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2008年5月28日 (水)

課題図書を読んでみる『3年2組は牛を飼います』

タイトルがおもしろそう!と思わせる小学校中学年向けの作品。

3年2組は牛を飼います (文研ブックランド)

  木村セツ子 作
  相沢るつ子 絵
  文研出版

           

 日本アルプスの見えるまゆの小学校では、各クラスでなにかを育てることになっている。まゆのクラス3年2組は、勉強嫌いで自分勝手なことばかりするナオヤくんが「牛を飼いたい」と言い出した。動物嫌いのまゆは気がすすまなかったけれど、おもしろがって賛成する子がいて、多数決で牛を飼うことに決定してしまう。いちばんの友だちのミキちゃんは、助けてあげるから大丈夫と励ましてくれるけれど、まゆはやっぱり牛がこわくていやだと思う。

 牛を飼うと決め、7月終わりに子牛を牧場から借り、11月の末にまた返すまでの、クラスの担任の先生、子どもたちの様子が描かれていく。
 いろいろな性格の子どもたちが、等身大の姿で登場するのが魅力だ。とくに、はりきるナオヤくんがいい。授業中ふまじめで、忘れ物ばかりして、まゆにいたずらする子なのに、かわいい子牛のためなら何だってやる。
 ほかにも、どうしても牛に近寄れないまゆ、同じく動物は苦手だけれど責任感の強い田川さん、まゆをかばってあげたいと思うミキちゃん、家でヤギを飼っている宮下君など、それぞれの思いで牛の世話をする体験を通して、命を育てることを知るだけでなく、友だちを知り、自分を知る。
 動物でも、友だちでも、自分でも、生きものは思いどおりにならない。いいことばかりでなく、いやなこと、逃げ出したいことがいっぱいある。でも、全部ひっくるめてはじめて生きている。子どもたちはたくさん学んだだろう。

 このお話では、大人がみな素敵だ。子どもたちの意見を尊重して、牛を学校で飼えるように奮闘する若い男の先生、牛の世話を指導してくれる牧場のおじさん、牛小屋をつくる保護者たち――みな、大人の役割を立派にはたしている。大人側の問題が子どもを苦しめる作品が最近多い中で、ほっとできる。

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