2022年9月18日 (日)

I市立図書館 ストーリーテリングによるおはなし会 お休みも大切

昨日のおはなし会

おはなしの部屋に入ってくれたのは、3歳のふたごちゃん2人。年中さん1人、1年生2人。そして、お母さんが3人。おはなしを聞くのにちょうどいい年頃の子だちだ。

プログラム
 ネズミの御殿 ロシアの昔話(『子どもの語るロシアの昔話』より)
 三枚のお札 日本の昔話(『ついでにペロリ』より)
 ついでにペロリ デンマークの昔話(『ついでにペロリ 』より)

 

非常によい聞き手たちだった。3歳さんも長い「三枚のおふだ」のときはさすがにあきた様子だったが、あとはお母さんのお膝でじっと、聞き手の顔をみていた。なんといっても、お母さん方の熱心さが、子どもたちに通じたのだと思う。

わたしは、「三枚のお札」を語った。このおはなしは、ひょっとしたら私いままでが最も多く語ったお話かもしれない。というのもコロナでできなかった2年間のブランクのあと、練習したらするすると言葉が出てきたからだ。そして、お休みしたせいか、情景がよりはっきりの自分のなかにできてきた。お休みも大切だなと思わせるできごとだった。

ただ、昨日はマスクがなぜかひどく下がってきて、何度もひきあげなければならなかった。ずり下がりにくいマスクをさがさなくちゃ。

2022年9月16日 (金)

南K小学校 朝の読み聞かせ 2年1組 なにがいけなかった? エパミナンダス

 おととい9/14のおはなし会。夏休みが終わって初めてだ。

プログラム
 絵本 でんしゃにのって とよたかずひこ作 アリス館
 おはなし エパミナンダス (『エパミナンダス』より)

  

 蒸し暑い朝で、子どもたちは登校ですっかり汗をかいたようだ。髪の毛がびっしょり濡れている子もいて驚く。なんだかぐったりしている感じ。

 そのせいなのか、何なのか、絵本を読んでいて、子どもたちからの反応があまり感じられない。ぞうが出てきたとき「大きい」と、ひとりが言っただけ。いったいどういうことか、焦りながらも、大丈夫「エパミナンダス」は絶対面白い!!と語り始める。

 やっぱり反応がない。ときどき、くすっと笑う子がいても、さっと笑いを引っ込めてしまう。さらに退屈そうにする子、面白がらずに怖がそうな顔をする子と、この話を今まで語ってきた中で、初めてのさめきった反応だった。そのなかを笑顔で楽しそうに語りきった(内心、あまりの散々さで、逆に笑いだしそうだった)私。なかなか偉かった!!と自分を褒めるしかない。

 なんだか狐につままれた気分で教室をでた。何がいけなくて、こういう結果になったのか。まだわからない。2年間おはなし会ができなかったことが、関係してするのかもしれない。

2022年7月29日 (金)

K市立図書館本館 ストーリーテリングによるおはなし会 夏休みおはなし広場 びっくり、そして大笑い!

 K市立図書館では、毎年、夏休みに3日連続でお話会が開催されていた。でも、2年間お休みで、今年また復活した。そして私たちストーリーテリングの会も機会をいただけた。

 日にちは2日前の7月20日だった。先着12名だが、実際には3家族、子ども4人でb合計7人が聞いてくださった。

プログラム
 さるの生き肝 日本の昔話 『子どもに語る日本の昔話1』より
 おばけ学校の三人の生徒 松岡享子作 『おはなしのろうそく28』より *

  

 6年生の女の子のほかは3-5歳さん。年長さんの女の子ひとりと男の子の兄弟。一つ目のおはなし「さるの生き肝」は幼児さんたちには少し難しかった。でも年長さんの女の子と来ていたお父さんは、おはなしを一生懸命説明していて、女の子もよく聞いていた。6年生さんはちゃんとおはなしを理解して、お母さんと頷きながら聞いていた。

 わたしは「おばけ学校の三人の生徒」を語ったのだが、おばけときいて、兄弟のお兄ちゃんの方が、前まででてきて聞き始めた。おばけの子どもたちが、いろい真似真似をするのが面白いらしい。今まで、このおはなしは小学生低学年向きと考えていたが、年長さんぐらいも楽しんでもらえるとわかった。ラストは、お父さんお母さんまで、びっくり! そして大笑い!! よかった!!

2022年7月14日 (木)

I南小学校 朝の読み聞かせ 4年1組 エパミナンダスはずば抜けて面白い

 昨日に引き続いて、今日はI南小学校での朝の読み聞かせ。4-2、4-3に続けて、今日は4-1。おはなしは同じエパミナンダス。絵本は変えて、先週H小学校の3年生と同じプログラムにしてみた。

プログラム

 絵本 ぱんつさん たなかひかる作 ポプラ社
 おはなし エパミナンダス 『エパミナンダス』より東京子ども図書館

      


 昨日、絵本を動かしてみんなに見せて、上手くいったので、今日も『ぱんつさん』で同じように見せてみた。でも、ううーん、子ども達の表情は固い。4年生だからだろうか? 笑っていいか、まじめにきいたほうがいいか悩んでしまったのだろうか? ナンセンス絵本はむずかしい。

「エパミナンダス」は、途中で大笑いが始まり、終わると「おもしろかった!」という素直な声があちこちであがった。反応はとても嬉しいのだけれど、実は、わたしは散々なできだったため、ちょっとめげている。上手くかたれなかった理由は、慣れによる練習不足。そして、あれこれあってお疲れぎみなこと(そういうのって、語りにでるんだなと、実感した)。それでも、あんなに喜んでもらえて、このおはなしのすごさに感激する。もう一回、この学校の4年生に語れたら(まだ4組がのこつているの)、今度こそ!!

