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2010年7月22日 (木)

課題図書を読む『点子ちゃん』

ひゃあ、のんびりしていたらもう夏休みに入ってしまった。
急ぎます!!

小学生中学年の部

点子ちゃん

     

 野田道子文
 太田朋絵
 毎日新聞社

 4年1組のぼくのクラスに妖精のような女の子が転校してきた。アメリカ帰りで日本語の英語も話せる。それに点字もすらすら読める……その子は目が見えない。3歳のときの病気が元で、両目がまったく見えなくなったのだ。
 アメリカの日本人学校では「点子ちゃん」と呼ばれていたという。点字の本をたくさん読むからだ。点子ちゃんはぼくのとなりの席になった。クラスでぼくたちは、競争のように点子ちゃんに親切にした。トイレに連れていってあげたり、給食を運んであげたり……。点子ちゃんはいつもにこにこして「ありがとう」という。1ヶ月もたつと点子ちゃんは、校内の場所を覚えて、友達も覚えて、ほかの子とまったく同じに何でもできるようになった。

 点子ちゃん――目の見えない子にそんなあだ名をつけていいものだろうかと心配になる。でも、この作品はさらっといってのける。さらに、点字を読むから点子ちゃんとは、ぴったりの誇らしいあだ名でしょと、いっているようにさえ思える。しょうがいは特別なことでなく単なる特徴でしかないというメッセージが伝わってくる。

 そのメッセージを伝えるべく点子ちゃんは、素直で明るい性格に設定してある。目が見えないことをそのまま受け入れて、できないことはあっさり誰かにやってもらい、感謝し、自分ができることは自分でする。目の見える人には、できないことができたりもする。自然体だ。だから、ぼくをはじめとした周りの子どもたちも、変に気をつかうことなく、彼女をそのままで受け入れることができるのだろう。点子ちゃんに嫉妬して、ちょっぴり意地悪をする女の子たちもいるけれど、点子ちゃんは、わたしは目が見えないからこうなのよと、はっきりいって胸を張り、じめじめしない。そしてすぐにクラスになじむ。普通の転校生が入ってきたときと同じように。

 目立つか目立たないかの差があるだけで、ひとりひとりみんな違うし、弱点やコンプレックスも絶対にある。でも弱点までひっくるめて全部自分で、その全部の自分でいい。目が見えないことを当たり前のこととして受け入れてさわやかに生きら点子ちゃんに、そう勇気づけられた

 物語の後半では、点子ちゃんを守ってあげようと思っていたぼくが、逆に点子ちゃんに助けられる。ぼくが誰にも言えない秘密を点子ちゃんに打ち明けることができたのは、点子ちゃんが点子ちゃん自身をそのままに受け入れているように、友達のこともそのままに受け入れてくれていると、ぼくにはわかったからだろう。このエピソードが入ることで、物語はいっそう、しょうがいだけをあつかった作品ではない普遍的なものになっているように思う。

 巻末には点字の一覧表があり、ページ数も点字で書いてある。この作品から、新しい世界が開けるだろう。

 感想文は書きやすそう。お薦めです。

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