2019年8月10日 (土)

8月のI市立図書館分館おはなし会 楽しみにしている子たちがいて

 I市は今晩、花火大会。図書館には家族連れが多い。14人の子と6人の大人が集まってくれた。

プログラム
 おはなし くらーいくらーい家 (『五分間で語れるお話―もっと聞かせて!短いお話48編』より)*
 絵本 いっしょなら ジェーン・シモンズ作 まつおさなえ訳 バベルプレス 
 絵本 まどのむこうのくだものなあに? 荒井真紀作 こどものとも年中向き 2019.07 福音館書店
 絵本 あつい あつい (幼児絵本シリーズ) 垂井真子作 福音館書店 *
 絵本 なにをたべたかわかる? 長新太作
 手遊び カレーライス
 紙芝居 すうじのかくれんぼ やべみつのり作 童心社
 わらべうた さよならあんころもち

  

 聞き手たちが散らばらずに、真ん中にきゅっと固まって座っていて、いい雰囲気のお話会になった。『まどのむこうのくだものなあに?』では、ひとつひとつのくだものの外側、断面図をじっくりとみんなで見ることができた。ゆっくり見たので結構長い時間がかかったのだが、夢中になっていたのだろう。読み終わると「早っ!」

  


あつい あつい (幼児絵本シリーズ)』もよく見て聞いてくれた。新しい影が出てくるたびに何の影か、声が上がる。最後は「川」という声があがったが、ページを開くと「海だ!」と何人かが声をだした。

  


 大人も子どもも楽しんだのは『なにをたべたかわかる?』。タイトルをよむと「わからない!」。でも、読み終わってからまた「なにをたべたかわかる?」と聞くと、それぞれ答えてくれた。

 紙芝居『すうじのかくれんぼ』は数字を絵から探す。子どもたちはすぐに見つけてしまう。

 終わってから、カードにスタンプを押すのだが、初めての子も多いけれど、半分くらいはおなじみさん。「この子がどうしても来たいので来ました。」と孫ときたおばあさんもいた。楽しみにしている子がいると思うと、がんばろーという気になる。

2019年8月 7日 (水)

Hキッズクラブ 夏休みのストーリーテリングによるおはなし会 喧噪の中

 


 暑さが続いている。H小学校の校庭わきにあるHキッズクラブへ。元気な子が大勢いる。この暑さでは外のグラウンドでも遊べず、狭い部屋は大変な喧噪だ。


プログラム
 なまくらトック ボルネオの昔話
 わらべうた こどもとこどもがけんかして *
 へびの食い合い 日本の昔話 *


出典本
  



 何人かけんかしたり、ふざけたり、それを先生にちゅういされたり。トイレの戸をがんがんする音が響いてきたり。まあ、とてもお話をする雰囲気ではないなか、語ることになってしまった。
「なまくらトック」のときは、語り手を上回る声がひびいて、語り手はそれが収まるのをまったりしながら、賢明に語った。きっとものすごく集中力がいったと思う。そのなか、聞いている子がいることに脅かされる。面白いとろろになると、隣の子と顔を見合わせてにっこりしている。


 わらべうたで少し落ち着いてから「へびの食い合い」へ。これも、ざわざわ騒がしく、Kキッズクラブでの反応はない。あむあむあむとヘビが互いを食い合うところで、やっと笑いが起こった。やれやれ。


 夏休みを毎日、この狭い空間で仲間と過ごす子どもたち。今日のお話が、少しでも、楽しいことの一つに入っていてくれればよいのだけれど。

2019年8月 5日 (月)

Dキッズクラブ 夏休みのストーリーテリングによるおはなし会 

 1年生から4年生までのDキッズクラブへ。1、2年生と3、4年生に分かれて行った。


プログラム
1、2年生
 さるの生き胆 日本の昔話
 あなのはなし マラリーク作
 まめたろう イランの昔話


出典本
  



3、4年生
 サルのきも タイの昔話
 魔法のかさ R・ファイルマン原作 E・コルウェル再話
 かえるの王さま グリムの昔話


出典本
   



 私は、3、4年生(なんと小学校の校舎の非常階段を上がった4階で)で「サルのきも」を語った。ちょいと練習不足、そして連日の熱帯夜で寝不足のため、とっても不安。ゆっくり語ってなんとかやり終えた感じ。途中「いちじくの実」というところで、なぜか、口がうまく回らず。それでも、2回目の「いちじくの実」をしっかり言ったので、子どもたちに伝わったらしい。ラストで、病気だったワニの奥さんが、イチジクの実を、サルの生き胆とだまされて食べたのに、回復すると、「治るわけない!」という声が。ふふふっ、プラシーボ効果ですよ。
「魔法のかさ」は、楽しいお話。魔法の傘のいたずらで、おかみさんが家に戻ってきちゃったり、人の車にとびのったり、教会の塔の周りをぐるぐるまわったり。特に女の子たちがくすくす笑いながら聞いていた。
 最後の「かえるの王さま」も、女の子がよく聞いていたように思う。後のほうにいた男の子たちは、ちょっと疲れてしまったかも。


 終わってから、お礼にと子どもたちが絵を描いたうちわをいただいた。この季節。なによりのものです。ありがとうございました。

2019年8月 3日 (土)

8月のK図書館分館おはなし会 怖いお話

 

 8月は昨年と同様、プログラムに怖いお話を入れて欲しいとの図書館から提案があった。児童室は、柳の下に井戸がありそこから白い手がでていたり、すみっこにはお化けがいたりと、こった雰囲気作りがしてある。子どもたちも11人とたくさん来てくれた。おじいちゃんおばあちゃんに連れられてきた子も多い。里帰りだろうか?

