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2012年3月29日 (木)

S児童館 春休みおはなし会 強制しなくちゃ来ないとは……

 ぱーっと晴れたり、にわかに曇って冷たい雨が降ったり、春と冬が同居しているような不安定な天候の昨日。S児童館でのストーリーテリングによるおはなし会。毎回、この館では聞き手は小さな子が多く、ちょうど聞いてもらいたい小学生は、遊戯室や廊下で大騒ぎして、おはなし会の間、その声と音が響いているという状態だった。
 ところが昨日は、小学生の子たちが、次々入ってくる。全員で15名。外も静かだ。わたしたちは、なんて嬉しいことと、気持ちよく語ったのだが……。

プログラム

 さる地蔵 日本の昔話
 力太郎 日本の昔話
 手遊び 木がのびる *
 ねことねずみ イギリスの昔話 *

 すべての子がよく聞いていたとはいえない。下を見てもぞもぞする子、ぼぉーっとしている子が半数ほど。でも、目をじっとみひらいて、とてもよく聞き、確かな反応をしていている子が3人は確実にいた。わたしの語った「ねことねずみ」は、このお話のエッセンス、繰りかえしと積立を、とても面白がってきいている3年生くらいの女の子がいた。男の子たち数人も、積み立てていくたびに面白がってい。このお話は、幼い子向けだけれど、こんな風に楽しんてもらえるのだと、とても嬉しかった。

 ところが……そのあと、先生方とお話していて、子どもたちが強制的にを聞かされていたとわかった。それも、ゆるい強制ではない。遊戯室は使用禁止。おはなし会のある図書室に入るしかない。でも、おはなしを聞かないなら、館からでていてほしいという、子どもからすれば、何とも不条理な強制をされていたのだ。私たちに気を使ってくださる先生のお気持ちはわかる。でも、でも……なんともつらい気持ちだった。

 先生のおっしゃるには、今の子は、なにか、得になることがなければ、児童館の企画に自主的には参加しない。視覚的なものになれているので、耳できくだけのお話なんて、魅力がない。でも、おはなしの素晴らしさを伝えたいから、強制するしかない。子どもたちを誘うのに、とても苦労しているいうのだ。

 ショックだった!! もちろん、お話が地味で子どもたちを引き寄せないのは知っている。でも、ほんの少人数でも、おはなしの好きな子に聞いてもらえばいいし、たまたま聞いて、面白いと思ってもらえばそれでよいと、私たちは思っていた。でも、その善意のつもりの活動が子どもたちを縛リ、先生方を煩わせていたとは……。

 それから、今後のことを話し合い、図書室でなく、小さな6畳ほどの和室で聞きたい子だけ入ってもらって、おはなしをさせていただくことになった。次回は夏休みなので「こわいはなし」特集にしたらどうかという意見も出た。先生も、そういう企画ならと、いってくださった。そのときは、できるたけ、部屋をくらくするなど演出もいるが、それ以上におはなしそのものを楽しめるようにしたい。さあ、どうなるか……。

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おはなし(ストーリーテリング)」カテゴリの記事

コメント

児童館は子どもが遊びにきているので、その中でのお話会はなかなか大変ですね。学童クラブの読み聞かせでも、遊びを中断して聞かなければならないというので、3年生くらいの子は反抗する子もいます。
無理矢理ではなく、気持ちよく聞いてもらうのは本当にむずかしいことだといつも悩んでいる問題です。

マーガレットさん

学童クラブもそうですね。本当は子どもたちの自由時間のはずですもの。
先生の思いもわかるし、子どもたちの思いもわかる。そして、私たちの思いもある。
楽しみのひとつとして、お話会を聞いてもらいたいけれど、お勉強の時間みたいになっちゃうんです。でも、私たちが、やめちゃったら、それで、おしまいなので、試行錯誤です。

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