最近のトラックバック

« 幼稚園でストーリーテリング | トップページ | みどりの谷のネズミしょうぼうたい »

ローラ*ローズ

子どもののつらい現実を、さばさばと書いていくジャクリーン・ウィルソンの作品。

ローラ・ローズ』 
 ジャクリーン・ウィルソン作 ニック・シャラット絵 尾高薫訳 理論社

タトゥー・ママ』に引きつづき、未成熟な母を持ったがために苦労する少女ジェイニがヒロイン。ジェイニは、父親のドメスティック・バイオレンス、母親の病気と、これでもか、これまでかというように追いつめられていく。
 生きのびるために、いい子にならざるをえないジェイニだが、容姿にコンプレックスを抱いていて、背伸びもしたいふつうのティーンエイジャーだ。そのジェイニの思いが、ジェイニの素直な言葉で語られていくから、わたしみたいなおばさん読者だって感情移入して、一気に読まずにはいられない。
 
 しかし、こうまでヒロインを追いこむ必要があるのだろうか。ファンタジーでなくリアリズムであるだけに、子どもたちにとって、あまりにつらすぎる読み物ではないか。ラストも明るい兆しが見えはするけれど、もやもやした不安が胸に残り、読後すっきりしなかった。
 生きていく以上、不安が消えることはないと、年齢を重ねれば重ねるほどわかってくるけれど、なにも十代のときから、そんな現実をつきつけなくてもいいのではないかという気もする。

 児童文学の子どもたちが、大人に守られた幸福な子ども時代にとどまれず、大人の未成熟な悩みを引き受けるようになったのは、作家たちが等身大の人間像を書くようになったからなのか、世の中の大人が未成熟になったのか、どっちなのだろう?

« 幼稚園でストーリーテリング | トップページ | みどりの谷のネズミしょうぼうたい »

児童読みもの」カテゴリの記事

コメント

トラックバック、ありがとうございました。
こちらもトラックバックさせてもらいました。
ジャクリーン・ウィルソンは嫌いではないのですが、ときおり、読むのがつらいことがあります。
渦中にいる子どもは読めないかもしれない、という気がします。

hanemi さん

コメント、ありがとうございます。
トラックバックもありがとうございました。
Blog をはじめたばかりで、無作法なことをしたように思いますが、お許しください。


>渦中にいる子どもは読めないかもしれない
そうですね。

このごろのジャクリーン・ウィルソンを読むのがつらいと思うのは、自分の甘さかなと思ったりもします。

コメントを書く

コメントは記事投稿者が公開するまで表示されません。

(ウェブ上には掲載しません)

トラックバック


この記事へのトラックバック一覧です: ローラ*ローズ:

» ローラ*ローズ [怒りと栄光の記録]
『ローラ*ローズ』(ジャクリーン・ウィルソン作/ニック・シャラット挿絵/尾高薫 [続きを読む]

« 幼稚園でストーリーテリング | トップページ | みどりの谷のネズミしょうぼうたい »

2019年6月
            1
2 3 4 5 6 7 8
9 10 11 12 13 14 15
16 17 18 19 20 21 22
23 24 25 26 27 28 29
30            

Amazonアソシエイト

  • 野はら花文庫は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。
  • Amazon、Amazon.co.jpおよびAmazon.co.jpロゴは、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。
無料ブログはココログ