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2011年4月14日 (木)

いま読みたい本『クマともりとひと』

 先月、さくまゆみこさんの講演会で紹介していただいた本。

クマともりとひと―だれかに伝えたい、いまとても大切な話

 日本熊森協会会長 森山まり子著
 合同出版
 2010.8.20

     

 熊森協会会長、森山まり子さんの本と耳で聞いたとき、思わず笑ってしまった。「クマモリ」だって?「モリヤマ」だって? だが、読んでみて、真剣にならざるをえなかった。わたしたちは、文明を進歩させるために大変な間違いを犯してしまった。それは、震災後の原発事故でいたいほど思い知らされているが、ずっと前から、クマたちが人里へでて、警告していてくれていた。
 クマの警告に耳を傾けたのは、中学1年生の女子生徒だ。彼女は自主勉強のノートに、ツキノワグマが冬眠中に人里へでてきて射殺されたという新聞記事を添えて、自分の気持ちを素直に作文で表した。それを読んだ理科教師(著者)が、それを理科だよりにして教室で配ったところから、生徒たちにクマを守ろうという声があがり、運動へとひろがっていった。

 私の実家の近くでも近年クマが時々出没する。クマが現れるようになったころから、実家の母に別の悩みができた。なにかわからない小動物(ハクビシンかもしれない)が夜中にやってきて、家庭菜園で育てたイチゴやとうもろこしなどを、きれいさっぱり採っていってしまうのだ。「家族に食べさせようと思って、せっかく育てたのに」と母は腹をたて、嘆く。だから、農家の人が動物たちに作物を荒らされたら、どんな思いをされるかよくわかる。クマを殺すな!だって? なにを生ぬるいこといっているのよ。と正直、私は思っていた。天候不順によるどんぐりの不作で、動物たちが里へ出てきたと私は報道などで知っていた。でも、それが、人間のせいだとは、豊かだったはずの森に何をしてしまったのか、今、日本の森がどんな状態なのか、まったくわかっていなかったのだ。
 森山先生は、生徒たちと運動を通して知りえた森の現状、そして、行政の現状を、この本で、整理して教えてくれた。害獣のクマは殺すしかないと、私はもう単純にいえない。しかし、被害にあっている農家のことを考えると複雑だ。世界規模の、長期的な、包括的な対策がとられないと、何ともならないと思える。一部の人の運動では、とても無理だ。大変なことが起こっている今、みんなで考え直すときだろう。

 ところで、この本で森山先生は、もうひとつのことを教えてくれている。ぬくぬくと育ち、生きる力がない、支持待ち人間といわれる、今の子どもたち(すでに大人になったわたしもそんな子どもだった)が、真の目標さえ持てば、こんなにも活発に動き出す。とても力強いのだ。私たち人間は、環境だけでなく、子どもたちの力も、自分たちで奪っていた。

 これからの日本、方向転換して、世界をリードしようよ。

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