プログラム
 おはなし くらーいくらーい家 アメリカの昔話 (五分間で語れるお話―もっと聞かせて!短いお話48編より)*
 絵本 あつい あつい (幼児絵本シリーズ) 垂石真子作 福音館書店
 絵本 おんぶおばけ (松谷みよ子 あかちゃんのむかしむかし) 松谷みよ子分  童心社
 絵本 おばけなんてないさ (せなけいこのえ・ほ・ん) せなけいこ作 ポプラ社
 紙芝居 紙芝居 のっぺらぼう (日本民話かみしばい選・おばけがいっぱい) 渋谷勲脚本 小沢良吉絵 童心社
 エプロンシアター 3びきのヤギのガラガラドン

      

 4~5歳くらいの子が多くて、まだ『おんぶおばけ (松谷みよ子 あかちゃんのむかしむかし)』『紙芝居 のっぺらぼう (日本民話かみしばい選・おばけがいっぱい)』は、しっかりとイメージできないようだった。喜んだのは『おばけなんてないさ (せなけいこのえ・ほ・ん)』。5番まであるので、さすがに全部知っていて歌える子はいなかったけれど、「おばけなんてないさ おばけなんてうそさ」「だけどちょっと だけどちょっと ぼくだってこわいな」のところを、みんなで歌えた。おばけだけれど、とても楽しい!!という気分になってもらえたと思う。
 おばけのお話ではぜんぜん怖がらなかったのに、エプロンシアター「3びきのヤギのガラガラドン」では、迫力満点のトロルがででくると何人かがびつくりして怖がった。一人の子はだんだんと後ろへ下がっていって、おしまいには部屋の一番うしろまで下がっていた。それでいて、にこにこ笑っている。
 子どもたちは、怖いものの、どきどきするけれど好きなんだ。

 

2019年7月31日 (水)

Kキッズクラブ 夏休みのストーリーテリングによるおはなし会 ハインリヒってなに?

 児童保育のキッズクラブへ。今年は1年生だけで30人くらいいるとのこと。3年生までの子に聞いてもらった。

プログラム
 かえるの王さま グリムの昔話
 わらべうた こどものけんか *
 へびの食い合い 日本の昔話 *

出典本
  

 中には、最初から「お話なんか聞きたくない」などという子たちもいて(そうだよね。いまは夏休みだものね)、わいわいと騒がしかったのだが、話がはじまると静かになって聞いてくれた。でもこの暑さ。冷房がきいているとはいえ、体がけだるいのだろうか。だんだんぐにゃぐにゃとする子が多くなった。後半のハインリヒは、低学年の子たちにはよくわからなかったらしい。話が終わると「ハインリヒってなに?」と、聞いた子がいた。「王さまの家来で……」と、語り手が説明し始めると今度は「家来って兵隊?」。その子には、「家来」も聞き慣れない言葉なのだろう。
「へびの食い合い」は、ヘビがだんだん大きくなってイノシシや鹿ぐらい大きくなるというと、「ええー、うそだ!」といって喜んでいた。へびとへびが食い合って、最後はどうなるか、一瞬しんとなって、息を呑んで答えを待ってくれ、とわかると笑いが広がった。
 楽しく終れてよかった。次は春休み。楽しみにしてくれるといいのだけれど。

2019年7月30日 (火)

K児童館 夏休みのストーリーテリングによるおはなし会 初めて子どもに語る「しゃれこうべ」

 いきなり夏が来た!! でも児童館は冷房がきいていてありがたい。たくさんの子どもがきていて、小学生は1年生から6年生まで40人程度。小さい子から順に並んで聞いてくれた。

プログラム
 はじまりのうた ろうそくぱっ
 おいしいおかゆ グリムの昔話
 わらべうた こどもとこどもがけんかして *
 しゃれこうべ チロルの昔話 *
 おしまいのうた ろうそくぱっ *

出典本

   

「おいしいおかゆ」は、特に低学年の子たちが楽しそうに聞いていた。終わると「みじかーい!」という。つぎは長い「しゃれこうべ」へ。
 このおはなしは、初めて子どもの前で語る。前半は恐ろしいものの、ラストは明るい。でも、後半の種明かしの部分が難しめなので、3年生以上の子のおはなしだと思う。時間は13分程度。こうなると10分枠の朝の読み聞かせでは語れず、覚えたもののお蔵入りとなりそう。それで、高学年の子も集まってくるこの児童館で語ろうと思ったのだ。
 まずは「がいこつ」と「しゃれこうべ」の説明から始めた。小さな子は「がいこつ」もあまりわからないみたいで、少し驚いた。
 語り出すと、子どもたちは目をまんまるにして、びっくりしたように聞いていた。でも、主人公の女の子が怖い目に遭うところでは息を殺して聞いている。でも、女の子が安全になると、とたんに緊張が緩んだ。意味がわからないところもたくさんあっただろう。もぞもぞ、ぐにゃぐにゃと体を動かす子が多くなってきた。わたしも、少し言葉を間違えてごまかして勝たったりもした。そんな中で高学年の男の子たちが特に真剣に聞いてくれたように思う。
 高学年以上のところで、また語ってみたいものだ。

2019年7月10日 (水)

南K小学校 朝の読み聞かせ 2年1組 「おばけ学校の三人の生徒」で驚いて笑って。

 夏休まであと1週間あまり。どんよりした天気が続いているけれど、子どもたちはますます元気。2年1組の子たちも、にこにこ笑顔で迎えてくれた。


プログラム
 絵本 しろねこしろちゃん (幼児絵本シリーズ) 森 佐智子文 MAYA MAXX絵 福音館書店
 おはなし おばけ学校の三人の生徒 松岡享子作


    


