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2009年11月21日 (土)

子育てより子育ちを――『子どもが育つ条件』

 margaret さんの「読書」で、紹介されている本。ずっと気になっていたけれど、ついに読めた。自分自身の子育てを振り返り、反省したり、救われたり。また今後を考える参考にもなった。多くの人が読み、社会がいい方向に育っていきますように。

子どもが育つ条件―家族心理学から考える (岩波新書)

 柏木恵子著

       

 読み始めて驚いた。子育ての中でわたしがなんとなく苦しく感じていたことへの答えが、きちんと論理だって書かれている。著者は、現代社会の子育てを検証し、新しい社会での子育てを提案している。

 いちばんはっとさせられたのは、「子育て」ではなく「子育ち」を、それにはまず「親育ち」をと、訴えているところだ。生まれたばかりの赤ん坊のころから人は好奇心を持ち、周りを見て発見し、まねて育っていく力を持っている。それを子どもがする前から、大人が先に与えてしまえば、外面では育っても、芯のところが育たない。自分でみつけて達成するからこそ面白いのだ。その喜びを、先回りする大人がそいでしまう。それに、子どもは自分にあわないことをやらされていることだったある。
 子が育つのを見守ることは、忍耐のいることだ。厳しい競争社会で子どもが生きていけるだろうかと不安にもなり、ついレールを敷きたくなる。それでも、長い目で見れば、どうだろう。

 わたしにも息子がひとりあるが、彼が自分の意思で反抗してくるようになったとき、気づかされたことがたくさんある。息子のためにと思ってしていたことが、実は、わたしが自身の理想をかなえるためだったり、満足するためだったり、誇らしく思うためだったりする。
 彼をある方向へ導こうとするのではなく、彼の後につき、成長する力を信じて、後押しすること、それが、親の役目なのだと改めて思う。

 ところで本書は、子どもが子育ちしていくために、家庭レベルをこえて、社会がどう変革していけばいいかを書いている。子育て支援が盛んないま、子育て中の方はもちろん、それ以外の多くの人に読んでもらいたい。

書評の達人
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コメント

子どもが少なくなって、親の目も手も子どもに注がれます。それが逆に子どもの自立を妨げるようになっていると気づいている母親は少ないでしょうね。私ももっとこの本を薦めなくてはいけませんね。

margaret さん

うちは一人っ子なので、とくに目も手も行き届きすぎてしまうので、こうした本を読んで、思い出し、自分をコントロールしなくちゃと思います。

子育てで、待つ、見守るということほど、忍耐力のいる仕事はありません。
赤ちゃんのころは、寝返り、はいはい、たっち、あんよが早いと嬉しい。でも、大きくなれれば、発達の早さはどうでもよかったとわかったように、急がせなくても、その子は自分で歩いていけるのですもの。

子どもの力を信じて!!ですね。

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