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2009年2月16日 (月)

「三びきの子ブタ」2ひきは幸せじゃない!!

今朝までは、まるで3月の終わりごろのような暖かさだったのに、日中になるほどに冷え込んできた。それでも例年よりは暖かいだろうに、寒さがしみる。

1年生のおはなし広場。5年生では、今日から学級閉鎖になったクラスがあるようだが、小さなこの子たちは元気だ。

プログラム

絵本 てんぱたん てんぱたん―ねずみのもちつき (日本傑作絵本シリーズ)  梶山俊夫作 福音館書店 *
おはなし 三びきの子ブタ イギリスの昔話 *
絵本 エゾオオカミ物語 (講談社の創作絵本)  あべ弘士作 講談社
大型絵本 おおきなもののすきなおうさま (よみきかせ大型絵本)  安野光雅作 メイト
絵本   福音館書店 

4月に緊張していたこの子たちも、すっかりなれてきて、おしゃべりが多い。きちんと座らせるのに、先生がたいへんだ。どのおはなしも、最初はおしゃべりしたのきょろきょろしているのだが、次第にみんながひきこまれで、よく聞いていた。

わたしが語った「三びきの子ブタ」は、やっぱり「知っている~」とあちこちで声があがる。ところが、家に食べ物がなくて子どもたちをお母さんブタが世の中に出してやるところで、子どもたちはなんだか違うと気づいたようで、聞きだした。そして、1匹目の子ブタが食べられて、ええ?
2匹・目の子ブタがたべられると「ちがうよー、たべられないんだよ」。
そして、3匹目の子プタとオオカミkのやりとりは、はじめて聞く子が多かったのだろう。真剣に聞いていた。ラストでオオカミがなべに落ちて……のところでは、満足の笑い声が上がったのでうれしかった。

でも、「ずっと、子ブタはしあわせにくらしましたとさ」で、おはなしが終わると、「1ひき目、2ひき目の子ブタはしあわせじゃないじゃん」という子がいて、どきりとして、「そうだね」と答えた。

そう、このおはなしは、全員が幸せになれるわけではない、とても厳しいおはなしなのだ。3匹目の子ブタが家をふきさばされなかったのは、たまたま、レンガを持った男に会っただけにすぎない。でも、子ブタは、運だけでなく、オオカミと渡り合って、自分の頭で幸せをつかむ。

オオカミがかわいそうという声はなくて、よかった。聞き手に、オオカミに同情させないために、2匹の子ブタの犠牲は、おはなしのなかでなくてはならないものだろう。犠牲を省くと、今度はオオカミが尻尾をやけどするくらいで、おはなしを終わらせなければならなくなる。

こうした世間の厳しい現実が描かれているおはなしは、それに向き合う強さにつながっていくのだと思う。就学前の子より小学生にあがってから話すのがいいと思っているが、1年生ではまだ早すぎただろうか?と、すこし心配になる。

そのあとの『エゾオオカミ物語 (講談社の創作絵本) 』は、生態系についての、これまたきびしい絵本。現実の厳しさを、ひしひしと感じさせられる、おはなしがふたつ続いてしまった。

でも、最後の2冊で、子どもたちは元気が復活した。
外では北風がぴゅーぴゅーふきだしている。元気で帰ってね。

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