南K小学校 朝の読み聞かせ 1年2組 「また来てね~」

 やっと我が学校区の小学校で読み聞かせが解禁になった!!(でも、今週になって感染数が急増して、またお休みになるかもしれないと不安を感じているのだが)
 私の担当は1年生。子どもたちは自分の席について、いっせいに私に注目してくれている。どきどきした。(昨日の記録です)

プログラム
 絵本 はぐ 佐々木マキ作 福音館書店
 おはなし きしむドア 『フランさんの語り3』より

 

 

 ここ何回から読み聞かせで、一番前の最も左と右の子が絵本の絵が見えにくいのが分かった。読み聞かせの時は、絵本を動かさないのが基本。でも、絵がちゃんと見えなきゃ絵本じゃない。参加型の絵本なら大丈夫と、今回は読んで、絵本を動かしてみんなに見せるようにした。そのせいか、1年生なのか、とても反応がよくて、絵を楽しんでくれた。(なんで、今までそんな簡単なことに気がつかなかったのだろうか)

「きしむドア」も、ものすごく楽しんでくれた。次々に動物が増えていくのに喜び(すごい大きいベッドという子あり)、「キー」というドアの音を待って喜び、大笑いしながら聞いてくれた。私も嬉しくて、もうノリノリで語った。

 終わってから教室を出ようとすると、「おもしろかった!!」「また、きてね~」と口々に言ってくれる。1年生ってほんとにかわいい。また行きたいよ!

2022年7月 8日 (金)

H小学校の朝の読み聞かせ 3年1組 ひとりひとりがつくるおはなしの世界

H小学校の朝の読み聞かせは2年ぶり。そして、今年度は2回で、そのうち私の担当は今日のみ、という貴重な日となった。

3年1組。プログラムは、I南の4年生と同じおはなし「エパミナンダス」にした。初めてきくのにいいおはなしだと思うからだ。

プログラム

 絵本 ぱんつさん たなかひかる作 ポプラ社
 おはなし エパミナンダス 『エパミナンダス』より東京子ども図書館

      


『ぱんつさん』は、シュールな絵本で、子どもたちはずっと神妙な顔で見ていた。ラストのページで、「ええっ、最後そうなったの?」という子がいて、ついてきてくれているかなと、少し安堵する。「エパミナンダス」も神妙な顔で聞いていたが、子犬が出てくるあたりから、おもしろいっという顔で聞いていた。ラストのお母さんがうわーっと言うセリフも楽しんでいる感じがして、ああよかったと思う。

コロナ前のように、子ども同士くっついて聞くときのような、盛り上がり方はできない。でも、それぞれが頭の中で、おはなしの世界を創造して楽しんでくれたらなと思う。

 

 

 

2022年6月23日 (木)

I南小学校 朝の読み聞かせ 4年3組 

 I南小学校は読み聞かせに力をいれている小学校。前年度、前々年度と思うようにお話会ができなかったのを埋め合わせるかのように、全学年での朝の読み聞かせが、6月は2回。私は、前回と同じ学年の違うクラスを、同じプログラムで参加した。

プログラム
 絵本 わにさんどきっ はいしゃさんどきっ 五味太郎作 偕成社
 おはなし エパミナンダス 『エパミナンダス』より東京子ども図書館

  

『わにさんどきっ はいしゃさんどきっ』は、前回同様、あまり反応がなく。4年生には幼稚すぎるのだろうか。「エバミンダス」では、子犬あたりからくすくす笑い始めて楽しんでくれている様子。でも、前回の2組の方が、笑いが大きくひろがったかなあ。クラスによるカラーがあるのだと実感した。 

2022年6月 9日 (木)

I南小学校 朝の読み聞かせ 4年2組 語りなれたお話から

 昨年度一回だけ朝の読み聞かせに参加させていただいたI南小学校。今年度は5月までお休みだったのだが、6月、なんと、2回も全学年で行うことになった。今日はその1回目。

プログラム
 絵本 わにさんどきっ はいしゃさんどきっ 五味太郎作 偕成社
 おはなし エパミナンダス 『エパミナンダス』より東京子ども図書館

 

  

 子ども達も久しぶりだからだろうか、とても緊張しているように思う。『わにさんどきっ はいしゃさんどきっ』は、真剣に見ているけれど、あまり反応がなかった。こりゃ心配と「エパミナンダス」へ。はじめは真面目な顔で聞いていたが、バターがでてくるところから、あれぇなんか可笑しいぞ!という顔になって、子犬、パンと、笑いが広がっていった。ほっとした。

 学校でストーリテリングは2年半ぶり。今は、マスクをしなきゃならないし、子ども達も自分の席に離れてすわっている。家でマスクをして練習していったけれど、教室だと家より大きな声をださないと聞こえないか心配だ。かなり緊張した。でも、大丈夫、ちゃんと 伝わった。

 今後もしばらくはリハビリのつもりで、語りなれたお話を語っていくつもり。
子ども達との時間を持てたことを喜ぼう!

