語り手の言葉
J保育園年長さん、最後のストーリーテリングによるお話会。
お行儀のよさは相変わらずだったが、はじめにひげじいさんの手遊びで和ませてからはじめたせいか、おはなしを楽しんでくれているようすだった。わたしの『おおかみと七ひきの子やぎ』も、最後までよく聞いてくれたと思う。
プログラム
腰折れすずめ 日本の昔話 日本昔話百選より
ネズミの御殿 ロシアの昔話 子どもに語るロシアの昔話
おおかみと七ひきの子やぎ グリムの昔話 子どもに語るグリムの昔話 *
プログラムはおとといのG西保育園とよく似ているが、「腰折れすずめ」は出典が違う。今日のは、地方語が地の文にも残っている『日本昔話百選』のもの。語り手が違うこともあるが、同じ話なのに味わいがちがう。ところで二日前に共通語のおはなしを聞いたばかりだからだろうか。わたしは、地方語が気になった。というのは、その話の言葉は、語り手が普段つかう言葉ではないので、いいにくそうに思えたし、とってつけたように思えたのだ。いままで勉強会で聞いたときは地方語がとてもおもしろく、おはなしをやんわりさせていいと思ったのだが……。
「おおかみと七ひきの子やぎ」の「みなさんにもわかるでしょう?」も、やはり自分の言葉ではないし、そこで、語っているわたし自身が、本当に「みなさんにもわかるでしょう?」と確認したいかといえば、そうではなくて、テキストに書かれているからしそう語るだけなのだ。だから、なんとなくとってつけたような感じになる。この部分、はぶいてもいいかもしれない。
『語るためのグリム童話 (1) (語るためのグリム童話 1)』は、第2版を基にしているが、こちらには、「みなさんにはわかるでしょう」もなければ、「人間のお母さんが……」と、お母さんヤギが子ヤギをかわいがることを解説する部分もない。
おぼえて語ると、自分の言葉で語るとは違う。聞き伝えがほとんど途絶えてしまい、テキストで覚えた言葉を自分の言葉にして語るのが、今のストリーテリングなのだと思う。
テキストから自分の語りへ、その壁をどう乗り越えるかが問題だろう。
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