2022年5月21日 (土)

I市立図書館 ストーリーテリングによるおはなし会 ぴたっと止まる瞬間

奇数月に行っているおはなし会。3月は蔓延防止のためお休みだったので、久しぶり。3家族が来てくださった。

プログラム
 天までのびた竹 沖縄の昔話(『沖縄むかしあったとさ』より)
 びんぼうこびと ウクライナの昔話(『おはなしのろうそく26』より)
 ひなどりとネコ ミャンマーの昔話(『子どもに聞かせる世界の民話』より)*

「天までのびた竹」は、腰折れ雀によく似たお話で、おじいさんが、助けた千鳥の持ってきたタネをまくと、竹が生えて、天まで伸び、天の金蔵をやぶって金貨が落ちてくるという、壮大なお話。3-6歳の小さな子たちだったが、語り手が伸びやかに語り、静かに聞いてくれた。
 ところが、小さな子たちはさすがにお話1つで疲れてしまい、さらに2話目の「びんぼうこびと」がこの子たちには難しすぎた。もぞもぞ、くねくね体を動かしはじめ、ついには声を上げて立ち上がる子も。そのなか、語り手はよくぞ自分を見失わずに語りきったと思う。
 2話が終わって、2家族が出て行ってしまった。ただ一家、6歳と4歳、お母さんの一家族残ってくれて、私の「ひなどりとネコ」になった。まず「木が伸びる」の手遊びで、ちょっと休憩して語り始めた。でも、子どもたちはやっぱり、もうお話はうんざりといった感じだ。「ハハハ、こりゃ最後まで持つかな?」と思いながら語った。ところが、ひなどりとお母さんが、猫から逃れようと走って行くところで、急に上の子の男の子の動きがぴたっと止まって、私をじっと見て聞いてくれるようになった。それからは、下の子もおとなしくなって、最後までしっかり聞いてくれた。私も、とても集中して語れた。ああ、満足! 本当にありがとうございました。

おはなし会のあとで、今日のプログラムは、ストーリーを聞く話ばかりだったから、もっと遊べるお話や、小さな子でも楽しめるお話を入れた方がよかったと、みんなで話し合った。
そう! お話が楽しい、お話が聞けて満ちたりた。聞きにきてくださった方には、そんな気持ちになって、帰っていってほしい。

2022年4月 9日 (土)

I市立図書館おはなし会 新しい始まり!!

新年度になって初めての図書館でのおはなし会。今年度は中止がありませんように!!

プログラム
 手遊び 二羽の小鳥 *
 大型絵本 サンドイッチサンドイッチ 小西英子作 福音館書店
 絵本 あさえとちいさいいもうと 筒井頼子文 林明子絵 福音館書店 *
 手遊び 春ですよ
 絵本 くらべっこしましょ 石津ちひろ文 松田奈那子絵 白泉社
 紙芝居 はなさかじいさん 与田凖一脚本 岡野和画 童心社
 手遊び さよならあんころもち

 春のピクニック日和で、誰も来ないんじゃないかと心配していたが、3組の親子が来てくれた。年長さん2人、2歳さん2人。

 導入でつかった手遊びは、コロナ感染が始まる前に準備していたもので、ようやく子どもたちの前ですることができた。だいぶ、緊張してしまって、声が震えちゃって、自分でもびっくりだ。

   

『サンドイッチサンドイッチ』は、家に小さい本を持っているという子がいて、たのしそうに見てくれた。パンに、野菜や卵、たくさんのせて、飛び出している!!などといっている。

    

 次の『あさえとちいさいいもうと』も、時代を感じさせる本ではあるが、しっかり聞いてくれた。「あさえ」という名前は、今あまりないので読む前に「この子はあさえちゃん、この子は妹のあやちゃんだよ」とひとこと添えた。

   

『くらべっこしましょ』は、相対的な長さ、大きさ、高さを表す絵本。だんご虫に比べて長い青虫は、ヘビと比べたら短い、そんなことを感じるのに、5歳さんはちょうどいいのではないだろうか?高さ比べでは、1人の子が立ち上がって、自分の背を高くして見せていた。

 紙芝居『はなさかじいさん』も、じっくり見て聞いてくれたように思う。おもしろいのは「花さかじじい」という言葉出たとき、「じじい?」と言葉を面白がったこと。いま、あまりそういう言葉は使わないのかな。

 それにしても、この2年間、おはなし会があまりできなかったので、こうしてできる日は、とても幸せで、新鮮な気持ちになる。また、新たな出発だねとメンバーと話した。

2022年1月 8日 (土)

I市立図書館おはなし会 すてきなおはなし会初め

 年明けいちばんのおはなし会をI市立図書館で。3連休初日の気持ちのいい晴天。こんな日は図書館に来る子は少ないだろうなと思ったが、意外や意外、5、6家族が集まって、賑やかなおはなし会になった。

 

プログラム
 手遊び もちつき *
 わらべうた ひとつひばしで *
 絵本 おしょうがつのかみさま おくはらゆめ作 大日本図書 *
 絵本 ゆきのよるに (いもとようこの日本むかしばなし) いもとようこ文・絵 金の星社
 絵本 うんちっち (うさぎの子シモン1) ステファニー・ブレイク作 ふしみみさを訳 あすなろ書房 
 絵本 11ぴきのねことあほうどり 馬場のぼる作 こぐま社
 紙芝居 ししまいが やってきた! (年少向けおひさまこんにちは) よこみちけいこ脚本 ひろかわさえこ絵 童心社
 わらべうた さよならあんころもち

 

    

 

 わたしは、導入でおもちをつくり、「ひとつひばしでやいたもち」と童歌を歌いながら、鏡持ちを飾った。
 それから、『おしょうがつのかみさま』へ。大晦日から元旦までのできごとを、おくはらゆめさんののんびりした絵と文章でみせてくれる絵本。こどもたちは、どのページもとてもよく見ていた。やはり、つい1週間前に経験した出来事だから、記憶に新しいのだろう。
 読み手がかわって『ゆきのよるに (いもとようこの日本むかしばなし)』。3、4歳の小さな子たちには、理解できなかったかもしれないが、静かに聞いていた。
うんちっち (うさぎの子シモン1)』は、やはり人気だ。「うんちっち」のところで一緒に言って笑っている。でも、8歳の子はその言葉だけでなく、ストーリー面白さをちゃんと理解していて、先を読んで楽しんでいた。
11ぴきのねことあほうどり』、親子で楽しめたようだ。アホウドリが3までしか数えられないので3羽と3羽と3羽と2羽で11羽というのを、指を折って数えて、考えている子もいてかわいらしかった。
 最後は『紙芝居 ししまいが やってきた! (年少向けおひさまこんにちは)』。ここでもお正月のものがたくさんでてきて、子どもたちは興味深げに見ている。ししまいは、もしかしたら初めて見るかも。頭をかじられると、1年元気で過ごせるなど興味深げに聞き、紙芝居の中で踊る獅子にあわせて、体を揺らしていた。