2022年5月28日 (土)

I市立図書館おはなし会 そんなこんなで、まあまあ、いろいろ

気持ちのよい天気。図書館に人が少なく、お話に呼び込みたいものの、子どもたちの姿がない。開始間際に、1歳と2歳の女の子をつれた家族が来てくれて、ようやく始めた。途中から2家族加わって(2~4歳の子が3人)、さらに若い男性がひとり見学してくれた。

プログラム
 わらべうた おてぶしてぶし *
 絵本 おひさまがおちないように チュ・チョンリャン絵 クオ・ツェンユアン文 青山大樹・廣部尚子訳 ‎ライチブックス
 絵本 これはのみのぴこ 谷川俊太郎文 和田誠絵 サンリード
 わらべうた いもにめがでて *
 絵本 とべバッタ 田島征三作 偕成社
 絵本 デリバリーぶた 加藤休み作 偕成社
 紙芝居 ねこのでしになったとら 津田真一脚本 和歌山静子絵 童心社 *
 わらべうた さよならあんころもち

  

 

 

 

 

 はじめは2歳の子を中心に。ご両親がとても協力してくださって、「おてぶしてぶし」の真似をいっしょにしてくれたので助かった。

 今日のプログラムはどれも、対象年齢がもう少し上。それでも、子どもたちはずっと静かに聞いてくれた。『のみのぴこ』は読み手がリズムを大切にして、おしまいの方ではページを捲るごとに「まだあるよ」と言って、子どもたちの気を引いた。親たちも楽しんでいる。『とべバッタ』では、若い男性が「おおっ」と、身を乗り出してくれた。『デリバリーぶた』では、美味しそうな食べ物がでてくるので、「食べたい」と3歳くらいの子がつぶやいた。
 そんなこんなで、まあまあ楽しんでいただけただろうか。

 そうそう、途中でムカデも見にきてくれた。慌てて図書館員さんにきてもらったが、通風口に消えていった。こちらは、まあまあ、何もなくてなりより。

 今日みたいなことがあるから、プログラムに赤ちゃん絵本(でも大きな子も楽しめる)を入れておく必要があるかなと思う。

 

2022年5月21日 (土)

I市立図書館 ストーリーテリングによるおはなし会 ぴたっと止まる瞬間

奇数月に行っているおはなし会。3月は蔓延防止のためお休みだったので、久しぶり。3家族が来てくださった。

プログラム
 天までのびた竹 沖縄の昔話(『沖縄むかしあったとさ』より)
 びんぼうこびと ウクライナの昔話(『おはなしのろうそく26』より)
 ひなどりとネコ ミャンマーの昔話(『子どもに聞かせる世界の民話』より)*

「天までのびた竹」は、腰折れ雀によく似たお話で、おじいさんが、助けた千鳥の持ってきたタネをまくと、竹が生えて、天まで伸び、天の金蔵をやぶって金貨が落ちてくるという、壮大なお話。3-6歳の小さな子たちだったが、語り手が伸びやかに語り、静かに聞いてくれた。
 ところが、小さな子たちはさすがにお話1つで疲れてしまい、さらに2話目の「びんぼうこびと」がこの子たちには難しすぎた。もぞもぞ、くねくね体を動かしはじめ、ついには声を上げて立ち上がる子も。そのなか、語り手はよくぞ自分を見失わずに語りきったと思う。
 2話が終わって、2家族が出て行ってしまった。ただ一家、6歳と4歳、お母さんの一家族残ってくれて、私の「ひなどりとネコ」になった。まず「木が伸びる」の手遊びで、ちょっと休憩して語り始めた。でも、子どもたちはやっぱり、もうお話はうんざりといった感じだ。「ハハハ、こりゃ最後まで持つかな?」と思いながら語った。ところが、ひなどりとお母さんが、猫から逃れようと走って行くところで、急に上の子の男の子の動きがぴたっと止まって、私をじっと見て聞いてくれるようになった。それからは、下の子もおとなしくなって、最後までしっかり聞いてくれた。私も、とても集中して語れた。ああ、満足! 本当にありがとうございました。

おはなし会のあとで、今日のプログラムは、ストーリーを聞く話ばかりだったから、もっと遊べるお話や、小さな子でも楽しめるお話を入れた方がよかったと、みんなで話し合った。
そう! お話が楽しい、お話が聞けて満ちたりた。聞きにきてくださった方には、そんな気持ちになって、帰っていってほしい。

2022年4月 9日 (土)

I市立図書館おはなし会 新しい始まり!!

新年度になって初めての図書館でのおはなし会。今年度は中止がありませんように!!

