素敵な校長先生
わたしの図書館週間は今日のK小学校で終わり。
この小学校は児童数が少なくて、前項で20人くらいだ。
わたしは5、6年生を担当した。男の子3人と女の子5人。椅子席で、体格のいい女の子たちが真ん中にずらっと並び、はじっこにきゃしゃな男の子が1人と2人にわかれて座った。
小柄なわたしが座ると子どもたちより目の位置が下にきてしまうので、おはなしは立ってすることにした。
プログラム
絵本 だるまさんが かがくいひろし/作 ブロンズ新社
おはなし 小石投げの名人タオ・カム ラオスの昔話『子どもに語るアジアの昔話2』(こぐま社)より
絵本 真昼の夢 (ほるぷ海外秀作絵本) セーラ・L.トムソン文 ロブ・ゴンサルヴェス絵 金原 瑞人訳 ほるぷ出版
子どもたちの表情が硬いのでまず空気をやわらげたくて『だるまさんが』を読んだが、くすっと笑ってもすぐに笑いをひっこめてしまう。最後の「にこっ」で、笑顔ど聞いてね。といってみたが、一瞬やわらぐものの同じだ。
「小石投げの名人タオ・カム」もずっと生真面目な顔で聞いていた。おはなしの間、先生の出入りがはげしく、ところどころ間違えてしまう。
でも、出典本を見せて、図書館で借りてねというと、無表情で聞いていた子が「うん」とうなづいたので、ちょっと嬉しかった。
『真昼の夢 (ほるぷ海外秀作絵本)』は、さすがにすこし反応があった。ほおっ! わかった! という表情があちこちで浮かぶ。でも声があがらない。2、3人はぜんぜん表情を変えないで見ている。先生がいちばん、「へえ~、おもしろいな」といって聞いてくださる。
おはなしの後、校長室ですこし雑談した。陶芸をされるという校長先生は、『真昼の夢 (ほるぷ海外秀作絵本)』に興味をもってくださって、1ページ1ページ、丹念に見ておられた。そして、「子どもたちには出会いがあって、誰かに読んでもらった本が魂に訴えて、なにかに目覚めることもある。子どもたちはいちいち、それを口にしたりはしない。だから目にはみえないけれど、出会いのきっかけづくりをされているのはすばらしい、これからもがんばってください」と私たちに言ってくださった。
自分たちのお話を子どもたちが喜んでくれているだろうか。自己満足に終わっていないだろうかと、いつも、とくに反応が薄いと不安に思うわたしたちにとって、何よりもの言葉だった。
素敵な校長先生だ。まだまだいろいろおはなしをうかがいたかった。
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