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課題図書を読む『耳の聞こえない子がわたります』

夏休みまであと一週間。

課題図書を、まだ、ぼつぼつと読んでいます。

小学校高学年向けの作品。

耳の聞こえない子がわたります
 マーリー・マトリン作
 日当陽子訳
 矢島眞澄絵
 フレーベル館

        

 9歳のミーガンは、幼い頃の病気で耳がほとんど聞こえない。でも、補聴器をつけているから、少しは聞こえるし、唇を読んだり 手話で会話もできる。元気で人なつっこいミーガンは、町の人気者だ。
 近所の空き家にミーガンと同じ年のシンディが引っ越してきた。シンディは内気で、人と話すのが苦手だ。
 シンディが引っ越してきた日に、ミーガンがシンディに声をかけ、翌日には招待状で家に招いた。恥ずかしがりやのシンディは気が重かった。でも、家に行ってみれば、開放的で明るいミーガンのペースにまきこまれ、シンディもうちとけて話せた。シンディは手話をおぼえだし、やがてふたりはBFF(ペスト・フレンド・フォーエバー)一生親友の印に、おそろいのミサンガをつけ、夏休みのキャンプにでかける。

 作者のマーリー・マトリンはアカデミー主演女優賞を受賞した女優で、この物語の主人公ミーガンと同じように幼い頃に病気で聴覚を失っている。そのため、表向きは明るく解放的だけれど、実は傷つきやすくてかたくななミーガンの複雑な心模様がていねいに描かれている。読者は、しょうがいを持つ人とのかかわり方を考えられるだろう。 
 耳の聞こえないミーガンをシンディは友だちとして自然に手助けするのだが、ミーガンはそれが気に入らない。そんなミーガンの態度はとてもわがままに見えるときさえある。だが、ミーガンは幼い頃からずっとほかの人が聞こえることが聞こえず、そのことで悲しく不快な思いもしてきた。それを考えれば、ミーガンの素直になれない気持ちはとても理解できる。
  清水眞砂子さんの講演会で、善意がいかに人を傷つけるかが描かれている本として『十一歳の誕生日』を紹介していただき、まだ未読なのだが、つながるものがあるだろう。読んでみたい。

 ミーガンの耳が聞こえないことをしょうがいとして意識せずに読めば、この作品はミーガンとシンディが友情、人と人とのすてきな関係を築いていく物語でもある。自分の気持ちをちゃんと伝える。親切をおしつけない。相手を理解し、相手がしてほしいと思うことをしてあげる。
 性格がぜんぜんちがうふたりのこと。この先もずっとけんかし続けるだろう。けんかするからこそ、わかりあえる。BFF(ペスト・フレンド・フォーエバー)にはなれるのだ。

 課題図書、あと1冊読みたいのがあるけれど、もうすぐ夏休みだから、図書館で借りたらもうしわけないかな?

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