プログラム
 手遊び 二羽の小鳥 *
 大型絵本 サンドイッチサンドイッチ 小西英子作 福音館書店
 絵本 あさえとちいさいいもうと 筒井頼子文 林明子絵 福音館書店 *
 手遊び 春ですよ
 絵本 くらべっこしましょ 石津ちひろ文 松田奈那子絵 白泉社
 紙芝居 はなさかじいさん 与田凖一脚本 岡野和画 童心社
 手遊び さよならあんころもち

 春のピクニック日和で、誰も来ないんじゃないかと心配していたが、3組の親子が来てくれた。年長さん2人、2歳さん2人。

 導入でつかった手遊びは、コロナ感染が始まる前に準備していたもので、ようやく子どもたちの前ですることができた。だいぶ、緊張してしまって、声が震えちゃって、自分でもびっくりだ。

   

『サンドイッチサンドイッチ』は、家に小さい本を持っているという子がいて、たのしそうに見てくれた。パンに、野菜や卵、たくさんのせて、飛び出している!!などといっている。

    

 次の『あさえとちいさいいもうと』も、時代を感じさせる本ではあるが、しっかり聞いてくれた。「あさえ」という名前は、今あまりないので読む前に「この子はあさえちゃん、この子は妹のあやちゃんだよ」とひとこと添えた。

   

『くらべっこしましょ』は、相対的な長さ、大きさ、高さを表す絵本。だんご虫に比べて長い青虫は、ヘビと比べたら短い、そんなことを感じるのに、5歳さんはちょうどいいのではないだろうか?高さ比べでは、1人の子が立ち上がって、自分の背を高くして見せていた。

 紙芝居『はなさかじいさん』も、じっくり見て聞いてくれたように思う。おもしろいのは「花さかじじい」という言葉出たとき、「じじい?」と言葉を面白がったこと。いま、あまりそういう言葉は使わないのかな。

 それにしても、この2年間、おはなし会があまりできなかったので、こうしてできる日は、とても幸せで、新鮮な気持ちになる。また、新たな出発だねとメンバーと話した。

2022年1月 8日 (土)

I市立図書館おはなし会 すてきなおはなし会初め

 年明けいちばんのおはなし会をI市立図書館で。3連休初日の気持ちのいい晴天。こんな日は図書館に来る子は少ないだろうなと思ったが、意外や意外、5、6家族が集まって、賑やかなおはなし会になった。

 

プログラム
 手遊び もちつき *
 わらべうた ひとつひばしで *
 絵本 おしょうがつのかみさま おくはらゆめ作 大日本図書 *
 絵本 ゆきのよるに (いもとようこの日本むかしばなし) いもとようこ文・絵 金の星社
 絵本 うんちっち (うさぎの子シモン1) ステファニー・ブレイク作 ふしみみさを訳 あすなろ書房 
 絵本 11ぴきのねことあほうどり 馬場のぼる作 こぐま社
 紙芝居 ししまいが やってきた! (年少向けおひさまこんにちは) よこみちけいこ脚本 ひろかわさえこ絵 童心社
 わらべうた さよならあんころもち

 

    

 

 わたしは、導入でおもちをつくり、「ひとつひばしでやいたもち」と童歌を歌いながら、鏡持ちを飾った。
 それから、『おしょうがつのかみさま』へ。大晦日から元旦までのできごとを、おくはらゆめさんののんびりした絵と文章でみせてくれる絵本。こどもたちは、どのページもとてもよく見ていた。やはり、つい1週間前に経験した出来事だから、記憶に新しいのだろう。
 読み手がかわって『ゆきのよるに (いもとようこの日本むかしばなし)』。3、4歳の小さな子たちには、理解できなかったかもしれないが、静かに聞いていた。
うんちっち (うさぎの子シモン1)』は、やはり人気だ。「うんちっち」のところで一緒に言って笑っている。でも、8歳の子はその言葉だけでなく、ストーリー面白さをちゃんと理解していて、先を読んで楽しんでいた。
11ぴきのねことあほうどり』、親子で楽しめたようだ。アホウドリが3までしか数えられないので3羽と3羽と3羽と2羽で11羽というのを、指を折って数えて、考えている子もいてかわいらしかった。
 最後は『紙芝居 ししまいが やってきた! (年少向けおひさまこんにちは)』。ここでもお正月のものがたくさんでてきて、子どもたちは興味深げに見ている。ししまいは、もしかしたら初めて見るかも。頭をかじられると、1年元気で過ごせるなど興味深げに聞き、紙芝居の中で踊る獅子にあわせて、体を揺らしていた。

 コロナの不穏なニュースが伝わってきてはいるけれど、おはなし会は楽しい年明け。どうぞ、良い年となりますように。

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2021年12月 9日 (木)

I南小学校 朝の読み聞かせ 1年3組 やっと……

やっと、小学校でのおはなし会に参加できた!!
といっても、残念ながら、私の地区の小学校ではなく(こちらは、今年度は中止と決まってしまった)、ちょっと離れた地区。でも、元気な子どもたちに会えるのは嬉しい。

1年3組を担当させてもらった。

プログラム
 わらべうた もちつき
 絵本 かぜビューン (PETIT POOKA) 3~6歳児向け 絵本 tuperatupera作 学研プラス
 大型絵本 ぐりとぐらのおきゃくさま (ぐりとぐらの絵本) 中川李枝子作 山脇百合子絵 福音館書店

 

 子ども達は、着席してのおはなし会になるので、大型絵本にした。語りをしたいところだが、聞くのが初めての1年生の子ども達に、マスクでの語りは自信なく、ちょっとでも楽しんでもらえたらと思ったのだ。

ぐりとぐらのおきゃくさま (ぐりとぐらの絵本) 』は、とても楽しんでくれた。しかけページを捲る前から、どうなるか予想している。『』は、先生が絵本を支えてくれたのだが、これが、ちょっと……。つまり、ページを180度開いてしまわれるので、文章が見にくいのだ。ついつい、前のめりになって読むことになる。そうすると、私の方側の子が絵が見えない。途中でそれに気づいて、一生懸命、前に出ないようにしたが、よめないとやっぱりという具合。おはなしの途中で、位置を変えたりするといけないと思って最後まで読んだが、途中でも、先生にお願いして、少し開き具合を緩めてもらった方が良かっただろうか? 次からは、子どもたちに見えるか確認してから読もうと思う。
 なにはともあれ、ああ、小学校でのおはなし、楽しいわー!!