 絵本『』の表紙を見せて、はじめのページをめくると、タイトルが白ねこなのに「黒いねこだ」という。「ほら、ここに白いねこもいるよ」と言って読み始める。ほかのきょうだいと違って白い、しろちゃんが、自分も家族の一員として感じられるまでの物語。シンプルで短いストーリーだけれど、子どもたちは共感できるのだろう。じっと見ていた。


 出典本
    


 次の「おばけ学校の三人の生徒」は、1年生、2年生、3年生がそれぞれに先生の課題に答えて披露するのを楽しんで聞いてくれた。先生の評価は「だめだめ」「まあまあ、よろしい」「たいへん、よろしい」。私の今日の出来は「まあまあ」と「たいへん、よろしい」の間くらいかな? ラストは突然大声を出して、聞き手を驚かせるのだけれど、これもうまくいったというか、うまくいきすぎた。「心臓がとまりそうになった」といった子もいて、もう少し抑えておいたほうがよかったかもしれない。


 なにはともあれ、楽しいお話会になった。子どもたちも、よい夏休みを!

2019年7月 9日 (火)

課題図書を読む『ある晴れた夏の朝』

 日本人でありながら、かなり年いった大人でありながら、自分が何も知らないとわかり、恥ずかしくなった本。

ある晴れた夏の朝
 小手鞠るい作
 偕成社

     

 物語は、今(2014年)、中学校の英語教師をしている主人公メイが、15歳でアメリカの高校生だったとき参加した、ミュニティ・センター主催の公開討論会について、生徒たちに伝えるという、入れ子になっている。

 メイは日本人の母とアイルランド系アメリカ人の父のあいだに生まれたハーフ。日本で生まれ、4歳で家族とともに渡米し、その後はアメリカで育った。
 彼女が高1から高2になる夏休み、原爆の是非を問う公開討論会に出場して欲しいと、上級生から誘いを受ける。討論会の出場者は8名で、肯定派と否定派、4人ずつに分かれて論議をかわす。4回の討論会で、公聴にきた一般市民が投票し、勝ち負けを決める。。
 原爆否定派には、メイのほかに、反戦・平和運動家として知られるジャスミン、飛び級した天才スコット、アフリカ系のダリウス。一方肯定派は、勉強・スポーツともに優秀なノーマン、ユダヤ系のナオミ、中国系のエミリー、そしてメイと同じ日系だが、両親ともにアメリカ生まれの日系であるケン。
 彼らは夏休みがはじまると、睡眠時間をも削って、徹底的なリサーチと分析をし、戦略をたてて、討論会に臨む。両派から交互に一人ずつ、制限時間内にスピーチをすることで討論が繰り広げられた。

 作品では、スピーチの内容と出場者の姿、会場の様子が、メイの視線で、メイの思いとともに語られていく。

 語られる内容は、原爆投下り理由や結果にとどまらない。真珠湾攻撃やポツダム宣言、日系アメリカ人の強制収容所といった第二次世界大戦時はもとより、南京虐殺、朝鮮戦争、ベトナム戦争、イラク攻撃、ビキニ環礁での核実験、さらにはアメリカでの黒人やユダヤ人差別と、四方八方に、掘り下げながら広がっていく。
 冒頭にも書いたとおり、無知な私は、彼らにより明かされた事実とその分析が驚きの連続で、彼らのスピーチの内容を早く知りたくて、ページを捲り続けた。その白熱した討論会を公聴したような高揚感を感じながら。

 討論会をこんなにも面白く、熟考させるものになったのは、8人の高校生が、それぞれ違うルーツを持っているからだ。まさに、他民族国家、アメリカだからこその討論会ともいえよう。
 8人の違いは、討論に多角的な視点を与え、分析や思考をもたらす無意識下の感性や感情までもあぶりだしている。民族の違いだけではない。同じ日本人の血が流れていながら、日本で生まれ育って渡米してきたメイと、両親ともアメリカ生まれのケンとでは、全く違う。受けた教育(学校だけでなく家族や周囲の人からも)、育った環境によって、出来事の受け止め方が違うのだ。ひとりがスルーしていることを、別なひとりは重大なこととして感じる。憎しみや偏見が、当然のこととして、植えつけられていることもあるのだ。

 この討論会を通して、8人は勝敗を超えて、とある共通した認識へと向かっていく。それは、作者の願いだろう。そして、私もこの作品を全世界の人々にいま読んで欲しいと思う。


*第65回青少年読書感想文全国コンクール 中学校の部 課題図書。

2019年7月 8日 (月)

7月のおはなし広場 いいプログラム

 今日は梅雨の合間。久しぶりのおひさまは嬉しい。新人さんがひとり入って下さって、読んでいただいた。1年生のお母さん。子どもと接していらっしゃるから、本選びも読み方も上手。子どもたちも嬉しそうだ。


プログラム
 絵本 しろちゃんとはりちゃん あめのいちにち たしろ ちさと作 ひかりのくに
 絵本 ライフタイム: いきものたちの一生と数字 (ポプラせかいの絵本) ローラ・M. シェーファー文 クリストファー・サイラス ニール絵 福岡伸一訳 ポプラ社
 おはなし 小さなオンドリとダイヤのボタン ケイト・セレディ作(『お話してよ、もうひとつ―コルウェルさんのお話集』より)*
 大型絵本 たなばたバス (チューリップえほんシリーズ) 藤本ともひこ作 鈴木出版
 絵本 わたししんじてるの (絵本の時間) 宮西達也作 ポプラ社