 コロナの不穏なニュースが伝わってきてはいるけれど、おはなし会は楽しい年明け。どうぞ、良い年となりますように。

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2021年12月 9日 (木)

I南小学校 朝の読み聞かせ 1年3組 やっと……

やっと、小学校でのおはなし会に参加できた!!
といっても、残念ながら、私の地区の小学校ではなく(こちらは、今年度は中止と決まってしまった)、ちょっと離れた地区。でも、元気な子どもたちに会えるのは嬉しい。

1年3組を担当させてもらった。

プログラム
 わらべうた もちつき
 絵本 かぜビューン (PETIT POOKA) 3~6歳児向け 絵本 tuperatupera作 学研プラス
 大型絵本 ぐりとぐらのおきゃくさま (ぐりとぐらの絵本) 中川李枝子作 山脇百合子絵 福音館書店

 

 子ども達は、着席してのおはなし会になるので、大型絵本にした。語りをしたいところだが、聞くのが初めての1年生の子ども達に、マスクでの語りは自信なく、ちょっとでも楽しんでもらえたらと思ったのだ。

『』は、とても楽しんでくれた。しかけページを捲る前から、どうなるか予想している。『』は、先生が絵本を支えてくれたのだが、これが、ちょっと……。つまり、ページを180度開いてしまわれるので、文章が見にくいのだ。ついつい、前のめりになって読むことになる。そうすると、私の方側の子が絵が見えない。途中でそれに気づいて、一生懸命、前に出ないようにしたが、よめないとやっぱりという具合。おはなしの途中で、位置を変えたりするといけないと思って最後まで読んだが、途中でも、先生にお願いして、少し開き具合を緩めてもらった方が良かっただろうか? 次からは、子どもたちに見えるか確認してから読もうと思う。
 なにはともあれ、ああ、小学校でのおはなし、楽しいわー!!

I市立図書館おはなし会11月27日(土)おはなし会の楽しみ方もいろいろ

11月27日(土)のおはなし会。

こちらは、絵本の読み聞かせ。
行楽日和のせいか、はじめ、子どもがだれもいなくて、おやおや、と思ったが、図書館員さんが3組読んできてくれた。

プログラム
 詩の朗読 くうきとあくしゅ/うんこのゆげ(『レモン (絵本 かがやけ・詩 かんじることば)』より)
      あーよかった(『木いちごつみ (日本傑作絵本シリーズ)』より)
 絵本 どうぞのいす (【2歳 3歳 4歳児の絵本】) 香山美子作 柿本幸造絵 ひさかたチャイルド
 絵本 かぜビューン (PETIT POOKA) 3~6歳児向け 絵本 tuperatupera作 学研プラス *
 絵本 かめくんのさんぽ (こどものとも絵本) なかのひろたか作 福音館書店
 絵本 おもいおいも 木坂涼作 どうなつみ絵 教育画劇 *
 パネルシアター ばけくらべ
 わらべうた さよならあんころもち

     

 子どもが5人と大人が4人。2歳~5歳ぐらいまで。絵本が続いたので、ちょっと疲れたかもしれない。ラストのわらべうたで、はじめて笑顔がはじけた。小さな子のおはなし会では、プログラムに手遊びなんかが必要だ!!
 楽しかったのは、いちばん小さな女の子が、読み手の隣に同じようにすわって、読み聞かせのまねを始めたこと。『かぜビューン (PETIT POOKA) 3~6歳児向け 絵本 』は、めくる仕掛けがあるので、普通の絵本と違うと気づき、近くまで見に来た。『かめくんのさんぽ (こどものとも絵本) 』の時には、ぞうくんのマネをして、丸くなったりする。まだ小さな子で、絵本の中身まであまり理解できないかもしれないけれど、それなりに(いや、いちばん)楽しんでいたんじゃないかと思う。おはなし会でこうして本に親しんでもらうのも、いいよね。

I市立図書館 ストーリーテリングによるおはなし会 11月20日(土) 聞き手によって語り方を変える

11月、I市立図書館で、おはなし会が2回あったのだが、他用と重なってしまい、記録できなかったので、これから記録だけ。

ひとつ目は、11月20日(土)ストーリーテリングによるおはなし会だ。

プログラム
 世界でいちばんきれいな声 ラ・フルール作(『ヴァイノと白鳥ひめ (愛蔵版おはなしのろうそく (6))』より)*
 まのいいりょうし 日本の昔話(『おはなしのろうそく 21』より)
 ひなどりとネコ ミャンマーの昔話(『子どもに聞かせる世界の民話』より)

 

 

 図書館にちょうどいい年頃の子どもがいない。それでも2人の姉妹(小2と小5)がきてくれた。会員がいつもいっている学校の子なので、ストーリーテリングはなれていて、質借り聞いてくれた。

 私は一番目の「世界でいちばんきれいな声」を語った。小学生には幼稚すぎたかも。それでもしっかり聞いてくれて助かった。「まのいいりょうし」や「ひなどりとネコ」は、ちょうどいいくらいのおはなし。「ひなどりとネコ」の語り手は、小学生の子が聞き手だから、ひなどりは小学生と思って語ったと、後から話してくれた。なるほど、すごいっ!! 相手を見て、語り方を変えるのは、大切だ。私の「世界でいちばんきれいな声」も、小さな子に語るときのように、小ガモに共感する語りではなく、ちょっとひいた第三者的な視点、小ガモって一生懸命でかわいいよね。みたいな語りにもできたかもしれないと思う。臨機応変できるように、語りこみたい。

2021年11月 4日 (木)

G東こども未来園 年少さん 小さな子の見方

 先月お邪魔したG東こども未来園に、今度は読み聞かせで!