I市立図書館おはなし会11月27日(土)おはなし会の楽しみ方もいろいろ

11月27日(土)のおはなし会。

こちらは、絵本の読み聞かせ。
行楽日和のせいか、はじめ、子どもがだれもいなくて、おやおや、と思ったが、図書館員さんが3組読んできてくれた。

プログラム
 詩の朗読 くうきとあくしゅ/うんこのゆげ(『レモン (絵本 かがやけ・詩 かんじることば)』より)
      あーよかった(『木いちごつみ (日本傑作絵本シリーズ)』より)
 絵本 どうぞのいす (【2歳 3歳 4歳児の絵本】) 香山美子作 柿本幸造絵 ひさかたチャイルド
 絵本 かぜビューン (PETIT POOKA) 3~6歳児向け 絵本 tuperatupera作 学研プラス *
 絵本 かめくんのさんぽ (こどものとも絵本) なかのひろたか作 福音館書店
 絵本 おもいおいも 木坂涼作 どうなつみ絵 教育画劇 *
 パネルシアター ばけくらべ
 わらべうた さよならあんころもち

     

 子どもが5人と大人が4人。2歳~5歳ぐらいまで。絵本が続いたので、ちょっと疲れたかもしれない。ラストのわらべうたで、はじめて笑顔がはじけた。小さな子のおはなし会では、プログラムに手遊びなんかが必要だ!!
 楽しかったのは、いちばん小さな女の子が、読み手の隣に同じようにすわって、読み聞かせのまねを始めたこと。『かぜビューン (PETIT POOKA) 3~6歳児向け 絵本 』は、めくる仕掛けがあるので、普通の絵本と違うと気づき、近くまで見に来た。『かめくんのさんぽ (こどものとも絵本) 』の時には、ぞうくんのマネをして、丸くなったりする。まだ小さな子で、絵本の中身まであまり理解できないかもしれないけれど、それなりに(いや、いちばん)楽しんでいたんじゃないかと思う。おはなし会でこうして本に親しんでもらうのも、いいよね。

I市立図書館 ストーリーテリングによるおはなし会 11月20日(土) 聞き手によって語り方を変える

11月、I市立図書館で、おはなし会が2回あったのだが、他用と重なってしまい、記録できなかったので、これから記録だけ。

ひとつ目は、11月20日(土)ストーリーテリングによるおはなし会だ。

プログラム
 世界でいちばんきれいな声 ラ・フルール作(『ヴァイノと白鳥ひめ (愛蔵版おはなしのろうそく (6))』より)*
 まのいいりょうし 日本の昔話(『おはなしのろうそく 21』より)
 ひなどりとネコ ミャンマーの昔話(『子どもに聞かせる世界の民話』より)

 

 

 図書館にちょうどいい年頃の子どもがいない。それでも2人の姉妹(小2と小5)がきてくれた。会員がいつもいっている学校の子なので、ストーリーテリングはなれていて、質借り聞いてくれた。

 私は一番目の「世界でいちばんきれいな声」を語った。小学生には幼稚すぎたかも。それでもしっかり聞いてくれて助かった。「まのいいりょうし」や「ひなどりとネコ」は、ちょうどいいくらいのおはなし。「ひなどりとネコ」の語り手は、小学生の子が聞き手だから、ひなどりは小学生と思って語ったと、後から話してくれた。なるほど、すごいっ!! 相手を見て、語り方を変えるのは、大切だ。私の「世界でいちばんきれいな声」も、小さな子に語るときのように、小ガモに共感する語りではなく、ちょっとひいた第三者的な視点、小ガモって一生懸命でかわいいよね。みたいな語りにもできたかもしれないと思う。臨機応変できるように、語りこみたい。

2021年11月 4日 (木)

G東こども未来園 年少さん 小さな子の見方

 先月お邪魔したG東こども未来園に、今度は読み聞かせで!

 その前に、私はなぜかなぜか、家を出る時間を15分間違えて、遅刻してしまった!! 家を出る瞬間に間違えていることに気づいて、仲間に電話したので、先に初めていてくれて、私の読むときには間に合って、なんとかなったけれど、子ども達にも先生にも仲間にも、迷惑をかけて本当に申し訳ない限り。なんてこと!! 久しぶりの園での読み聞かせで、あんなに張り切っていたのに、もう悔しいやら、情けないやら。もう、こんなことはしない。と固く心に誓っている。

 でも、私の個人的な思いには関係なく、お話会はとてもよいものになった。(それが、なによりもの救いだね)