 今日は3回目。子どもたちはだいぶなれたきたようで、感想などを口々にいう子も出てきた。


    


しろちゃんとはりちゃん あめのいちにち』は、雨の日のけんかがテーマ。ついけんかをして、意地をはりあって、つまらない気持ちになること、子どもたちには身につまされるお話。しんとして見ていた。読み終わると、花瓶が2つだね。水が漏ってるね。とちゃんとわかっている言葉が聞こえた。


    


ライフタイム: いきものたちの一生と数字 (ポプラせかいの絵本)』は。新人さんが読んでくださった。読み聞かせが初めてとは思えなくて、びっくり。しっかりした声で、子どもが興味を持つところを丁寧に読んで、動物のすごさに、子どもたちも驚きの声を上げていた。


   


 次は、わたしの語り。オンドリがやっつけられそうになるたび、起死回生することを喜んで聞いてくれた。2つ目のエピソードでもう先を予測できる子もいて、語りながら、おおーすごい!と思った。
 このお話は昨年の1年生にも語って、子どもたちが歓喜の声をあげて大騒ぎになった。それと比べると、かなり落ち着いた聞き方だ。学年のカラーというのだろうか。そういった聞き手の反応の違いがあるのがおもしろい。


    


たなばたバス (チューリップえほんシリーズ)』は、昨日七夕だったねと、読み手が子供たちを導入して始めた。「……バス」のしゃれは、まだわからなかったみたいだけれど、面白い展開を楽しんでいた。彦星、織姫、天の川のページがきれいだ。


    


 ラストは『わたししんじてるの (絵本の時間)』。シリーズの本なので、子どもたちは「知っている」と言いながらも、よーく聞いていた。11分くらいかかる長いお話。しかも、暑いし、たくさん聞いた後なのに、集中が途切れない。じっくりと聞けてこどもたちも、満足だったと思う。


 終わってから、とてもいいプログラムだったねと、みんなで自画自賛。2学期も頑張ろう!!

2019年7月 6日 (土)

7月のK図書館分館おはなし会 親子の幸せな時間をいただきます

 梅雨空が続いている。今日は、午前中はどんよりしていたけれど、昼から日が差してきた。図書館に行くと、嬉しいことにもう2組の親子がいる。しかも2組ともお話会カードを持っているではないか。リピーターが増えている証拠。図書館の方のお話会への参加を呼びかける努力の賜だ。ありがとうございます!

プログラム
 詩の朗読 かえるのぴょん 谷川俊太郎作 『誰もしらない (国土社の詩の本 18)』より *
 絵本 チェンチェンとクゥクゥ さくら せかい作 こどものとも年少版 2014.03 福音館書店
 絵本 ふってきました (講談社の創作絵本) もとした いづみ作 石井聖岳絵 講談社 *
 紙芝居 おにがしまのまめ 仲倉眉子作 教育画劇
 エプロンシアター かえるののどじまん

「かえるのぴょん」は、カエルの指人形をはめて朗読した。自動車や新幹線、飛行機と飛び越えると、すごーいという声も。お母さんがニコニコ笑って見てくれている。

『チェンチェンとクゥクゥ』は、年少版のお話だけれど、年の大きい(小学1年くらい)女の子たちが特によく見ていた。知らない二人(そのうちひとりは恥ずかしがり屋)が出会って、少しずつ友達になっていく心の機微は、やっぱりこの年頃の女の子たちにはよくわかるのだと思う。

    

ふってきました (講談社の創作絵本)』は、最初のうち、なんだか見てもらってないなあと思って読んでいたが、途中からいろいろな動物が落ちてくるのを面白がりだした。小さな子(2歳くらい)は、ナンセンスの面白さはわからなかったかもしれないけれど、ぞうが落ちてくるところで喜びの声を上げていて、それでいいと思う。

 みんなが楽しめたのが『おにがしまのまめ』。怖そうなタイトルに反してユーモラスなラストにほっこり。「面白かった」という声が聞こえた。

 最後はエプロンシアターで楽しく。演じ手が手作りマイクで、子どもたちにインタビューすると、どの子も真面目に、また、恥ずかしそうに自分の名前をいうのがかわいらしい。みんなで「かえるの合唱」を合唱して終わった。

 今日は、みなお母さんも一緒に聞いてくださった。そして、どのお母さんも楽しそうにしてくださった。お母さんが楽しいと子どもたちも楽しいし、子どもたちが楽しいとお母さんも楽しい。ほんの30分の短い時間だけれど、そうした心地よい時間を分けてもらえて、ああ、幸せと思う。
 

2019年7月 3日 (水)

K幼稚園 年長さん ストーリーテリングによるおはなし会 1回目 プール遊びのあとは眠い

 梅雨のどんよりした空。雨が降りそうだけれど、なんとか持っていて、午前中にはプール遊びもできたという。

 K第2幼稚園、土田保育園と同じプログラムで。

プログラム
 はじまりのうた ろうそくぱっ *
 おはなし ひなどりとネコ ミャンマーの昔話 *
 手遊び でんでんむし *
 おはなし ついでにペロリ デンマークの昔話
 おしまいのうた ろうそくぱっ 

出典本
  

広いホールに、子どもたちが60人近く、横に広がって聞いていたせいもあり、お話が届きにくかった気がする。眠そうにしている子も多い。そんななか、何人かの子はとてもよくわかっているように見えた。