 その前に、私はなぜかなぜか、家を出る時間を15分間違えて、遅刻してしまった!! 家を出る瞬間に間違えていることに気づいて、仲間に電話したので、先に初めていてくれて、私の読むときには間に合って、なんとかなったけれど、子ども達にも先生にも仲間にも、迷惑をかけて本当に申し訳ない限り。なんてこと!! 久しぶりの園での読み聞かせで、あんなに張り切っていたのに、もう悔しいやら、情けないやら。もう、こんなことはしない。と固く心に誓っている。

 でも、私の個人的な思いには関係なく、お話会はとてもよいものになった。(それが、なによりもの救いだね)

プログラム

 手遊び キツネのひみつ
 絵本 ぼくのおべんとう スギヤマカナヨ作 アリス館
 絵本 どんどんばし わたれ (わらべうたえほん) こばやしえみこ案 ましませつこ絵 こぐま社
 手遊び やきいもグーチーパー
 紙芝居 ニャーオン (すくすくシリーズ) 都丸つや子脚本 渡辺享子絵 童心社
 絵本 まるまるまるのほんエルヴェ・テュレ作 谷川俊太郎訳 ポプラ社

   

私は『ぼくのおべんとう』の途中からお部屋に入った。子どもたちは、お休みもあって6人。みんな、お弁当のことを思い思いに話していて、ものすごく盛り上がっている。その間、わたしは、とにかく気持ちをおちつけることに専念。
どんどんばし わたれ (わらべうたえほん)』を読む。わらべうたを歌いながら読みだすと、さっきの盛り上がりから一転、静かになって聞いてくれた。ほっとする。
「やきいもグーチーパー」では、3歳児さん達は、ちゃんとじゃんけんができた。すごいなあと思う。
 そのあと『ニャーオン (すくすくシリーズ)』へ。「ねこがかわいい!」と話してくれて、月がでると、自分たちが見た月の話をしてくれる。しっかり見てくれた。そして。ラスト、水に映った月をニャーオンがつかまえて、月がバラバラにこわれたのだが、そのあと、空に出てくると「どうして、こわれたのにあるの?」という声が。驚いた!! そうか、小さな子どもたちは、そんな風に、ニャーオンと同じように見るんだ。子どもならではの見方がとても新鮮だった。
 ラストの『まるまるまるのほん』では、「まる」が転がると、子どもたちもいっしょになって、転がったり、ページを捲ると、うわっと喜んだり、とても楽しんでいた。

 終わってから、「ああ、楽しかった!!」と言葉を残してくれた。本当にありがとう。救われたよ。

 

2021年10月14日 (木)

G東こども未来園 年長さん ストーリーテリングによるおはなし会 語れるって嬉しい!

 子どもの前でストーリーテリングをするのは、いつ以来だろうか? 記録を見ると、2020年の2月14日が最後。ということは、1年8ヶ月ぶりということになる。最後に語った時は、同じような日々が続くと思っていたし、おはなし会が重なって、ちょっとおざなりに語っていたようなところもあった。
 そして、今日。本当に久々。マスクをして声が届くか、緊張しすぎやしないか、と心配しながらも、やっぱり嬉しくて、お話をちゃんと届けるんだと、意気込んででかけた。

プログラム
 おいしいおかゆ グリムの昔話(『エパミナンダス 1』より)
 ひなどりとネコ ミャンマーの昔話(『子どもに聞かせる世界の民話』より)
 手遊び 虫かご *4
 世界でいちばんきれいな声 ラ・フルール作(『ヴァイノと白鳥ひめ (愛蔵版おはなしのろうそく (6))』より) *

 

   

 

 子どもたちは、絵本なしでお話を聞くのは、おそらく初めて。それでも、よく聞いていた。
「おいしいおかゆ」では、おかゆがどんどん増えるところで面白がる声が聞こえる。そのあとの「ひなどりのネコ」も、はじめは、よくわからないような感じだったのだが、くしゃみが繰り返されるところで笑い声が聞こえた。本当にくしゃみをしてしまうところで、何人かがびっくりしている。このあたり、理解できている子と、まだ理解できない子がいたようだ。
 次が私のお話。子どもたちは、お話を2つ聞いて、だいぶ疲れてしまったようで、前の方の子は寝転がってしまったので、「虫かご」の手遊びをした。ここで、きゅっとみんなが集中したのだが、そのあと、「次は外国の人が書いたおはなしだよ」「鴨って知っている?」と言ったのが失敗だった。またこどもたちが、元気になりすぎてしまった。途中で、下の学年の子たちがのぞきに来たりして、子どもたちは、落ち着いて聞いてくれていなかった。
 でも、私自身はよく練習したこともあって、最後まで気を抜かずに語れた。最後のところで、ようやく数人が真剣に目を向けて聞いてくれたことも嬉しい。


 そうそう、子どもたちはこちらが思っているようには動かない。でもどこかでちゃんと聞いている。それを信じて、心を込めて語る。ああ、やっぱり子どもたちに語れるって嬉しい。

2021年7月10日 (土)

I図書館おはなし会 久々そして新しい場所。反省も問題も満載。でもやっぱり楽しい!

 久しぶりの更新。そして、図書館のおはなし会は何と1年半ぶり。初心に戻って、再出発だ。どうぞこのまま、ほそぼそとでもつづけられますように。

 I図書館では、新しく子ども読書空間ができ、今回からそこの読み聞かせスペースで行う事になった。普段は子どもとその親などが、靴を脱いで上がり、座ったり寝そべったりしながら、本を楽しむスペースだ。今までの閉じられた「お話の部屋」とは違って開放的で、親しみやすい場所だ。久々な上に、初めての場所で、私たちもドキドキだった。

プログラム
 大型絵本 ぼくのくれよん (講談社の創作絵本) 長新太作 講談社
 絵本 密林一きれいなひょうの話 工藤直子文 和田誠絵 瑞雲社 *
 絵本 このかみなあに? トイレットペーパーのはなし (福音館の科学シリーズ) 谷内つねお作 福音館書店
 手遊び 一丁目のおばけ *
 紙芝居 紙芝居 おじいさんとおばけ (紙芝居 おはなしがいっぱい) 堀尾青史脚本 瀬名恵子絵 童心社
 わらべうた さよならあんころもち

 来てくれたのは、子ども9人、大人5人。年長さんと年中さんが一人ずつして、その他はみな2歳よりちっちゃな子たちだ。あーーー。これは、プログラムが難しすぎるかもと思った。案の定、よく聞いて見てくれたのは、最初の『ぼくのくれよん (講談社の創作絵本)』だけ。擬音や大きな動物たちを楽しんでいる。
    

 私が読んだ『密林一きれいなひょうの話』は10分ぐらいかかり、その間、他の絵本を見る子あり、遊ぶ子ありで、がやがや落ち着きがない。そのなかで、わたしは懸命に心をこめて読んだのだが、どこまで伝わっただろうか。あああ。そうだった!! 2-3歳を対象にして選書しなければいけなかったんだ! 新しい場所なので、小学生も来るだろう、これをきっかけにお話会の対象年齢をあげたいと思った私がおろかだった、と思い知った。1年半のあいだにすっかり現実から離れてしまったらしい。
     