プログラム

 手遊び キツネのひみつ
 絵本 ぼくのおべんとう スギヤマカナヨ作 アリス館
 絵本 どんどんばし わたれ (わらべうたえほん) こばやしえみこ案 ましませつこ絵 こぐま社
 手遊び やきいもグーチーパー
 紙芝居 ニャーオン (すくすくシリーズ) 都丸つや子脚本 渡辺享子絵 童心社
 絵本 まるまるまるのほんエルヴェ・テュレ作 谷川俊太郎訳 ポプラ社

   

私は『ぼくのおべんとう』の途中からお部屋に入った。子どもたちは、お休みもあって6人。みんな、お弁当のことを思い思いに話していて、ものすごく盛り上がっている。その間、わたしは、とにかく気持ちをおちつけることに専念。
どんどんばし わたれ (わらべうたえほん)』を読む。わらべうたを歌いながら読みだすと、さっきの盛り上がりから一転、静かになって聞いてくれた。ほっとする。
「やきいもグーチーパー」では、3歳児さん達は、ちゃんとじゃんけんができた。すごいなあと思う。
 そのあと『ニャーオン (すくすくシリーズ)』へ。「ねこがかわいい!」と話してくれて、月がでると、自分たちが見た月の話をしてくれる。しっかり見てくれた。そして。ラスト、水に映った月をニャーオンがつかまえて、月がバラバラにこわれたのだが、そのあと、空に出てくると「どうして、こわれたのにあるの?」という声が。驚いた!! そうか、小さな子どもたちは、そんな風に、ニャーオンと同じように見るんだ。子どもならではの見方がとても新鮮だった。
 ラストの『まるまるまるのほん』では、「まる」が転がると、子どもたちもいっしょになって、転がったり、ページを捲ると、うわっと喜んだり、とても楽しんでいた。

 終わってから、「ああ、楽しかった!!」と言葉を残してくれた。本当にありがとう。救われたよ。

 

2021年10月14日 (木)

G東こども未来園 年長さん ストーリーテリングによるおはなし会 語れるって嬉しい!

 子どもの前でストーリーテリングをするのは、いつ以来だろうか? 記録を見ると、2020年の2月14日が最後。ということは、1年8ヶ月ぶりということになる。最後に語った時は、同じような日々が続くと思っていたし、おはなし会が重なって、ちょっとおざなりに語っていたようなところもあった。
 そして、今日。本当に久々。マスクをして声が届くか、緊張しすぎやしないか、と心配しながらも、やっぱり嬉しくて、お話をちゃんと届けるんだと、意気込んででかけた。

プログラム
 おいしいおかゆ グリムの昔話(『エパミナンダス 1』より)
 ひなどりとネコ ミャンマーの昔話(『子どもに聞かせる世界の民話』より)
 手遊び 虫かご *4
 世界でいちばんきれいな声 ラ・フルール作(『ヴァイノと白鳥ひめ (愛蔵版おはなしのろうそく (6))』より) *

 

   

 

 子どもたちは、絵本なしでお話を聞くのは、おそらく初めて。それでも、よく聞いていた。
「おいしいおかゆ」では、おかゆがどんどん増えるところで面白がる声が聞こえる。そのあとの「ひなどりのネコ」も、はじめは、よくわからないような感じだったのだが、くしゃみが繰り返されるところで笑い声が聞こえた。本当にくしゃみをしてしまうところで、何人かがびっくりしている。このあたり、理解できている子と、まだ理解できない子がいたようだ。
 次が私のお話。子どもたちは、お話を2つ聞いて、だいぶ疲れてしまったようで、前の方の子は寝転がってしまったので、「虫かご」の手遊びをした。ここで、きゅっとみんなが集中したのだが、そのあと、「次は外国の人が書いたおはなしだよ」「鴨って知っている?」と言ったのが失敗だった。またこどもたちが、元気になりすぎてしまった。途中で、下の学年の子たちがのぞきに来たりして、子どもたちは、落ち着いて聞いてくれていなかった。
 でも、私自身はよく練習したこともあって、最後まで気を抜かずに語れた。最後のところで、ようやく数人が真剣に目を向けて聞いてくれたことも嬉しい。


 そうそう、子どもたちはこちらが思っているようには動かない。でもどこかでちゃんと聞いている。それを信じて、心を込めて語る。ああ、やっぱり子どもたちに語れるって嬉しい。

2021年7月10日 (土)

I図書館おはなし会 久々そして新しい場所。反省も問題も満載。でもやっぱり楽しい!

 久しぶりの更新。そして、図書館のおはなし会は何と1年半ぶり。初心に戻って、再出発だ。どうぞこのまま、ほそぼそとでもつづけられますように。

 I図書館では、新しく子ども読書空間ができ、今回からそこの読み聞かせスペースで行う事になった。普段は子どもとその親などが、靴を脱いで上がり、座ったり寝そべったりしながら、本を楽しむスペースだ。今までの閉じられた「お話の部屋」とは違って開放的で、親しみやすい場所だ。久々な上に、初めての場所で、私たちもドキドキだった。

プログラム
 大型絵本 ぼくのくれよん (講談社の創作絵本) 長新太作 講談社
 絵本 密林一きれいなひょうの話 工藤直子文 和田誠絵 瑞雲社 *
 絵本 このかみなあに? トイレットペーパーのはなし (福音館の科学シリーズ) 谷内つねお作 福音館書店
 手遊び 一丁目のおばけ *
 紙芝居 紙芝居 おじいさんとおばけ (紙芝居 おはなしがいっぱい) 堀尾青史脚本 瀬名恵子絵 童心社
 わらべうた さよならあんころもち

