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2010年6月 9日 (水)

課題図書を読む『建具職人の千太郎』

 今年度も、課題図書を読んでみる。
 今年は、夏休みまでに何冊読めるかな?

 まずは高学年の部の作品

建具職人の千太郎 (くもんの児童文学)
 岩崎京子作
 田代三善絵
 くもん出版

       

 時代は、江戸時代文化9年(江戸時代の後期にさしかかったころ)、舞台は東海道の神奈川宿と川崎宿の中間にある鶴見の建具屋「建喜」。そこに奉公にあがった姉と弟の物語だ。
 姉弟はとなり村、生麦のまずしい農夫の子どもだ。父親は口減らしのために、まず姉のおこうを数えの十歳(とお)のとき、その1年後、弟の千太郎を七歳のとき、店へおきざりにするようにして無理やり奉公にだす。
 店には、棟梁の喜右衛門、一番弟子の正吉、二番弟子の新吉、小僧の幸三がいた。建具屋「建留」のあととり息子、亀吉も9歳で弟子入りしてきて小僧に加わった。それから棟梁の放蕩息子、秋次が帰ってきた。また西行(旅をして各地の店をまわる職人の修行)の職人がきたりもする。こうした人たちに囲まれた、ふたりの奉公ぶりと成長が描かれていく。

 ストーリーとしての読みどころは後半、不器用な千太郎がまわりの人の助け、情け、励ましを得て、職人としての仕事を身につけていくところだろう。とくに、裏表なく真面目につとめる千太郎が、次第に認められ、意外な人たちから声をかけられる場面は、胸にせまってきた。
 だが、この作品は、建具屋の仕事や、棟梁が得意とする組子細工の仕組みを、ていねいに説明しながら描いている。子どもたちは、ストーリーよりむしろ、職人の仕事、奉公人の暮らしに興味を持って読むかもしれない。また逆に、興味が持てないと読むのがつらい作品だろう。

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