次の『このかみなあに? トイレットペーパーのはなし (福音館の科学シリーズ)』では、だいぶ聞き手の人数が減って、静かになった。トイレットペーパーに跡がつくページを、年中さんがしっかり見ていた。
 ここで残っていたのは3組の親子。手遊びでは、みんなで一緒にやってくれる。最後にお化けが出てきそうになると、年中さんが後の方へ逃げて行ったのがかわいらしかった。
     

その雰囲気のまま紙芝居『紙芝居 おじいさんとおばけ (紙芝居 おはなしがいっぱい)』へ。2歳さんが紙芝居に触りたくて、前へ出てきたところで、ちょうど一つ目小僧が出てきて、わっと驚いて、お母さんの元へ戻っていく。笑いが広がった。
     

 ラストはいつもの「さよならあんころもち」。小さなお団子をつくるね、小さな子の小さな指がかわいらしいこと。

 なにはともあれ、お話会が無事終わってほっとする。こうした緊張感忘れていた。でも、これが楽しい!!

 前のおはなしの部屋の方が、子どもたちが集中しやすい。でも、この開放的で平坦なスペースでは、親しみやすい感じがするような気もする。プログラムをもっと賑やかにするとか、対話を多くするとか、前とは違うお話会ができるかもしれない。しばらくは試行錯誤が続きそうだ。

2020年12月 9日 (水)

南K小学校 朝の読み聞かせ 1年1組 10か月ぶりの再開!!

 コロナ感染防止で休止していたおはなし会、なんと10か月ぶりの再開です。

 中高学年は、まだ春の休校の影響で、朝の時間は勉強に充てているとのことで、低学年の実の開始です。検温して、手指の消毒をして、マスクをして、子どもたちは読み手の周りに集まらず、自分の席でと、あれこれと規制はありますが、やはり、子どもたちと本を分かち合うのは、何物にも代えがたい幸せです。

 私は、1年1組を担当させてもらいました。

プログラム
 絵本  谷川俊太郎絵 広瀬弦絵 アリス館
 紙芝居 こびとのくつや (ともだちだいすき) たかどのほうこ脚本 松成真理子絵 童心社

    

 できるだけ、遠目が聞くようにと選んだふたつ。でも、前の席の横端の子たちが、「見えない!」という。それは、想定外だった。わたしは黒板ぎりぎりまで後ろに下がったのだけれど、それでも見にくかったようだ。私が回転して見せた方がよかったかも。

 紙芝居からは、先生の指示で少しだけ、間に入るようにして、横を詰めてすわってもらった。それで、横の子たちはOKに。でも、終わってから先生に伺うと、まっすぐ座っているので、後ろの方は前の子の頭で見にくいところもあったらしい。舞台を教壇より、もっと上にのせられるように台が必要なようだ。ストーリーテリングの方が、絵を見せなくてもいいので、よいということもあるかもしれない。

 とまあ、新しい形での課題は山ほど。

 でも、子どもたちは、楽しんでくれた。と思う。
』では、先読みしたりして考えていたし、『こびとのくつや (ともだちだいすき)』では、寝ている間に靴ができるのを驚いたり、「くつやさんは何をつくったでしょう」というと「ふくしかないよ」「はたかだもん」と口々にいったりしていた。もしかしたら、もうお話を知っていたかもしれないけれど、こうしたミュージカルみたいな紙芝居の形で見られるのは面白かったと思う。

 どうか、このまま、少しずつ状況が回復していきますように。子どもたちの笑顔にまた会えますように。次までに、よいお話を、よりよい形で出せるよう用意しておこう。

2020年7月19日 (日)

課題図書を読む『キャパとゲルダ ふたりの戦場カメラマン』

課題図書を読む『キャパとゲルダ ふたりの戦場カメラマン』

 歴史、社会情勢に弱い私は、読むのに苦戦。かなりの時間を要したけれど、それは、おもしろくて、未知の森を手探りで、一歩一歩確かめて歩くように、読んだから。ただ、残念ながら、私の知識と読解力では、読みこめないこと、理解できないことがたくさんあって、うまく紹介できていません。でも、高校生たちなら、きっと満足できる内容。そして、キャパとゲルダがものすごく魅力的。ぜひ、読んでほしいです。

キャパとゲルダ ふたりの戦場カメラマン
 マーク・アロンソン&マリナ・ブドーズ著
 原田勝訳
 あすなろ書房

   

 ハンガリー生まれの若者アンドレ・フリードマンとドイツ生まれの若い女性ゲルダ・ポポリレは、1934年秋にパリで出会う。アンドレは21歳前後、ゲルダより3つ年下でまだかけだしの写真家。ゲルダはアンドレの才能を見抜き、身だしなみから売り出し方まで教えはじめる。アンドレはゲルダに写真を教える。1936年の春、ふたりは写真の売り込みのため、そして、国籍・宗教・身元を隠すために、それぞれ、ロバート・キャパ、ゲルダ・タローと改名する。その年の7月にスペインの内戦がはじまり、ふたりはスペインへ行き、ともに戦場カメラマンとして活動する。

 中身のぎっしり詰まった、読み応えのある一冊だ。大量の研究資料、写真、関係者の証言をもとに、検証に検証を重ねて、キャパとゲルダ(タロー)の足跡と功績をたどっている。本文の後には、まだ明らかになっていない事実への論争、多数の登場人物の略歴、スペイン内戦にかかわった組織の説明、年表が付く。その後で、共著者のふたりは、著作までの経緯をのべ、さらに、人生のパートナーでもある自分たちの共同作業を、キャパとタローに重ねてのべる。そして最後の謝辞や情報源でも、読者ず興味をそそり、考察したくなる内容を詰め込んでいる。

 本文では、欠くことのできない3つの側面が密接に関わりあっている。第二次大戦にとつながったスペイン内戦について、当時、画期的に進歩した写真の歴史と写真が社会に果たした役割について、そして、キャパとタローについて。

 キャパとタローはともにユダヤ人だった。祖国から逃げ、たどり着いたパリで出会う。だが、そのパリも安住の地ではない。不安定で貧しい暮らしだ。でも、若さと野心があった。新しい時代のカメラもあった。
 そのカメラは、それまでの三脚に載せたものと違って、自由に持ち運び、被写体に接近してとることができた。決定的な一瞬をうまくとらえた写真には、人間の真実や物語が映りこむ。掲載されているふたりの写真を見ていると、被写体となった人たちの人生と心情、その背景が浮かび上がってくる。