 来てくれたのは、子ども9人、大人5人。年長さんと年中さんが一人ずつして、その他はみな2歳よりちっちゃな子たちだ。あーーー。これは、プログラムが難しすぎるかもと思った。案の定、よく聞いて見てくれたのは、最初の『ぼくのくれよん (講談社の創作絵本)』だけ。擬音や大きな動物たちを楽しんでいる。
    

 私が読んだ『密林一きれいなひょうの話』は10分ぐらいかかり、その間、他の絵本を見る子あり、遊ぶ子ありで、がやがや落ち着きがない。そのなかで、わたしは懸命に心をこめて読んだのだが、どこまで伝わっただろうか。あああ。そうだった!! 2-3歳を対象にして選書しなければいけなかったんだ! 新しい場所なので、小学生も来るだろう、これをきっかけにお話会の対象年齢をあげたいと思った私がおろかだった、と思い知った。1年半のあいだにすっかり現実から離れてしまったらしい。
     

次の『このかみなあに? トイレットペーパーのはなし (福音館の科学シリーズ)』では、だいぶ聞き手の人数が減って、静かになった。トイレットペーパーに跡がつくページを、年中さんがしっかり見ていた。
 ここで残っていたのは3組の親子。手遊びでは、みんなで一緒にやってくれる。最後にお化けが出てきそうになると、年中さんが後の方へ逃げて行ったのがかわいらしかった。
     

その雰囲気のまま紙芝居『紙芝居 おじいさんとおばけ (紙芝居 おはなしがいっぱい)』へ。2歳さんが紙芝居に触りたくて、前へ出てきたところで、ちょうど一つ目小僧が出てきて、わっと驚いて、お母さんの元へ戻っていく。笑いが広がった。
     

 ラストはいつもの「さよならあんころもち」。小さなお団子をつくるね、小さな子の小さな指がかわいらしいこと。

 なにはともあれ、お話会が無事終わってほっとする。こうした緊張感忘れていた。でも、これが楽しい!!

 前のおはなしの部屋の方が、子どもたちが集中しやすい。でも、この開放的で平坦なスペースでは、親しみやすい感じがするような気もする。プログラムをもっと賑やかにするとか、対話を多くするとか、前とは違うお話会ができるかもしれない。しばらくは試行錯誤が続きそうだ。

2020年12月 9日 (水)

南K小学校 朝の読み聞かせ 1年1組 10か月ぶりの再開!!

 コロナ感染防止で休止していたおはなし会、なんと10か月ぶりの再開です。

 中高学年は、まだ春の休校の影響で、朝の時間は勉強に充てているとのことで、低学年の実の開始です。検温して、手指の消毒をして、マスクをして、子どもたちは読み手の周りに集まらず、自分の席でと、あれこれと規制はありますが、やはり、子どもたちと本を分かち合うのは、何物にも代えがたい幸せです。

 私は、1年1組を担当させてもらいました。

プログラム
 絵本  谷川俊太郎絵 広瀬弦絵 アリス館
 紙芝居 こびとのくつや (ともだちだいすき) たかどのほうこ脚本 松成真理子絵 童心社

    

 できるだけ、遠目が聞くようにと選んだふたつ。でも、前の席の横端の子たちが、「見えない!」という。それは、想定外だった。わたしは黒板ぎりぎりまで後ろに下がったのだけれど、それでも見にくかったようだ。私が回転して見せた方がよかったかも。

 紙芝居からは、先生の指示で少しだけ、間に入るようにして、横を詰めてすわってもらった。それで、横の子たちはOKに。でも、終わってから先生に伺うと、まっすぐ座っているので、後ろの方は前の子の頭で見にくいところもあったらしい。舞台を教壇より、もっと上にのせられるように台が必要なようだ。ストーリーテリングの方が、絵を見せなくてもいいので、よいということもあるかもしれない。

 とまあ、新しい形での課題は山ほど。

 でも、子どもたちは、楽しんでくれた。と思う。
』では、先読みしたりして考えていたし、『こびとのくつや (ともだちだいすき)』では、寝ている間に靴ができるのを驚いたり、「くつやさんは何をつくったでしょう」というと「ふくしかないよ」「はたかだもん」と口々にいったりしていた。もしかしたら、もうお話を知っていたかもしれないけれど、こうしたミュージカルみたいな紙芝居の形で見られるのは面白かったと思う。

 どうか、このまま、少しずつ状況が回復していきますように。子どもたちの笑顔にまた会えますように。次までに、よいお話を、よりよい形で出せるよう用意しておこう。

2020年7月19日 (日)

課題図書を読む『キャパとゲルダ ふたりの戦場カメラマン』

課題図書を読む『キャパとゲルダ ふたりの戦場カメラマン』

 歴史、社会情勢に弱い私は、読むのに苦戦。かなりの時間を要したけれど、それは、おもしろくて、未知の森を手探りで、一歩一歩確かめて歩くように、読んだから。ただ、残念ながら、私の知識と読解力では、読みこめないこと、理解できないことがたくさんあって、うまく紹介できていません。でも、高校生たちなら、きっと満足できる内容。そして、キャパとゲルダがものすごく魅力的。ぜひ、読んでほしいです。