「ひなどりとネコ」では、ひなどりがケーキをみんな食べてしまってドキっ! ネコが再びやってきてドキッ、ひなどりがくしゃみをしたくなってドキッ、ついにくしゃみをしてドキッ、壺が割れてドキリ。と、要所要所で、表情を変えたり、友達と見合ったりしている子がいた。

「ついでのペロリ」では、2つ目のお話ということもあり疲れてぐにゃぐにゃしている子が多い中、ネコが「食ってやる」といって食べてしまうたびに、びっくりしてにっこりする子がいたりする。この年齢の子たちの発達の差みたいなのもあるかもしれない。でも、誰かひとりが面白そうに笑ったら、D保育園のように、みんながつられて笑いが巻き起こっただろう。

 今日は蒸し暑かったし、プール遊びの後で疲れていたし、子どもたちも疲れていたかも。次回は秋。大勢に楽しんでもらえますように。

 

課題図書を読む『もぐらはすごい』

この絵本は、昨年の初夏に出版され、すぐに小学校の読み聞かせの人たちのなかで話題になった。

もぐらはすごい
 アヤ井 アキコ作
 川田伸一郎監修
 アリス館

    

 もぐらって、名前はよく知っているけれど、私は見たことがない。もぐらづかは見たことがある。というか、地面にこんもり盛り上がっているところがあって、これはもぐらの穴だよと人に言われて、そうなんだなあと思っていただけなのだ。

 そんな、知っているようで、実はよく知らないもぐらの生態を、この絵本が実にわかりやすく、そして楽しく教えてくれる。
 もぐらの暮らし方や体の秘密。地面を掘るのに適した手の構造、敏感な感覚器「アイマー器官」、ものすごく広範囲な巣。知らないことばかりで驚きの連続だ。
 手のひらが、人間と違って、外側についていたなんて。水泳の平泳ぎなんか、得意かもしれない。土の中の巣に、たった一匹ですんでいるらしい。暗闇の中で一人なんて、孤独ではないのだろうか? それとも自由できままな一人暮らしを満喫しているんだろうか?
 一生のほとんどを土の中にいるなんて、人間の目から見たら、とても不思議なのだが、きっとこれは、小さな動物であるもぐらが生き延びていくために進化してきた姿なのだろう。

 巻末にはモグラ博士である、監修の川田真一郎氏の説明がさらに付け加えられていて、好奇心をそそる。いまだに謎が多くて、オスとメスの出会いなど、解明されていないことがたくさんあるらしい。研究したくなる読者もあるはず。

 低学年の課題図書だけれど、高学年、中学生でも十分面白いと思う。

 
*第65回青少年読書感想文全国コンクール 小学校低学年の部 課題図書。

2019年6月29日 (土)

K市立図書館 ストーリーテリングによるおはなし会

 いよいよ梅雨が本格的になって、朝から蒸し暑い。この気候のせいか、たくさんの人が図書館にきている。お話会もいつになく大人数だった。子どもが14人大人が7人。小学生が半数近くいる。こんな日もあるんだ。


プログラム
 わらべうた あめこんこんふるなよ *
 おはなし 鳥呑爺 日本の昔話 *
 手遊び かえる
 おはなし ジャックの運さがし イギリスの昔話
 手遊び いっちゃんいがつく
 おはなし ついでにペロリ デンマークの昔話


 出典本
   


 歩き回る子がいなくて、全体的に静かに聞いていた。
「鳥呑爺」は、おじいさんが舌を出すところで、一番前の子が、私にペロペロと舌を出してみせるので、吹き出しそうだった。おじいさんが鳥を呑んでしまうと、みんなドッキリという顔をして、次を楽しみにして聞いているので、とても気持ちよく語れた。
 2つめの「ジャックの運さがし」は、次々といろいろな動物が出てくる。鳴き声に笑い声を上げる子がいた。最後で泥棒が勘違いをするところは、小さな子たちにはわかりにくいと思うが、どういうことなのだろうかと、しっかり聞いていたように思う。
 最後の「ついでにペロリ」は、私は外でドア当番をしたので、子どもたちの姿は見えないが、あちこちで笑いが上がっていた。


 何人かが感想を書いていってくれるのだが、「鳥を呑んだおじいさんのおはなしがおもしろかった。本も読んでみたい」というのがあって、とても嬉しかった。本につなげるという意味で、出典本の紹介だけでなく、よく似た絵本を紹介するのもいいねと、仲間と話し合った。


 K図書館でのお話会は、第5土曜日。年に3、4回しかないけれど、少しずつ聞き手が増えるといい。

課題図書を読む『サイド・トラック 走るのニガテなぼくのランニング日記』

「セルフ・コンパッション」「成長マインド・セット」を物語にしてくれたような作品。お薦めです。


 『サイド・トラック: 走るのニガテなぼくのランニング日記
 ダイアナ・ハーモン・アシャー作
 武富博子訳
 評論社


    


 ジョセフはADD(注意欠陥障害)とLD(学習障害)があり、運動も苦手だ。7年生の時、通級クラスの担任T先生に誘われて、新生の陸上部に入部する。メンバーは、転校生女子ヘザーのほかはへなちょこばかり。メンバーはクロスカントリーからはじめた。T先生は、自己ベストを目指し、仲間で支え合うようにと指導する。


