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2007年4月16日 (月)

胸がちくりと痛いです

ずっと題名だけ知っていて、読みたいと思っていた1冊。図書館のお薦めコーナーに出ていたので、さっそく借りてきた。
 『ベーグル・チームの作戦』で、親にお薦めの本と書いたが、この本も同じく、親に読む本だと思った。
 

ペットねずみ大さわぎ』岩波書店
 フイリッパ・ピアス作
 アラン・ベーカー絵
 高杉一郎訳

 シドは、友だちジミーのいとこから、2匹のジャービル(あれちねずみ)をもらってこっそり飼っていたのだが、動物嫌いできれい好きの母親に知られてしまう。母親はペットショップでひきとってもらおうといい、新しい父親のビル(シドの父親は亡くなっていた)が、ペットショップに持っていくが、そのままつれて帰ってきた。ふたりの妹もジャービルを見て大喜びし、母親もだめといえなくなり、家で飼うことになった。
 ところが、ジャービルたちは母親が自慢の赤いカーテンをかじって穴をあけてしまい。腹をたてた母親は――。

 前半の母親の行動は、信じられないくらいひどい。子どもたちにすれば、ぜったい許せないだろう。母親は大悪役だ。でも、犬が怖くてたまらないわたしには、シドの母親の気持ちがとってもよくわかってしまった。子どものときハツカネズミを飼っていたという父親ビルと子どもたち、ジャービルたちとの、楽しいひとときに入っていけない孤独感もよくわかる。息子をわたしが叱って、夫が息子にあまーくしているとき、夫がフォローしていると思いながらもさびしい気持ちになる(家族が3人だから余計そうかもしれない)。わたしってこの悪役の母親に似ている。

 他人にはとうてい理解できないけれど、自分のなかでどうしても譲れないこだわりがあって、我が子にそれを押しつけると、はねつけられて、でも、自分を曲げられなくて……つらいよね。

 この物語では、新しい父親のビル(この人が頼りないようでいて、とってもソフトに妻と子どもたちに接していてうまく家族をまとめる。新しい男性像かなと思う)と子どもたちと、ある事件が、母親が、こだわりから外にでてくる助けをしてくれる。こだわりから出た母親は、とてもおおらかであたたかい。ほんとうは、最初からそうしたかったんだなと思う。

 シドは中学生。母親を見る目はかなり冷静だ。性格を見抜き、母親を怒らせないようにふるまうくせがついている。小さな子にとって、親の価値観、世界観はぜったいだ。でも、自己が芽生えてきたとき子どもは親の世界観から抜け出そうとする。そして、それが親をも成長させる。子育ては自分育てだ。

 ところでこの本のラストのは、英語のしゃれがきいているのだが、邦訳ではいまひとつぴんと来ない。わたしは、少し考えて、訳注などを読み返して、ああそういうことかとわかったが、子どもの読者には通じるかどうか。工夫がほしかった。

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