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2007年11月 1日 (木)

子どもたちは昔話の文法を知っている?

昨年度から時々行かせてもらっているI南小学校、朝の読み聞かせ。今日は、教育フェスタということで30分枠だった。わたしは6年3組の担当だ。

プログラム

 なぞなぞ 末むすこの買ったものは? 『どうしてかわかる?―世界のなぞかけ昔話〈1〉 (世界のなぞかけ昔話 (1))』より
 おはなし サトリ 『日本の昔話5』(福音館書店)より 
 絵本 
しにがみさん 野村たかあき作 教育画劇
 なぞなぞ 天国と地獄 
どうしてかわかる?―世界のなぞかけ昔話〈1〉 (世界のなぞかけ昔話 (1))』より
 絵本 
3びきのかわいいオオカミ ユージーン トリビザス文 ヘレン オクセンバリー絵 こだま ともこ訳

いつも行っている息子の学校では、朝は10分しかない(少し早めにはいると15分近くになるが)ので、この学校では長いストーリーテリングをするチャンスだ。でも今回、わたしに語れるものはなく(がんばってレパートリーをふやさくちゃ)、おはなしはほんの短い「サトリ」のみにし、絵本をしっかり読むことにした。
はじめ選んでいたのは、一読してすぐ、高学年にぜひ読みたいと考えた『 黒グルミのからのなかに(ミュリエル・マンゴー文 カルメン・セゴヴィア絵 ときありえ翻訳)。音読すると13~4分で読める。だが、練習していうちに言葉がどうも口にのらない。また、ハッピーエンドではあるが、死を受け入れるというテーマが、これから人生に踏み出す6年生の子には重苦しすぎると思えてきた。そこで、同じ死を扱っているが、茶化している落語絵本の『しにがみさん』に変えた。成功だったと思う。
子どもたちは、とても素直に聞いてくれた。 

三匹の子ブタのパロディ『3びきのかわいいオオカミ』は、とくに男の子の反応がものすごくよくてびっくり。彼らは、オオカミとブタの逆転がまずおもしろくてたまらないらしい。そして、悪い大ブタの生半可じゃない暴れぶりに大喜び。彼らの内部にくすぶっているものを、笑いとともに爆発させているのではないかと思ったりする。
さらに驚いたのは、オオカミたちが、家をたてる材料(れんが、コンクリート、鉄骨)をもった動物に出会う度に、「調子よすぎるて~」と笑いだす子がいたこと。そうそう、それは、昔話の「一致」というものよ、と私は内心にんまりした。
その部分だけではなく、この絵本は昔話の特質をこわさずにうまく物語をつくりかえていると思う。そのあたりも、子どもたちをひきつけるところかもしれない。

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コメント

「黒グルミ・・」は、私が深く感じて読みました。子どもに読んであげるなら、熟慮を必要とすると思います。子どもをよく知らないならなおさらですよね。
「三びきの・・」はパロディーなのによくできていますよね。絵も楽しいし。最初のママがマニキュアを塗っていたりするのもおかしいです。子どもはだいすきですよね。

「しにがみさん」。面白そう!
読んでみたいです。
「黒グルミ・・・」は、フラニーさんの所で見つけて、ずっと読んでみたいと思っていました。
ああ、早く予約しないと。

そらこさんが黒グルミを読まれたら、ぜひ子どもの反応をうかがいたいと思っていましたが、
「しにがみさん」に変更だったのですね。
なるほど、ほんとそのほうがよかったのですね!
わたしも、自分で読む分にはとてもいいと思ったけれど、子どもたちに自分から手にとってもらいたい絵本かな、とも思いました。

3びきのかわいいオオカミのパロディ具合は、高学年にはたまらぬ楽しさでしょうね。
わたしも、人に読んでもらって、大笑いしてしまいましたよ。

マーガレットさん

『黒グルミ……』最後の最後まで迷ったのですが、読んでもらう子どもたちの気持ちを考えたら、読めなくなりました。

『3びきのかわいいオオカミ』のオオカミのお母さん。おかしいですよね。しっかり子離れしている。オオカミはとってもかわいく、ブタはとってもにくたらしく描いているオクセンバリーの絵の力も大きいのでしょうね。

こももさん

『しにがみさん』、ぜひ息子さんとどうぞ~。うちの子は、これが気にいって、修学旅行の寝るときにみんなに話して聞かせると張り切っておぼえていたのですが、みんなすぐ寝てしまって話せなかったそうです(いざとなったら話せなくなったのかも)。

フラニーさん

『黒グルミ……』のような、めだって特異性のある作品は新鮮なので、なんの考えもなくぱっと読み聞かせに使いたくなってしまうのですが、それが本当に子どもが読んでほしい作品なのか、しっかり考えなければならないと、今回思いました。
自分の子どもが大きくなるにつれて、だんだん子どもの感覚からはなれてしまうようなので、これからは自分のなかに子どもの目を養っていきたいなと思います。
『3びきのかわいいオオカミ』は、以前3年生か4年生に読んだときには、これほど楽しんでくれなかったので、今回驚きました。高学年の方が楽しめるのかもしれません。

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