 ジョゼフは、大勢の中にいるとどう動いていいかわからなくなる。だから、おどおどしてしまう。それで、人と同じことができない子と、周りの子から見下され、それが当たり前となっていた。
 ひとりで走るクロスカントリーは、他人とは関係なく自己ベストをめざせる。T先生の指摘通り、ジョセフに合ったスポーツだった。それでも、感受性とこだわりが強すぎるジョセフがコース走りとおすには、体力だけでなく、克服しなければならないことがたくさんあった。T先生は、毅然とした態度で励まし、ジョセフの努力を認める。
 たとえば、コースを2周まわる課題を、ほかのメンバーはこなしたが、ジョセフは1周が精一杯だった時、先生は、
「ジョセフは今日、自分にできることをしました」(p97)という。
 結果ではなく頑張ったことを認めてもらえることが、ジョセフにどれほど力を与えることか。


 T先生だけではない。チームのメンバーも、ジョセフに力を与える。メンバーは、男子なみの運動能力のあるヘザーを除いて(そのヘザーも寂しさを抱えているのだが)、全員がなんらかの劣等感を抱えている。でも、彼らはジョセフを仲間として受け入れる。メンバーのビクトリアが、うっかりすべらせた言葉でジョセフを傷つけることになり謝ったとき、ジョセフは思う。
「からかわれたことなら一万回くらいあるけど、あやまってもらったのはこれがはじめて」(p191)
 このチームの中では、ジョセフはジョセフのまま、ほかのメンバーと対等でいられる。こうした積み重ねがジョセフを励まし、さらにはジョセフが人を励ませるようにまで成長していく。さらにジョセフの頑張りはほかのメンバーをも成長させていく。
 決勝戦での彼らの奮闘と団結、思いやりに涙が止まらなかった。


 ところで、この作品で最も魅力的な登場人物は、シニアレジデンス(高齢者住宅)から脱走したおじいちゃんだ。おじいちゃんは、その施設がルールに縛られて自由がないことを嫌ったのだが、それだけではない。そこの老人たちのなかにも優劣意識があり、介護の必要のない人たちは、エリートグループをつくっている。それに嫌悪感を持った。驚くことに、老人の施設は、子どもの学校とよく似ているのだ。


 そんなおじいちゃんは、個人を、ただのひとりの人として見る。ジョセフの敏感すぎる聴覚や視覚も、障害とは思わない。逆に誰よりもよく見え、誰よりもよく聞こえると理解する。ジョセフは大多数の人と違う個性を持つだけで、完全無欠のひとりの人間だ。他の人がみなそうであるように。


 最近は発達障害や自閉症を描いたYA小説や児童図書が数多く出版されている。この作品でも、主人公は発達障害を抱えているが、焦点は障害ではなく、努力と成長にある。人と比べるのではなく、今の自分を少しでも超えること。そんな自分を認めてあげること。それは、すべての子ども人にとって、いやすべての人にとって、とても大切だ。だから、この本をすべての人に薦めたい。


 
*第65回青少年読書感想文全国コンクール 小学校中学年の部 課題図書。


 


 

2019年6月28日 (金)

D保育園 年長さん ストーリーテリングによるおはなし会 1回目「ついでにペロリ」に大笑い 

 毎年、奇数月、7月からうかがっているのだけれど、今年度は園の行事と重なって、繰り上がって6月の今日でかけていった。
 職員室で待たせてもらったのだけれど、なかなか呼ばれない。あまり遅くなると、お迎えの時間になってしまうと、先生に見に行ってもらったら、もう準備して待っていた。どうやら、担任の先生は、わたしたちが時間になったら現れると思われていた様子。最初は、思いもしない、行き違い思い違いがあるものだ。

プログラム
 はじまりのうた ろうそくぱっ *
 おはなし ひなどりとネコ ミャンマーの昔話 *
 手遊び みみずのたいそう *
 おはなし ついでにペロリ デンマークの昔話
 おしまいのうた ろうそくぱっ 

出典本
   

 わたしたちグルーブについて、ストーリーテリングについて、子どもたちは何も知らないようだったので、少し丁寧に説明してから始めた。
「ひなどりとネコ」は、静かに聞いていたけれど、どのくらい理解できていただろうか? ケーキをひなどりが食べてしまったところで、ひとり口に手をやって、大変という顔をした子がいたけれど、ほかでは、あまり表情が動かない。ただ、ネコが怒って鳥の親子を追いかけるところで、みんなが真剣な顔を聞き始め、ネコが逃げてしまったとろごて、子どもたちの体がふにゃふにゃと揺れ始めたから、危機がせまって、脱したということは、理解できたのだと思う。

「ついでにペロリ」は、よくわかったようだ。はじめは静かに聞いていたが、ネコがつぎつぎと食べていくのを面白がりはじめた。「食ってやる!」で笑い、「のみこんでしまいました」でまた笑う。身をよじらせて笑いだす子もいる。「全部食べちゃう」という声も聞こえた。楽しい気持ちで聞き終えたようでよかった。次につながる。

 終わってから、子どもたちは代わる代わる、ハイタッチをしに来てくれた。こういう一瞬が元気をくれる。次もまたよろしくね。

2019年6月27日 (木)

6月のひよこちゃん わらべうたで緊張がほどける

 先月、0歳のあかちゃんが多かったので、今月もそうかと思ったら、昨年度の常連さんで1歳のAちゃんとYちゃん、それから2歳さんが2人、そのあとから0歳さんが一人。0歳さんは一人いるけれど、ちょっと大きめの子が集まった。雨がふりだして、赤ちゃんたちはおうちにいるのかもしれない。 

