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マータイさんの絵本2冊+自伝

 ワンガリ・マータイさんの伝記絵本が昨年の10月と今年の2月に続けて邦訳出版された。マータイさんは、ケニアでグリーンベルト運動をはじめた環境保護活動家で、2004年にはノーベル平和賞を受賞している。日本に来日した時には「もったいない」の言葉に感動し、海外にその言葉を広めたことでも知られている。

      

 2冊の絵本を読み比べ、参考に、マータイさん自身が書いた自伝『UNBOWEDへこたれない ~ワンガリ・マータイ自伝 』も読んでみた。

          

 絵本はどちらとも絵が美しい。だが、『ワンガリの平和の木―アフリカでほんとうにあったおはなし 』の絵がアフリカらしく鮮やかな色彩でパターン化しているのに対して、『その手に1本の苗木を―マータイさんのものがたり (児童図書館・絵本の部屋) 』は繊細なタッチで細かに描かれていてずいぶん印象が違う。文章も、『ワンガリの平和の木』は、森林伐採とグリーンベルト運動に焦点をおいて簡潔に書かれているのに対して、『その手で1本の苗木を』は、政治も絡め、難しい言葉を入れて詳しく説明している。
 子ども(といっても、しっかり理解できるのは小学生高学年以上だろう)に読み聞かせするなら、だんぜん『ワンガリの平和の木』をお薦めする。『その手で1本の苗木を』は、漢字にルビがうってあるものの、子どもを意識した文章ではなく、中学生以上の大人が自分で読む本だ。
 だが詳しく描かれている分、ケニアの様子が生き生きと伝わってくる。かやぶきの小屋があり、鶏がいてカンガなどの洗濯物が干してある村、砂漠化した土地を追われていく家畜のヤギ、頭にバケツを載せてあるく女性、色とりどりの女性たちの衣装、背景につらなる山々など、ケニアの暮らしや風景がしっかり描かれている。

UNBOWEDへこたれない ~ワンガリ・マータイ自伝 』は、社会に疎いわたしには、知らないことばかりで、驚きと発見の連続だった。マータイさんの前に立ちふさがったのが、民族の問題、男尊女卑の問題であったこと、マータイさんの自国のための活動が、自国で受け入れらずに海外から支援を求めなければならなかったことに、植民地から独立した国の難しさを感じる。

 注目したいのは、近代化による人々の食生活と健康の変化だ。マータイさんの暮らしていた、肥沃で気候も良い地域、ケニア中央高原地帯に住む人々はかつて、豊かな食事をし、よく働き、とても健康だった。90歳代で健康な人もめずらしくなかったという。ところが近代化され、子どもたちは栄養失調になり病気にくもかかりやすくなった。かつての食べ物は栄養価の高い、身体によいものだったが、「炭水化物は豊富だが、ビタミンやタンパク質、ミネラルは相対的に乏しい」(P198)加工食品になっていたのだ。
 その加工食品として白パン、トウモロコシの粉、白米があげられたていたのには、かなりの驚きだった。
 
 レトルト食品、インスタント食品があふれている日本の食生活はどうよ?

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