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2005年10月28日 (金)

話せばわかる

 息子は気が優しい。そんなところから、学校で友だちにからかいの対象にされることが多いと担任の先生はいう。でも当の本人は、鈍感なせいなのか、あるいは無意識的に気持ちを押さえ込んでいるのか、からかわれているという自覚はあまりないようだ。

 友だちにからかわれることより、むしろ、そのことを担任の先生が、クラス全員の問題として息子の名をあげて取り上げるのが嫌だと、今年度になってからときどき、息子は私に訴えていた。また、いじめられた方なのに、「なぜ、いやだとはっきり言わないの」と、先生からしかられるのも納得がいかない様子だ。

 わたしはその指導方針に多少の疑問をもちつつ、先生が情熱をもって指導していることはよくわかったし、厳しい世の中にでていくには自己主張も大切だから、先生にそう指導してもらうのもいいと思ってきた。けれど、おととい、「○○さんを野ブタ(日テレのドラマ)のようにしてもいいのですか?」と、先生がクラスで言ったときいて、このままではうちの子が「いじめられっこのレッテル」をはられて、つぶされると思い、昨日、担任の先生に話に行った。

 先生は、野ブタのことはみんなに話したが、○○さんとは結び付けていないという。どうやら、息子が勝手に結び付けてしまったらしい。だが、先生は、息子がそういう風に先生の話を聞いたことや、先生の言葉で心を傷つけていたことは理解してくれた。そして、クラスの前でそういった話をするときは気をつけるといってくださった。そのあとの昼休みには、息子に直接懇談して、息子本人の口から気持ちを聞き、先生の考え(小さなからかいを放っておくと、そのうちにだんだん大きくなるから、もっといやなことはいやとはっきりいわなければならない)も話してくれ、息子も納得したようだ。

 いじめられたと決めつけられて、いやだと言わなかったことで、いじめた子より怒られ、でも、先生にその不満をふつける勇気はなかった息子。今回のことで、先生との意思の疎通ができて、話せば通じることを体験してくれたなら、大きな収穫だと思う。

 でも、親の自己満足かもしれない。なにしろ息子は帰ってきて、「昼休みをつぶされた」とこぼしていたから。

 

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