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世界に広がる目

長谷川義史さんの絵本は、いつもおもしろい。遊び心が爆発しすぎているときもあるけれど、同世代(かなり幅広い同世代?)なので、きゃははは、わたしにはわかるよーと、妙な仲間うち意識がもてたりする。

さて、

ぼくがラーメンたべてるとき』長谷川義史作 教育画劇

タイトルからおもしろそうだ。表紙をひらくと見返しに、茶色、黒のまじった緑色、黒に近いこげ茶色などが大胆な大筆使いで横縞に引かれている。なんだかいつもと雰囲気がちがうと思いながら、ページをめくる。

中表紙はラーメンどんぶりと、その上には、よくわからないけれど、わっかが描かれている。ラーメンの湯気かしら?またまた、ふざけてーと思い、さらにめくって本文へ。

「ぼくがラーメンたべてるとき、となりでミケがあくびした」と、のんびりしたもの。いつもの長谷川さんの調子だ。「となりでミケがあくびをしたとき…。」で、さらにめくると「となりのみっちゃんがチャンネルかえた」ときた。ははーん、となり、となりと移っていって、まわりまわって最後にぼくのラーメンにもどってくるんでしょ。それじゃあ、ちょっとひねりが足りないんじゃない?などと勝手に予想して読み進めば、あれ?なんだか違う。となりから、となりの町にうつり、どんどん、となりの範囲がひろがっていく。

最後の数ページまでくると、、いつのまにか自分の周りの空気がしんと、息をつめて読んでいた。ぼくのラーメンには戻ってはくるけれど、読み始めにはまったく予想しなかったラストだ。やられたーと思った。

後の見返しは、前の見返しより、さらに色合いが暗くなる。裏表紙の絵は、力強く、余韻がのこる。

平和に過ごしているわたしたち。でも世界にはいまこの瞬間、いろいろなことが起こっている。そうしたことをいくらテレビニュースや新聞で知っていても、日本の子どもたちにとっては、どこか遠くの知らない国のことであり、あまり実感はないのではないだろうか。
それを、この絵本は、本当に身近なすぐとなりからはじめて、少しずつ範囲を広げていき、子どもたちが、自分と同じ時を生きている、自分とつながりのある子どもの現実として受けてとめ、理解できるようにしている。絵本にこめられたメッセージは、深いところで、子どもたちの心に届くのではないかと思う。

ところで、こうした絵本は、読み聞かせおばさんとしては、どうやって小学校の子どもたちに手渡したらよいものか。朝の一日のはじまりや、お昼時間のお楽しみの時間には、ちょっと重すぎる。読み聞かせの後、ちょこっと、こんな本があるよーとブックトークかなあ。

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絵本」カテゴリの記事

コメント

そらこさん、こんにちは。
わたしも書店の店頭で、すっかりお気楽な気持ちで読んでいたのですが、途中からの世界の広がりと思いがけない展開に、しばしぼーっとしてしまいました。
楽しい絵とタイトルでいつもの調子を予想していただけに、ほんとにやられた!という感じでした。
子どもたちにも、きっとこのメッセージと読後感は届くものがありますよね。

フラニーさん

知識としてではなく、実感として感じるということが肝心なのだと思います。
シンプルな言葉と絵で、それを伝えてしまうところがすごいですね。

あらら、そらこさん
だいぶ前に一生懸命トラックバックをしましたが、ちっともいかないので、3度もやってしまいました。ごめんなさいね。
今見たらできているのでびっくりです。お騒がせしました。

マーガレットさん

こちらこそ、ごめんなさいです。実は、関係のないトラックバックばかりつくので、認証性にしたのです。ところが、今度は認証の作業をし忘れてしまって……。
トラックバック、ありがとうございました。

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» この本いかが。 [こひつじ文庫]
ぼくがラーメンたべてるとき クレヨンハウスで2度お話をうかがった長谷川さん。さらさらと絵を描きながら、吉本の芸人なれると思うような漫談のごとく流暢にお話してくれて、最後にはウクレレを弾きながら歌まで歌ってくれる。器用な方だなあと感心しているのですが、そ....... [続きを読む]

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