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2006年12月25日 (月)

ファンタジーのDNA

タイトルと著者名に惹かれて読んだ一冊。といいながら、実は荻原規子さんのファンタジーはひとつも読んでいない。図書館で題名を見て、読みたい読みたい、とあこがれるばかりだ。それにもかかわらず、本書を読みはじめてしばらくしたところで、図々しくも、「感性が、わたしと同種」と親近感を抱いた。もちろん、読み進むにしたがって、同種ではあっても、ライオンと野良猫のほどの開きがあるとわかってきたが……。

ファンタジーのDNA』荻原規子著 理論社

 ファンタジーと昔話、伝説、神話、そして無意識との関係、なぜファンタジーが創作され、必要とされるか。作者自身の読書歴、創作方法もまじえて、ひじょうにわかりやすく説明してくれている。このファンタジーとは、「指輪物語」「ナルニア国ものがたり」以降の、異世界を舞台にした冒険ファンタジー(いわゆる狭義のファンタジー)だ。「指輪物語」と「ナルニア国ものがたり」、トールキンとルイスの違いは、わたしには初めて知ることで興味深く、そうなのかと納得した。
 ファンタジーではないが、ゴッデンの『バレエダンサー』やモンゴメリの「赤毛のアン」シリーズなどの解説もわかりやすくまとめられている。「フランバーズ屋敷」シリーズの解説もあるが、わたしは子どものころ1冊目を読んだだけなので、シリーズを通して読んでから、読み直したい。作者がファンタジーを書く分岐点になったという『妖女サイベルの呼び声』も未読なのでこれから読みたい。

 ところで気になるのは、作者が子どものころ、家にそろえてあって、まんべんなく目を通したという、「少年少女世界の名作文学全集五十巻」なるものの存在だ。翻訳家の金原瑞人氏も家に世界文学全集があって、そこから読書がはじまったという話を聞いたことがある。こうしたお二方の読書歴を見ていると、子どものころに幅広い分野で読むことが大切ではないかと思えてくる。
 残念ながら、わたしの家には全集はなかった。それがライオンと野良猫の分かれ道だったかもしれない。いいえ、ただDNAが違うだけ。でも、もしかしたら……と思っておこう。

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コメント

あー、そらこさん
この本これから読もうと思っているところです。そして、この人の本を全部読んでいるファンなのです。
たつみやさん、上橋さん、荻原さん、この3人の本が大好きなのです。楽しみ。

私も子どもの頃はやっぱり『少年少女世界の名作文学全集』の時代でした。だからDNAかなと思われます。

そらこさん、こんにちは。
私も『少年少女世界の名作文学全集』世代です。でも本屋さんに並んでるのを月々買ってもらってましたので50冊全部持ってるわけではありません。持っている中でも好きで何度も読んだ巻とそうでもなかったのとありましたね。
マーガレットさんと同じくたつみやさん・上橋さんは好きです。荻原さんのは未読。『ファンタジーのDNA』、なんだかとっても興味出てきました。

マーガレットさん

荻原さんファンのマーガレットさんなら、より深く理解できると思いますよ。楽しみにしてください。
わたしも、たつみやさんと上橋さんはちょっとかじっています。

わたしも『少年少女世界の名作文学全集』の時代なのですが、育ったのがいなかだったので、おそらく親は全集の存在を知らなかったんじゃないかと思います。

あそびっこさん

『ファンタジーのDNA』ぜひ読んでみてください。荻原さんの本も読んでみなくちゃという気にさせられます。

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