 ちょうどそのころ、スペインに内線が起こる。ヨーロッパをおびやかしはじめたファシズムに対する民衆の戦いだ。男女差、年齢差、地位の高低差に関係なく、人々が一丸となって立ち上がった。「平等と共同体」(p58)であるそれは、同じ志をもって尊敬しあう、対等な男女関係を築こうとしていたゲルダとタローそのものだった。
 タローの代表作となった写真、片足の膝をついてピストルを構えるスペイン女性の写真は、女性でありながらカメラを持って戦場に飛びこんだ、タローそのものの姿に見える。

 ふたりは写真を通して、スペイン内戦の情勢を世界に伝えて訴えかけ、世界を動かそうとした。その力のある写真を撮るために、戦場で危険を顧みず、ひたすらシャッターを撮り続けただろう。
 特に、タローは、キャパがスペイン以外の世界に目をむけはじめてからも、「これは『わたしの』戦闘だ」(p182)と写真を撮り続けた。
 タローは、掲載されたいくつかの写真を見ると、いつもおしゃれで美しい。だが、キャパが撮影したもので、ひとつだけ、ひときわ異彩を放ち印象的な写真がある。岩陰で銃を構えている兵士の後ろにタローがしゃがみこみ、無邪気に空を見上げている写真だ(P179)。華奢で少女のようなタローの無防備な姿は、戦火のさなかで場違いに思える。だが、張り詰めた状況のなかでタローのいる場所だけ、ほんわかと緩んだ空気が漂う。情熱と勇気にあふれるタローの姿は、兵士たちにとって、不安や恐怖をいやし、士気を高める、軍旗のような役割を果たしていたという。そのことをタローは十二分に認識し、より強い使命感に燃えていただろう。

 そのあたりから、キャパとタローの方向が少しずれたように思う。キャパはスペインへの興味を失っていき、中国への渡航を考えていた。もっと広い視野で世界を捉え、今の世界情勢を人々に伝えたようとしたのだろう。
 また、結婚を考えたキャパに対して、タローはキャパを「コパン」(フランス語で、仲間、友人、同僚などの意)(p26)と呼んだ。このことにもふたりの微妙な違いを感じる。

 それにしても、ふたりが強い絆で結ばれ、すばらしい共同作業者であったことに違いはない。
 タローの死後も、キャパは本の冒頭で紹介されているノルマンディー上陸作戦の写真をはじめ、多数の優れた戦争報道の写真を撮り続けた。スペイン内線にも戻っている。
「キャパの一部はゲルダとともに死んだのです」(p200)と、いう友人もいたが、タローの伝記の作者は、「彼女はまるでキャパの一部になったようだ」(p230)と表現している。
 私は、「世界でもっとももすぐれた報道写真家のひとり」と称されるキャパは、タローを愛し、タローとともに生きることで、大きく成長したのだと思う。


*第66回青少年読書感想文全国コンクール 高等学校の部 課題図書。
 

2020年7月15日 (水)

課題図書を読む『おれ、よびだしになる』

 今年はコロナで図書館が閉館になり、開館になってからも気楽に利用しにくくて、課題図書を読み始めるのが遅れてしまった。もう7月で子どもたちに読んで欲しいので、今回紹介する絵本と、つぎの1冊で読み納めです。

おれ、よびだしになる
 中川ひろたか文
 石田えりこ絵
 アリス館

   

 テレビの大相撲中継を見て、「ぼく」は「よびだし」に憧れる。土俵で、扇子を持ち、足元のすぼんだ袴姿で「ひがーしー、○○うみ~。に~し~……」と、呼びあげをするあの人だ。
 久留米に暮らす「ぼく」は5歳のとき、九州場所を見に行き、本物の「よびだし」に運良く声をかけられ、稽古場を見学させてもらう。そこでさらに「よびだし」に憧れて、「おれ、よびだしになる」と決心。毎年、九州場所があるたび稽古場を見学していたが、中学卒業とともに、本当に「よびだし」になる。

 絵本では、そのあとの呼び出しになってからの生活、修行を描きつつ、「よびだし」の仕事を紹介していく。それは、私には未知の驚きのことばかりだった。いちばん驚いたのは「よびだし」が、相撲部屋に属していること。小柄に見える(力士の近くで見るから小柄に見えるのだろうが)「よびだし」が、あの大きな力士と寝食をともにしていたのだ。土俵を作るのも、「よびだし」であることも、はじめて知った。
 他にも初めて知ることばかりで、最後まで興味深く読んだ。次に大相撲中継を見るときには、きっと「よびだし」に注目するだろう(ただ、今年の夏場所は、国技館で無観客の予定のようで寂しい)。

 絵は白黒の絵の一部に色を添えてある。たいていは、要所がほんのりと染めてあるのだが、のぼりや懸賞幕だけは、実物そのものに、色とりどりに塗られている。白黒の絵の中にあって、その派手やかさは、目を引き、効果的だ。懸賞幕は、画家が遊んで、おもしろい描き込みをしているので、よく見てほしい。

 力士ではなくて「よびだし」に憧れる子がいるとは、私には思いもつかぬことだった。でも、背筋をしゃんとのばして、張りのある声をあげ独特のふしで呼び上げる姿は、テレビ観戦している小さな子の心をひきつけてもおかしくない。
 それにしても、大相撲をテレビで見てたのに、「よびだし」という名も実は知らなかった私に比べて、「ぼく」は、よほど熱心に見ていたのだろう。5歳のときにはすでに、よびだしが太鼓を叩くことも知っている。「ぼく」がテレビを見て扇子を広げ「よびだし」のまねをしている場面では、太鼓のバチのような物も床に転がっている。そしてその奥に見える台所では、お母さんが、きっと息子の声を聞いているのだろう、微笑みながら料理をしている。きっとこの家では、子どもの「好き」を大事にしているのだと思う。

 子どもたちは、いろいろな世界に興味を持ち憧れる。その間口を広げて、応援するのが大人の役目じゃないかと思う。

 


*第66回青少年読書感想文全国コンクール 小学校低学年の部 課題図書。
 

2020年6月 2日 (火)

課題図書を読む『ねこと王さま』

 おはなし会がすべて中止になり、図書館も閉鎖になり、更新が3か月滞っていましたが、課題図書で再開です。まだ、おはなし会は図書館も学校関係もおやすみですが、図書館の貸し出しがはじまり、公立小学校が分散登校ながらはじまり、少しずつ始動しはじめました。
 まずは、楽しい作品から。
 
 ジャクリーン・ウィルソンの本のイラストでおなじみのニック・シャラットが、文・絵ともにてがけた作品。読み物の体裁だが、まるで絵本のように、絵と文章が一体となっていて、楽しみながら読み進められるようになっている。それほど難しい内容ではないので、低学年向けでもいいのではと思う。

