の司書が、すべての学校にいてほしい。ぜひ、ぜひ、ぜひ!!

 

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コメント

すぐに予約を入れました! 

実は、紹介されている本に、わたしの未読の本がたくさんあったの。少しずつ、読んでいきたいなと思っています。

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