プログラム
 わらべうた くまさんくまさん *
       お茶を飲みに来てください *
 絵本 きょうのそらはどんなそら ふくだとしお・ふくだあきこ作 大日本図書
 絵本 みーんなはははっ  オームラトモコ作 アリス館
 わらべうた あめんなかから きんたさんとぎんたさんが *
       ちっちこっことまれ *
 絵本 あめぽったん (ぽかぽかえほん) ひろかわさえこ作 アリス館 *
 わらべうた デロデロツノデロ
 絵本 にんじん (いやだいやだの絵本)せなけいこ作 福音館書店 *
 紙芝居 ころころ じゃっぽーん (あかちゃんかみしばい ぱちぱち にっこり) 長野ヒデ子作 童心社 *
 わらべうた ころころじゃぽーん
 紙芝居 あっぷっぷー (乳幼児かみしばいいいおかお) 武鹿悦子文 土田義晴絵 教育画劇

 いつもの「くまさんくまさん」「お茶を飲みに来てください」では、AちゃんとYちゃんは大はしゃぎ。2歳の男の子はまだなれないらしく固まっていたが、「デロデロツノデロ」で、くすぐり遊びをしてもらうと、一気に緊張がほどけた様子。ほかの子どもたちもお母さんにくすぐられるのが嬉しくて、くすぐられるのを期待して待っていて、くすぐられると身をよじられて笑っていた。

   

にんじん (いやだいやだの絵本)』では、緊張のほどけた2歳さんが大声で動物の名前をいってくれた。おかあさんも嬉しそうだ。

     

紙芝居『ころころ じゃっぽーん (あかちゃんかみしばい ぱちぱち にっこり)』のときは2歳の女の子が芋になってころころ転がっているのがかわいらしい。そのあと、毛糸玉を投げてころがして、「コロコロじゃぽーん」といって遊んだ。これは、どの子も気に入ったらしい。こんな簡単なもので遊べるというのは、小さな子ならではだ。

   

 最後の紙芝居ではあっぷっぷの意味のわかる2歳さんは、一生懸命変顔をし、よくわからないんだけれどなんだかおかしい1歳さんは、きゃはははと笑っている。

 今日は、わらべうたでリラックスして、どの親子も楽しい時間を持つことができたように思う。お話会でこんなにうまくいくのは珍しくて、わたしたちも元気をもらった。これからも、うまくいくといいなあ。

2019年6月26日 (水)

南K小学校 朝の読み聞かせ 6年1組 「小石投げの名人」今年の夏では最後

 6年生は人数が少ない。たぶん1クラス20人あまり。教室に行くと、まばらな感じがして驚いた。

プログラム
 絵本 こしぬけウィリー (児童図書館・絵本の部屋) アンソニー・ブラウン作 平山太一訳 評論社 
 おはなし 小石投げの名人タオ・カム ラオスの昔話

      
     ←出典本

 このところ、高学年は「小石投げの名人タオ・カム」を語ってきた。夏にいいお話なので、多分、今年は今日が最後。有終の美と思ったのだが、自分としては、この前語ったときがいちばんのできで、今回はなんだか、すんなりいかなかった。そのせいだろうか、子どもたちも、今ひとつのってこない。つまらなそうにあくびする子もいて、焦ってしまった。でも、とてもよく聞いている子もいて、その子たちに励まされて語った。

 原因のひとつとして、その前の絵本が、子どもたちにはわかりにくかったからだろう。私の読み方が悪かったせいもあるが、ラストが6年生にピンと来なかったらしい。ストーリーは、弱虫の主人公が、体を鍛えて強くなるのが、内面は優しいままちっとも変わらない、というもの。その展開がユーモラスで、気弱な主人公がとてもすてきと私は思う。でも、子どもたちには意味がわからないようだ。何年か前に読んだときは子どもたちも楽しんでくれたような気がする。でも、今では、大人の喜ぶ本になってしまったかもしれない。

2019年6月23日 (日)

課題図書を読む『そうだったのか! しゅんかん図鑑』

 心にとめておきたい一瞬を人は写真に撮る。けれども、この写真図鑑はそうした写真ではない。人の目が捉えきれなかった一瞬を写真にして見せてくれている。

そうだったのか! しゅんかん図鑑
 伊地知国夫写真
 小学館

     

 望遠鏡は人の視力のおよばない遙か遠くを見せる。顕微鏡は、人の目には見えないミクロの世界を見せる。同じように、ハイスピードのシャッターで撮った写真は、人間の目が決して捉えきれない、数千分の1秒という一瞬を捉えることができる。
 紹介されているのは、われるシャボン玉、シャワーから流れる水、ろうそくの吹き消される火など、身近なものばかりだ。ページの折りたたみを使って、クイズ形式で楽しめるようになっている。
 写真は一目瞭然。普段の何気なく見ていたものが、実はこんな動きをしていたと、驚きは大きい。だが、なぜ、そうなるのかの解説も、充実している。たとえば、水の入ったコップを勢いよく押して倒したとき、水は跳ね上がる。それは、「慣性の法則」が働いているからだと。
 写真で子どもたちを驚かせ興味を引いて、好奇心をかきたて、解説で物理科学へ導いている。
 面白いと思ったのは、シャワーやじょうろの水。実は水滴が連なっている。わたしたちは、イラストでシャワーやじょうろの水をかくとき、点々を描いたりする。目ではそう見えていないのに、なんとなく脳がそう理解していたのだろうか。
 逆に脳がだまされているのが、せんこう花火。光の線は、実は存在していないらしい。
 見えるから存在するとは限らないのだ。

 読み手の科学的な知識や理解が足りないうちに、この本を読むと、ただ写真を面白がるだけで終わってしまう恐れがある。解説を理解できる年齢での再読を薦めたい。


*第65回青少年読書感想文全国コンクール 小学校中学年の部 課題図書。

2019年6月21日 (金)