 イギリスが舞台な
ので、二階建てバスやショートブレッドなどイギリスの雰囲気が漂っている。読み手の子どもたちは異文化をどう感じるだろう。自然にうけてめるか、なじめないか、好奇心をいだくか、知りたいと思う。


ねこと王さま (児童書)
 ニック・シャラット作・絵
 市田泉訳
 徳間書店

   


 王さまは友だちのねことお城に住み、王さまのしごとを上手にしていたのだが、ある日、火を噴くドラゴンがやってきて、お城を燃やしてしまった。しかたなく、ねこと王さまは、二軒長屋の片方、「おしろ横町三十七番地」に引っ越す。

 ねこと王さまの設定とふたりの関係がおもしろい。
 ねこは猫だから人間の言葉は話せないのだが、それ以外は、きれいな字が書けることをはじめパーフェクトにできる。とくに優れているのは、王さまを思いやる気持ちだ。
 一方王さまは、たとえ小さな家に住もうが、どこまでも王さま然としている。まるで小さな子のように純粋で、心に汚れがない。さらに王さまがかわいいのは、さびしいとき、惨めなとき、かんしゃくを起こしたり、だだをこねたりせず、しょんぼりすること。
 その王さまの気持ちを、ねこは察して、新しい暮らしのなかで工夫して、王さまの願いをかなえようてする。実は、お城にいたときも、王さまを楽しませるために、ねこが奮闘していたことが、読者には、次第にわかってくるのだが、無邪気な王さまは、そのときまったく気づいていない。それでも、ねこは、王さまが幸せな顔をするのが、なにより幸せなのだ。

 王さまはお城を出てからは、必要に応じて、あるいはねこを手伝って、少しずつ家事ができるようになっていく。それとともに、王さまの心も広がっていくように見える。それは、まるで、子どもが育っていく過程に似ている。
 ねこは、なにもできない王さまをそのまま、まるごと受け止めて、あれこれいわず(もともとねこは話せないが)、いっしょに行動することで自然に生きる力を教えていく。子を伸ばす親のお手本に見えてくる。

 でも、ねこと王さまは、あくまでも友だち。互いを互いのままに認めて、思いやりあう。友達とか親子とか師弟とか、身分や人種(動物種?)。どの関係においても、それが大切なんじゃないだろうか?

*第66回青少年読書感想文全国コンクール 小さい学校中学年の部 課題図書。
 

2020年3月 5日 (木)

小学校女子の微妙な心を描く、あいちゃん、ともちゃんシリーズ

 この数年、くすのきしげのりさんの絵本が多数出版され、おはなし会でもよく読まれている。そこには、子どもの日常生活に起こる出来事から、子どもが悩み考え、健やかに成長していく姿がある。その姿は、子どもたちにとっては共感しやすく、子どもの成長を願う大人にとって、喜ばしく、感動的だ。子どもに接する自身の態度を反省させられることもある。
 くすのきさんは、長年教職を勤め、たくさんの子に出会ってこられた。様々な個性をもつ子どもたちの中のひとりに焦点をあて、ある出来事を通して、その子の気持ちの変化を描き出すのが、とても巧みだ。

 

ええところ (絵本単品)』『へなちょこ』『ひとりでぼっち』は、
ええところ (絵本単品)』と『へなちょこ』は、親友のあいちゃん、ともちゃんが、それぞれ主人公。あいちゃんは、背が低く、運動も苦手な、おとなしい子。ともちゃんは、運動が得意で、だれとでもはきはき話せる活発な子。対照的なふたりなのだが、だからこそ相性がいい。『ええところ (絵本単品)』では劣等感を持つあいちゃんの「ええところ」を、ともちゃんがみつけて励まし、『へなちょこ』では、何でもできるからこそ隠したい、ともちゃんの「へなちょこ」な弱点をあいちゃんが受けとめ、その克服を助ける。
 2作品ともに共通しているのは、あいちゃんとともちゃん、ふたりが相手を思いやるやさしさ。ふたりの友情のような、裏のない、ほっとできる関係は、女子が最も求めているものだろう。

へなちょこ』の出版からから約7年たって、『ひとりでぼっち』で、あいちゃん、ともちゃんのクラスメート、はなちゃんが登場した。はなちゃんは、引っ込み思案で空想好きな子。いじめを受けているわけではないけれど、いつもぐずぐずしているうち、気がつくと「ひとりぼっち」になっている。ひとりでいるのも好きだから、まあ、いいかと思っているけれど、内心、ちょっぴり寂しい。それで、いっそ自分から進んでひとりぼっちになって、「ひとりでぼっち」をしようと考える。
 ひとりが好き、でも、いつも、みんなのなかで、ひとりは寂しい、だけど、仲間に入る勇気がない。だから、ひとりでひとりを楽しもう。そんなさても複雑な思いと強がりで、心はぐちゃぐちゃになっている。
 そんな、はなちゃんに、なにかと声をかけるのは、活発なともちゃん。その近くには、いつも、親友のあいちゃんがいて、いっしょにはなちゃんを思いやる。そして、はなちゃんを、みんなの輪の中へ、さりげなく誘い入れるのだ。

 学校の友達関係が、こんな思いやりにあふれていたら、どんなに素敵だろう。実際の学校生活は、こんなではないかもしれない。私が子どものとき経験からいえば、仲良しの中でも、競争心や妬みがあって、意地悪や陰口が行われている。でも、子どもたちは、あいちゃん、ともちゃんのような思いやりにあふれたやさしい子でいたい、そういう友達がほしいと心から願っているはずだ。だから、共感できる子が登場する、このシリーズは、女の子たちの心をほっとやわらげ、癒やしてくれると思う。

  
 

 さて、このシリーズのもうひとつの大きな特色、魅力は、イラストレーターふるしょうようこさんの絵だ。やわらかな線とパステルカラーのやさしい色合い、現実にファンタジーを組み合わせて、心の機微を映し出す絵は、小学生女子の心をきゅんとさせるだろう。 悲しい気持ちを、ブルー系の模様の背景やデフォルメした涙で表したり(『ええところ (絵本単品)』)、陰で表したり(『へなちょこ』)、嬉しい気持ちのページでは、花が飛び出していたり。私が好きなのは、『』の縄と、ユーモラスな縄おばけだ。
 3作の表紙、裏表紙をくらべて見ると、また楽しい。表紙にはそれぞれの主人公の顔がある。かわいい丸い目のあいちゃん、きりっとつり目のともちゃん、さらっと切れ長の目のはなちゃん。それぞれが、そのイメージに合った花に囲まれている。そして、裏表紙では、『ええところ (絵本単品)』『へなちょこ』で、あいちゃん、ともちゃん二人の下校姿だったのが、『』では、本をもって帰るはなちゃんに、あいちゃん、ともちゃんが後から声をかけている。こうして、ひとりひとりの個性を尊重している感じが、とても気持ちいい。

