ローラ*ローズ
子どもののつらい現実を、さばさばと書いていくジャクリーン・ウィルソンの作品。
『ローラ・ローズ』
ジャクリーン・ウィルソン作 ニック・シャラット絵 尾高薫訳 理論社
『タトゥー・ママ』に引きつづき、未成熟な母を持ったがために苦労する少女ジェイニがヒロイン。ジェイニは、父親のドメスティック・バイオレンス、母親の病気と、これでもか、これまでかというように追いつめられていく。
生きのびるために、いい子にならざるをえないジェイニだが、容姿にコンプレックスを抱いていて、背伸びもしたいふつうのティーンエイジャーだ。そのジェイニの思いが、ジェイニの素直な言葉で語られていくから、わたしみたいなおばさん読者だって感情移入して、一気に読まずにはいられない。
しかし、こうまでヒロインを追いこむ必要があるのだろうか。ファンタジーでなくリアリズムであるだけに、子どもたちにとって、あまりにつらすぎる読み物ではないか。ラストも明るい兆しが見えはするけれど、もやもやした不安が胸に残り、読後すっきりしなかった。
生きていく以上、不安が消えることはないと、年齢を重ねれば重ねるほどわかってくるけれど、なにも十代のときから、そんな現実をつきつけなくてもいいのではないかという気もする。
児童文学の子どもたちが、大人に守られた幸福な子ども時代にとどまれず、大人の未成熟な悩みを引き受けるようになったのは、作家たちが等身大の人間像を書くようになったからなのか、世の中の大人が未成熟になったのか、どっちなのだろう?
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コメント
トラックバック、ありがとうございました。
こちらもトラックバックさせてもらいました。
ジャクリーン・ウィルソンは嫌いではないのですが、ときおり、読むのがつらいことがあります。
渦中にいる子どもは読めないかもしれない、という気がします。
投稿: hanemi | 2005年11月 2日 (水) 19時19分
hanemi さん
コメント、ありがとうございます。
トラックバックもありがとうございました。
Blog をはじめたばかりで、無作法なことをしたように思いますが、お許しください。
>渦中にいる子どもは読めないかもしれない
そうですね。
このごろのジャクリーン・ウィルソンを読むのがつらいと思うのは、自分の甘さかなと思ったりもします。
投稿: そらこ | 2005年11月 3日 (木) 12時04分