課題図書を読む『スタンリーとちいさな火星人』

 大人目線・親目線で読むと、微笑ましくて、ふふっと笑わずにいられない作品。主人公のスタンリーが抱きしめたくなるほどかわいい。


スタンリーとちいさな火星人
 サイモン・ジェームズ作
 千葉茂樹訳
 あすなろ書房

     

 母さんがとまりがけの仕事へ出る日、スタンリーは段ボールの宇宙船に乗り地球を離れた。帰ってきた宇宙船からでてきたのは、スタンリーそっくりの火星人。火星人はスタンリーの家で、父さんや兄さんと夜を過ごし、学校で友だちと喧嘩をする。でも、母さんが帰ってくると、火星人は……。

 スタンリーは、何歳だろう? 学校へいっていて、ちゃんと自分のことはできる。幼児からちょうど抜け出したばかりの年ごろだ。大きくなったのだから、母親がいなくても大丈夫。父親のいうことをきいて、いい子にすることだってできるはず。でも、やっぱりさみしくてたまらない。その寂しさ、寂しい思いをさせられる怒りなど、面白くない、もやもやした気持ちを、火星人になってわがままをいうことで、発散させようとしている。

 少し年上でもう母から自立している兄さんは、火星人になったスタンリーを多分面白がりながら、父親はため息つきながら、火星人になったスタンリーに調子を合わす。
 父親は、なに馬鹿なことしてるんだと、頭ごなしに叱らない。でも、火星人でも地球では寝る時間に寝なくちゃいけないなど、やるべきことだけきちっとやらせて、余裕を持って接する。その姿が、親として素晴らしいと思う。

 子どもの視線、スタンリーの立場からこの作品を読むとどうだろう?
 火星人になって、母親がいるときならちゃんとすること(手を洗うとか、歯を磨くとか)をしないでいる。それは、罪悪感をちょっぴり感じる、でもちょっとやってみたい、ドキドキする冒険だ。悪いことをしているのは、スタンリーではなく火星人だという、いいわけもある。子ども読者は自分もやってみたいなと思うかもしれない。
 でもやっぱり一番心配なのは、火星から帰ってきたスタンリーを母親がどう思うか? 子どもたちは、素敵なラストに胸がキュンとなるだろう。

 ラフな線と淡い色彩でせ描かれた絵は、体の動きも、表情も控えめ。目は点で、口の線だ。でも、そこから不思議と登場人物たちの心の動きが細やかに感じられる。派手な表情がないことで、かえって想像の余地が生まれ、物語に沿った感情を、読者自身の心で感じとれる。

 大人目線と子ども目線と、まったく違う読み方ができる作品だ。子どもたちの読書感想文、読んでみたいと思う。

*第65回青少年読書感想文全国コンクール 小学校低学年の部 課題図書。

 

 

2019年6月20日 (木)

南K小学校 春の図書館祭 お昼休み図書室のおはなし会 はじめての試み

 図書館祭のお話会は、今年度から、低学年図書館で行うことになった。お昼休みには、本の貸し出しも行われていて、その中でのお話会なので、落ち着かないのではないかと不安だった。案の定、初めのうちはざわついた。先生が、静かに行動するようと子どもたちに声がけしてくださったものの、読んでいるすぐ横で、何人もの子が、本を探していて、音が響いたり、廊下で騒がしい声がしたりで落ち着かなかった。でも、貸し出しが一通りすんだ頃には静かに。お話を聞きたい子だけが20人ばかり残って、熱心に聞いていた。


プログラム
 絵本 ふれふれ なんだあめ こんなあめ (えほん・ワンダーランド) 梅田俊作・梅田佳子作 岩崎書店 
 絵本 しろおうさまと くろおうさま (PHPにこにこえほん) こすぎ さなえ文 たちもと みちこ絵 PHP研究所
 絵本 999ひきのきょうだいのほしをさがしに 木村研作 村上康成絵 ひさかたチャイルド *


    


 静かになったのは2作目『しろおうさまと くろおうさま (PHPにこにこえほん)』ぐらいから。でも、『ふれふれ なんだあめ こんなあめ (えほん・ワンダーランド)』のときも、前に座っていた子はかぶりつきで見ていて、後半の「ウオー」と、それまでのいらいらを突き抜けて行くところを楽しんでいた。
しろおうさまと くろおうさま (PHPにこにこえほん)』は、いろいろな色が出てくるのを、よく見ていた。
 最後の『999ひきのきょうだいのほしをさがしに』では、前の方の子がホタルを見つけてくれた。蛙の兄弟が、落ちた流れ星を助けに行き、ホタルを見て、空へ帰って行くと、勘違いしていることを、理解しているようだった。


 前は音楽室でお話会をしていた。聞き手は大勢だったけれど、強制的に来させられた子もたくさんいた。図書室だと多少はざわつくけれど、聞きたい子は聞いているわけで、こちらの方が自然でいいと思う。


 

«H小学校 朝の読み聞かせ 6年1組「小石投げの名人タオ・カム」

Amazonアソシエイト

  • 野はら花文庫は、Amazon.co.jpを宣伝しリンクすることによってサイトが紹介料を獲得できる手段を提供することを目的に設定されたアフィリエイト宣伝プログラムである、Amazonアソシエイト・プログラムの参加者です。
  • Amazon、Amazon.co.jpおよびAmazon.co.jpロゴは、Amazon.com, Inc.またはその関連会社の商標です。