 このシリーズ、この先も続いて、尊重しあえる仲間が、ひとりずつ増えていったら、楽しいと思う。

#ひとりでぼっち #NetGalleyJP
https://www.netgalley.jp/book/174839/review/592770

 NetGalleyのプレゼント企画で、『ひとりでぼっち』をプレゼントしていただきました。

  Img1190thumb1 

あいちゃん、ともちゃん、はなちゃんとの出会いを、

ありがとうございます。

 

 

2020年2月27日 (木)

2月のひよこちゃん みんなそれぞれちがう

 なんと4組もの親子がきてくれた。0歳さんと1歳さん、2歳さん2人。みんな女の子だ。

プログラム 

 わらべうた くまさんくまさん *
       お茶を飲みに来てください *
 絵本 愛蔵版 ぶっぶー どらいぶ (主婦の友はじめてブックシリーズ) 中川ひろたか文 山本祐司絵 主婦の友社
 絵本 ケーキ やけました (講談社の創作絵本) 講談社
 わらべうた じーじーばー *
       にぎりぱっちりたてよこひよこ * *
 絵本 あれあれ だあれ? (あかちゃんあそぼ) 中川ひろたか作 村上康成絵 ひかりのくに
 わらべうた だるまさん *
       ずくぼんじょ *
 絵本 おでかけ ばいばい (福音館あかちゃんの絵本―おでかけばいばいの本1) はせがわせつこ文 やぎゅうげんいちろう絵 福音館書店 *
 紙芝居 ワン ワン ワン (あかちゃんかみしばい ぱちぱち にっこり) とよたかずひこ作 童心社


  
  
 


 0歳さんは、はいはいができるようになり(この子は先月もきてくれた)、1歳さんは歩けるようになって、好奇心旺盛でいろいろなところへいきたい盛り。2歳さんは、ふたりともはずかしがりや。
 そんなわけで、絵本や紙芝居では、なかなか、集中してもらえなかった。わらべうたでも、それまでキャッキャッと遊んでいたのが、きゅうにお母さんのお膝でじっとしているのがいやになって、にげだしたりする。急に絵本のところへ来て、ゆびさして、ワンワンとゆびさしてみたり、『あれあれ だあれ? (あかちゃんあそぼ)』のお母さんの顔を見て「ママだ」といってみたり。まったく小さな子は予測がつかない。でも、それぞれの子が、それぞれ違うところに関心をもっていた。みんな性格がちがっていて、日々、成長しているのだなと今日はとくに実感した。
 どうぞ、みんな健やかに育ちますように。

2020年2月18日 (火)

2月のおはなし広場 『ともだちや』で理解の差

 昨日のおはなし広場。暖かかったけれど、先生がストーブを焚いてくださった。
プログラム
 絵本 うれしいさんかなしいさん 松岡享子作 東京子ども図書館 *
 おはなし てぶくろ ロシアの昔話
 絵本 いちねんせいに なったから! いちねんせいの1年間 (講談社の創作絵本) くすのきしげのり文 田中六大絵 講談社
 紙芝居 紙芝居 りゅうぐうのくろねこ (紙芝居 アジアのむかしばなし) イ・スジン作 童心社 *
 絵本 にぎやかなおでん犬飼由美恵文 出口かずみ絵 教育画劇
 大型絵本 ともだちや (「おれたち、ともだち!」絵本) 内田麟太郎文 降矢なな絵 偕成社


   

うれしいさんかなしいさん』は、うれしいこととかなしいことが代わりばんこにおきる。もう少し小さな子向けのおはなしかもしれないが、おはなし会の導入として子どもたちが和むように読んでみた。子どもたちはすぐに、そのパターンを理解して「うれしいさん」「かなしいさん」と口々にいっている。反対からも読んでまんなかでぶつかると、ちょっと驚きの声があがった。


   ←出典本

 そのあとの「てぶくろ」は、熱心に聞いていた。知っているおはなしだろうに、動物が増えるたびに、「ええー」「むりだよー」と言っている。絵本で見るのとは別の感覚があるのかもしれない。


   

 大喜びだったのは『いちねんせいに なったから! いちねんせいの1年間 (講談社の創作絵本)』。ともだちをつくろうと、一生懸命、自己アピールする主人公に、笑ったり、「無理無理!」と声に出したりしていた。ラストも大笑いで終わった。


   

 その興奮があとをひいて、そのあとの私の紙芝居『紙芝居 りゅうぐうのくろねこ (紙芝居 アジアのむかしばなし)』は、始まりがざわついて、先生が「しーっ」と注意されたりした。こういうとき私は、うまく子どもたちを引きつけられないなと思う。それでも、途中からしんとして聞いてくれた。あずき5粒を食べさせられた猫が金を5粒だすところ、死んでしまうところ、芽がでてくるめところなど、興味深く聞いていた。最後は「ほー」という関心の声。そして「短かかった!」という声があがって、私はちょっと安心した。「短い」と言うときは、たいてい、集中してきいて、あっという間におはなしが終わってしまったように感じているときだからだ。


   

にぎやかなおでん』で、またにぎやかに。こんにゃくが芋からできていることを知ってる子がいて、驚かされた。


   

 最後の大型絵本『ともだちや (「おれたち、ともだち!」絵本)』も、楽しんでいた。オオカミがともだちになったキツネに、大切なミニカーをプレゼントすると、「ええ、あげちゃうの?」と、その気前よさに驚いていた。子どもから見れば、いくらともだちでも、簡単に宝物を贈るのは難しいのかもしれない。「ともだちいちじかん100円」という呼び声がおもしろいらしく、その呼び声がラストで変ったのが残念な様子を見せる子も。みんが喜んで聞いていたけれど、理解の深さがそれぞれ違う。ほとんどの子が本当の内容をちゃんと理解できるには、もう少し年齢が上なのかもしれない。

2020年2月14日 (金)

H小学校 朝の読み聞かせ 4年1組 「北風に会いにいった少年」最後はうまくいくんだね

 バレンタインの今日は、H小学校へ。時間より早くいったのだが、子どもたちがきちんとすわって待っていてくれた。

プログラム
 絵本 バナナです 川端誠作 文化出版局 
 おはなし 北風に会いにいった少年 ノルウェーの昔話


   