キャパとゲルダ ふたりの戦場カメラマン
 マーク・アロンソン&マリナ・ブドーズ著
 原田勝訳
 あすなろ書房

   

 ハンガリー生まれの若者アンドレ・フリードマンとドイツ生まれの若い女性ゲルダ・ポポリレは、1934年秋にパリで出会う。アンドレは21歳前後、ゲルダより3つ年下でまだかけだしの写真家。ゲルダはアンドレの才能を見抜き、身だしなみから売り出し方まで教えはじめる。アンドレはゲルダに写真を教える。1936年の春、ふたりは写真の売り込みのため、そして、国籍・宗教・身元を隠すために、それぞれ、ロバート・キャパ、ゲルダ・タローと改名する。その年の7月にスペインの内戦がはじまり、ふたりはスペインへ行き、ともに戦場カメラマンとして活動する。

 中身のぎっしり詰まった、読み応えのある一冊だ。大量の研究資料、写真、関係者の証言をもとに、検証に検証を重ねて、キャパとゲルダ(タロー)の足跡と功績をたどっている。本文の後には、まだ明らかになっていない事実への論争、多数の登場人物の略歴、スペイン内戦にかかわった組織の説明、年表が付く。その後で、共著者のふたりは、著作までの経緯をのべ、さらに、人生のパートナーでもある自分たちの共同作業を、キャパとタローに重ねてのべる。そして最後の謝辞や情報源でも、読者ず興味をそそり、考察したくなる内容を詰め込んでいる。

 本文では、欠くことのできない3つの側面が密接に関わりあっている。第二次大戦にとつながったスペイン内戦について、当時、画期的に進歩した写真の歴史と写真が社会に果たした役割について、そして、キャパとタローについて。

 キャパとタローはともにユダヤ人だった。祖国から逃げ、たどり着いたパリで出会う。だが、そのパリも安住の地ではない。不安定で貧しい暮らしだ。でも、若さと野心があった。新しい時代のカメラもあった。
 そのカメラは、それまでの三脚に載せたものと違って、自由に持ち運び、被写体に接近してとることができた。決定的な一瞬をうまくとらえた写真には、人間の真実や物語が映りこむ。掲載されているふたりの写真を見ていると、被写体となった人たちの人生と心情、その背景が浮かび上がってくる。

 ちょうどそのころ、スペインに内線が起こる。ヨーロッパをおびやかしはじめたファシズムに対する民衆の戦いだ。男女差、年齢差、地位の高低差に関係なく、人々が一丸となって立ち上がった。「平等と共同体」(p58)であるそれは、同じ志をもって尊敬しあう、対等な男女関係を築こうとしていたゲルダとタローそのものだった。
 タローの代表作となった写真、片足の膝をついてピストルを構えるスペイン女性の写真は、女性でありながらカメラを持って戦場に飛びこんだ、タローそのものの姿に見える。

 ふたりは写真を通して、スペイン内戦の情勢を世界に伝えて訴えかけ、世界を動かそうとした。その力のある写真を撮るために、戦場で危険を顧みず、ひたすらシャッターを撮り続けただろう。
 特に、タローは、キャパがスペイン以外の世界に目をむけはじめてからも、「これは『わたしの』戦闘だ」(p182)と写真を撮り続けた。
 タローは、掲載されたいくつかの写真を見ると、いつもおしゃれで美しい。だが、キャパが撮影したもので、ひとつだけ、ひときわ異彩を放ち印象的な写真がある。岩陰で銃を構えている兵士の後ろにタローがしゃがみこみ、無邪気に空を見上げている写真だ(P179)。華奢で少女のようなタローの無防備な姿は、戦火のさなかで場違いに思える。だが、張り詰めた状況のなかでタローのいる場所だけ、ほんわかと緩んだ空気が漂う。情熱と勇気にあふれるタローの姿は、兵士たちにとって、不安や恐怖をいやし、士気を高める、軍旗のような役割を果たしていたという。そのことをタローは十二分に認識し、より強い使命感に燃えていただろう。

 そのあたりから、キャパとタローの方向が少しずれたように思う。キャパはスペインへの興味を失っていき、中国への渡航を考えていた。もっと広い視野で世界を捉え、今の世界情勢を人々に伝えたようとしたのだろう。
 また、結婚を考えたキャパに対して、タローはキャパを「コパン」(フランス語で、仲間、友人、同僚などの意)(p26)と呼んだ。このことにもふたりの微妙な違いを感じる。

 それにしても、ふたりが強い絆で結ばれ、すばらしい共同作業者であったことに違いはない。
 タローの死後も、キャパは本の冒頭で紹介されているノルマンディー上陸作戦の写真をはじめ、多数の優れた戦争報道の写真を撮り続けた。スペイン内線にも戻っている。
「キャパの一部はゲルダとともに死んだのです」(p200)と、いう友人もいたが、タローの伝記の作者は、「彼女はまるでキャパの一部になったようだ」(p230)と表現している。
 私は、「世界でもっとももすぐれた報道写真家のひとり」と称されるキャパは、タローを愛し、タローとともに生きることで、大きく成長したのだと思う。


*第66回青少年読書感想文全国コンクール 高等学校の部 課題図書。
 

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