ウォーターシップ・ダウンのうさぎになりたい!!
「野生のうさぎって、気ままでいいよね」息子がしきりにいうようになった。
彼はいま、カートゥーン・ネットワークで放映中の「ウォーターシップ・ダウンのうさぎたち」に夢中なのだ。もともとは、これの原作をわたしが読みたいと思っていたので、アニメを見て、ついでに本も読もうと思って、親子で見始めた。ふむふむ原作のいろんな要素がごっちゃになってるなどと冷めて見ているわたしの横で、息子はアニメの牧歌的な世界にすっぽりとはまっったらしい。
「ええー、うさぎってこわい敵もいるし、人間に鉄砲で撃たれそうになるし、穴掘りもしなくちゃいけないし、大変だよ」と、いくらわたしがいっても、「でも、おもしろい冒険ができるもん」という。アニメでは、うさぎたちが遭遇する危機や困難は悲惨に描かれていないし、その苦しみをうさぎたちはあっさり乗り越えて穏やかな日に戻っていくので、うさぎたちの暮らしが楽しみ見えるのだろう。
「冒険はうまくいくかどうかわからないんだよ。それでもいいの?」とわたしが聞くと、息子は「冒険の結果がはじめからわかるんならつまんないよ。わからないからわくわくするんだもの」と立派なことをいう。
そこでわたしは「じゃあ、勇気のいることをするときは冒険、いやなことをやるときは穴掘りだと思ったら?」といってみた。
すると昨日、学校から帰ってきた息子は、
「ぼく一日ウォーターシップ・ダウンのうさぎになったつもりですごしたんだ。学校へ行くときは『ようし、冒険だ』と思ったし、授業がはじまったら『穴掘り開始』といって足で掘るまねをした。すごく足がつかれたけど(当たり前だ)。それから休み時間は『軍事訓練はじめ』(息子には軍事訓練がものすごく楽しそうに見えるらしい)。帰るときは『ようし、我が家へ戻ろう』って思ったんだ。そしたら、一日ものすごく楽しかった。ぼく、うさぎになるよ」という。
へええ、おもしろいことするんだなと思っていたら、家のなかでうさぎのように飛び跳ねて移動はじめた。宿題をする前には足をゆらす(穴掘りをしているつもり)のだ。
今朝は今朝で、新聞を口にくわえて持ってきてくれた。そこでわたしも、うさきになるのに協力して、生にんじんをお皿にのせてあげた。
いつまで、このうさぎごっこが続くのかわからないけれど、息子が自分の中になにかを作りたがっている、ほしがっているのではないかと思う。
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なんて、なんて!素敵な息子さん!
そらこさんの息子さんのように、詩的ではないのですが、何ヶ月か前、二宮 由紀子さんとあべ弘士さんの『くまくん』を読んだ後、息子が、毎晩、こっそり逆立ちの練習をしていたのを思い出しちゃいました。
それと・・・うちの子が、あまりに物語に入り込みすぎることを心配していましたが、ちょっと安心しました。
『ピーターラビッド』『グレーラビッド』シリーズ大好きだった我が息子にも、是非、読んであげたいですね。またまた、チェック!
ちなみに、私は保育士ではありません。今となっては、免許の単位を取得すべきだったと後悔しきりですが・・・。福祉業界でしか通用しないマイナーな児童指導員という免許で、障がい児・者の方のお手伝いをしています。
近くの保育園と交流保育などをしているので、大勢の小さな子どもの前で話すことにだ・け・は、慣れているのです。
投稿: こもも | 2005年11月23日 (水) 22時00分
こももさん
詩的なんて感じではありませんよ。家じゅうをうさぎのようにとびまわり、新聞を口にくわえて持ってくるので……。夜寝るときに、暑い暑いと言うので、熱が出るんじゃないかと心配したら、二階の寝室までの階段もうさぎのように飛んで上ってくるからでした。
でも、息子は、ウォーターシップ・ダウンのうさぎになっていると、どんな困難も平気で乗り越えられる気がしてくるというのです(その困難が、忘れ物をして先生にしかられるというような、わたしからみたら些細なことではありますが)。
短絡的ですが、これこそ、お話が力を与えるということ、と思うのでした。
そうそう、この本は、わたしが読んでいるだけで、読み聞かせはしていません。息子はアニメだけ。彼も読みたいといっているのだけれど、たぶん中学生以上にならないと無理だと思います。
息子さんの逆立ち、可愛いですね。逆立ちして、なにになったかな?
二宮由紀子さん、彼女の発想はユニークでわたしも大好きです。
児童指導員の免許があるなんて立派ですね。
わたしは、子ども関係も福祉関係も図書館系も、何の資格もないので、うらやましいです。また、いろいろと教えてください。
投稿: そらこ | 2005年11月24日 (木) 20時12分