バナナです』は、ずっと「バナナです」と読み続けるので、笑って聞いていた。「猫です」「犬です」などと言う子も。


   ←出典本

 つぎのおはなし「北風に会いにいった少年」は、なんかどきどきして息がつづかなかったり、また、間違えるのをうまく修正したりしながら語り始めた。途中から調子がでてきたのだが、子どもたちがなんかもぞもぞと集中しない感じ。でも、そのうち、それまで、特に落ち着かなかった子がぴたっと止まって聞き出した。ああ、よそごとしながらもちゃんと聞いていたんだと思いながら語った。ところが一番大事なところで、ちょっとしくじった。あちゃー、まただ。でも、とにかく、すぐに立ち直り、最後まで。語り終わると、ひとりの子が「最後にはうまくいくんだな」と言ってくれた。こちらが、しくじった!と思っても、そういう声をきかせてもらえると、一気に嬉しくなる。

 ところでこのお話、一度、他の学校の5年生で喜んでもらえたので、大きい子のほうがいいと思ったが、もしかしたら、それほど難しいおはなしではないので、低学年のほうがいいかもしれない。とにかく、私が好きな話なのだ。もっと、もっと語りたい。
 

2020年2月12日 (水)

南K小学校 朝の読み聞かせ 4年1組 『ちへいせんのみえるところ』のふしぎな魅力

 昨日までの寒さが和らいできた。教室に行くと、担任の先生がまだいらっしゃらなくて、読み聞かせがあるのが伝わっていないらしい。そっと顔をのぞかせると、すぐに読み聞かせの体勢になってくれた。

 


プログラム

 絵本 ちへいせんのみえるところ 長新太作 ビリケン出版
 おはなし ルンペルシュティルツヘン グリムの昔話

 
   


ちへいせんのみえるところ』は、「でました」といって、地平線の見えるところから、男の子の顔やら船やら火山やら、とんでもないものがでてくる。無邪気に笑ってくれた。この作品は長さんの絵本のなかでも、とくに、なんだかわからないくせに、おかしくて楽しい。頭がくちゃくちゃにされて、すっきりするという感じだろうか。

 


  ←出典本  

「ルンペルシュティルツヘン」も、よくきいてもらえた。ただ私はちょこちょことちった。語っているときに、「うまく語れている」とか「あの子がちょっとつまらなさそう」「でも、がんばれ」とか、邪心がいっぱい湧いてきて、時々集中できなかったのだ。

 おはなしにそっくり入れるときと、自意識との戦いになってしまうときがあり、今日は後者。おはなしを伝える、それだけに心を入れたいのに。まあ、情けないことだ。、

2020年2月 6日 (木)

K第二幼稚園 年長さん ストーリーテリングによるお話会 3回目 「アナンシと五」「5」は数えちゃだめ!

 やっと冬らしい日。木枯らしが冷たい。
 K第二幼稚園の子どもたちは元気で、お休みがいない感じだ。いつものホールでは、発表会の練習が行われていたので、教室で行った。

プログラム
 はじまりのうた ろうそくぱっ *
 おはなし 屋根がチーズでできた家 スウェーデンの昔話 *
 わらべうた たこたこあがれ *
 おはなし アナンシと五 ジャマイカの昔話
 おしまいのうた ろうそくぱっ *


 先生のお話では、外遊びをした後に暖かい部屋に戻ってきたところだから、もしかしたら居眠りのする子がいるかもとのことだった。

   ←出典本

 でも、「屋根がチーズでできた家」を話し始めると、どの子も興味を持って聞いてくれた。やはり「子どもの肉を食べるトロル」というのが、恐怖なのだろう。怖がりながらも、先がどうなるだろうかと耳を澄ませている。前回D保育園で話した時と同じくらい聞いてもらえた。ここの子たちも成長したのだと思う。子どもってすごい!! わたしも集中してきちんと語ることができた。こういうときは満足感も大きい。

   ←出典本

「アナンシと五」もよく聞いていた。アヒルのおくさんやウサギのおくさんが食べられてしまうと、隣の子と顔を見合わせてびっくりしたりしている。

 おはなしが終わった後、先生が「みんな、数、かぞえられる?」「1、2、3、4、」というと、「5、6、7……」と数え続ける子が多い中、5を言わない子がいたり。なかにはわざと「5」といって、ばったり倒れる子もいた。
 成長の過程はそれぞれだ。

 

2020年2月 1日 (土)

2月のK図書館分館おはなし会 また、眼鏡を忘れた!

 今年、担当の第1土曜日が1月4日のお休みだったので、K図書館分館ではじめてのおはなし会。
 冬らしい晴天。まず1組の親子が来てくれた。男の子で6歳くらいかな?

プログラム
 わらべうた いっぴきちゅう
 絵本 きっともっとすてき! あんびるやすこ作 ひさかたチャイルド
 絵本 オオカミと10ぴきの子ブタ (児童図書館・絵本の部屋) 評論社 久山太一訳 
 紙芝居 かみしばいおに (紙芝居ユーモアひろば 第 1集) 矢玉四郎作 教育画劇
 エプロンシアター おふろにはいろう

 聞き手が少ないと緊張するのだろうか? とても静かに聞いていた。

   

きっともっとすてき!』は、仕掛け絵本。シンプルなおはなしだけれど、小さな子は楽しめると思う。

   

 わたしは『オオカミと10ぴきの子ブタ (児童図書館・絵本の部屋)』を読んだ。ところが、眼鏡を忘れたので、大変。何回もとちってしまった。ごめんなさい。

 節分ということで『かみしばいおに (紙芝居ユーモアひろば 第 1集)』。この紙芝居からもうひとり、年中さんの女の子が参加した。
 最後はエプロンシアター。いろいろな野菜がお風呂に入って、きれいになるお話。子どもたちは、野菜の名前がいろいろ言えた。大根が黒いときは、「ごぼう」と言っている。でも、じゃがいもや里芋もちゃんと言えているのがすごい。

 ところで、わたし、自分としては、とても反省している。うまく読めなかったのは、眼鏡を忘れたこともあるけれど、ろくろく練習していないから。このところ、おはなし会に人が集まらない。集まっても、2、3歳の小さな子たちで、しっかりしたお話の本は読めず、なんだか、やる気を失ってしまっていたのだ。今日も、ちいさな子向けの本を持ち、もし、大きな子がきたら、みたいな感じで、ただ候補の本をいくつか持っていっていただけ。そして、よし!と読んだら、このざまだった。ああ、年齢をとって、ぱっと見てぱっと読むってことができなくなったてきたのだと、実感した。
 とっても読みたい。でも、ちゃんと読むためには、たとえ、その日読めなくても練習しておかなくちゃ。その練習を自分で楽しめばいい。

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